蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第128話:瑠璃乃の答えは……

慈に見せつけられた瑠璃乃が泣く泣く撤退した。

 

瑠璃乃「うう〜綴理先輩……」グスン

 

綴「よしよし、るり。……こずとさやのところ行ってみる?」

 

瑠璃乃「……はい」

 

そして二人はさやかたちの所に向かった。

 

〜その頃、

 

 

◇◆◇◆

 

 

梢「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト」

 

二人は現在ダンス練習中。今は梢がさやかに見てもらいながら踊っていた。

 

梢「ふう。どうかしら、さっきと比べて」

 

踊り終わると、タオルで汗を拭きながらさやかにどうだったかを聞く

 

さやか「はい、今の方が安定していると思います。たぶん、立ち位置の問題ですね。具体案があるわけではないのですが。少し別の振りを挟むのはどうでしょう?」

 

さやかの案を聞き、梢は少し考えると、

 

梢「そうね、このままだとずれるし……ここ、音で合わせてみましょうか」

 

さやか「あ、良いですね。それなら綺麗に通ると思います。やってみましょう」

 

そして、今度は2人で合わせてみる。

 

さやか・梢「ワン、ツー、スリー、フォー」

 

そして合わせ終わると撮影していたカメラを見る。

 

梢「うまく当てはめられたかしらね。さすがはさやかさんと言ったところかしら」

 

さやか「いえ、梢先輩のアイディアあってこそです。これで、良い感じだと思います」

 

すると、さやかの様子に気づいた梢が、

 

梢「……いつもと違うから、ちょっと物足りない?」

 

さやか「あ、いえ……そんなことは」

 

梢「ふふっ。少し、休憩にしましょうか?」

 

そして二人は部室に向かった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

さやか「あ、この紅茶とっても美味しいですね」

 

梢「それは去年の春の紅茶なの。時間が経ったら経ったで、摘みたてとはまた違った、まろやかな味わいがあるでしょう?」

 

さやか「勉強になります!」

 

さやかの様子に、梢は微笑み、

 

梢「ふふっ。時期が変わると、風味も変わる。きちんと保管されていれば、香りが飛ぶこともない。別の美味しさが熟成されて…………。私たちも、色々変わったのかもね」

 

さやか「わたしたちも、ですか?」

 

さやかの問いに梢は「ええ」と答え、

 

梢「きっと去年の春頃なら、さっきのレッスンが出来れば満足だったわ。課題があって、それをこなすための答えを出せた。あとは、練習あるのみ。さやかさんは、違う?」

 

さやか「あ……そうですね。わたしはとにかく、“答え”が欲しかったですし……」

 

梢「去年の私たちが正しかったかどうかは、今となってはもう分からないけれど。今の私たちは、もっと違う味わいを知ってしまった。自分だけでは得られない……きらめきが欲しい」

 

さやか「花咲きたい、ですね!」

 

梢「ふふ」

 

さやか「ふふっ」

 

梢「困ったわ。原因は分かっても、これじゃあ解決策は――」

 

すると、部室の扉が開き、

 

瑠璃乃「わー! 優雅なお茶会開催中だ!」

 

綴理「美味しそう」

 

瑠璃乃と綴理の二人が入ってきた。

 

さやか「あ、綴理先輩。瑠璃乃さん。お二人も休憩ですか?」

 

瑠璃乃「え、いや、休憩じゃなくてその……」

 

綴理「て一さつ」

 

梢「あら、それなら新作のフレーバーティーの味も、偵察してもらおうかしら」

 

瑠璃乃「えっ?」

 

瑠璃乃が首を傾げると、梢が二人に紅茶を淹れてくれた。

 

瑠璃乃「なにこれめっちゃ美味しい! ガムシロとか入れなくても甘い紅茶ってあるんだ!」

 

綴理「おかわり」

 

すっかり新しい紅茶が気に入った二人。

 

梢「……気に入ってもらえてうれしいわ」

 

さやか「お茶菓子もありますからね」

 

さやかは自作のお茶菓子を二人にも出す。

 

瑠璃乃「うおー、甘いに甘いとか最強じゃん。ありがとー。さやかちゃん、お菓子も作るんだ!」

 

さやか「はい。梢先輩が教えてくれて、お菓子も日々勉強中です」

 

綴理「さや美味しい」

 

さやか「わたしを食べてるみたいですよー」

 

梢「ふふっ。お茶会というより、お菓子パーティになったわね」

 

瑠璃乃「ルリの知ってるお菓子パーティ、こんなお上品じゃないな?」

 

瑠璃乃の言葉にさやかは笑い、

 

さやか「瑠璃乃さん主催のお菓子パーティはきっと賑やかでしょうね」

 

瑠璃乃「…………あー、やっぱそう思います?」

 

さやか・梢「「?」」

 

瑠璃乃「や、なんてゆーか……。「いえー!」って盛り上がるのが正しいと思います? 的な?」

 

さやか「正しい……?」

 

梢「………私は、いえー、という柄ではないわね」

 

さやか「ふふっ。でもちょっと可愛いですよ、梢先輩」

 

綴理「こずかわいい」

 

二人からかわいいと言われた梢は少し恥ずかしそうにし、

 

梢「……そうじゃなくてね。シャッフルユニットを提案してくれた時から思っていたのだけれど、瑠璃乃さんは自分のこれからに悩んでいるのかしら?」

 

瑠璃乃「あ…………えっと」

 

梢「ごめんなさい。先に言っておくけれど、私には正解は分からないわ」

 

瑠璃乃「そーですよねえ。こちらこそ、ルリの言い方が雑でして。…………これまで間違ってたとは思わないけど、これだけが正解なのかなって思っちゃって……」

 

瑠璃乃の言葉を聞いたさやかは……

 

さやか「この半年で、色々変わりました?」

 

瑠璃乃「そーかも。特に、ラブライブ!に出て、色々考えるよーになって。前は、みんなが嫌な気持ちにならなければいいなって感じだったのが、みんなに楽しい気持ちでいてほしいなって思うよーになったってゆーか」

 

梢「だとしたら、私からひとつだけ言えることがあるわ。その気持ちは絶対に、間違いではないということね」

 

瑠璃乃「!」

 

さやか「ふふっ。そうですね。ただ……間違いではないというだけでは、正解でもないんですよね。自分が間違っていないと信じて頑張ることが、一番大変です」

 

瑠璃乃「…………信じて、頑張る、かあ」

 

綴理「さやもこずもすごい。結局間違ってるかもしれないのにね」

 

さやか「そうですね。自分の目指すものに何が必要なのか……それが分かるきっかけがあればと思います。わたしはその……そこにおいてはズルをした自覚がありますので……」

 

綴理「ズルじゃないよ?」

 

さやか「偶然の出会いはズルですよ……」

 

綴理「探してたんだからズルじゃないよ?」

 

さやか「もう……」

 

綴理に自身を肯定され、顔を赤くするさやか。すると、

 

瑠璃乃「探してたから、ズルじゃない…」

 

梢「瑠璃乃さん?」

 

瑠璃乃「ルリ、分かった気がする! 偵察って………、ルリが綴理先輩を退屈させないためになんとか絞り出したことで。ルリはそれしか考えてなかったんですけど……」

 

綴理「………」

 

瑠璃乃「でもそれが、綴理先輩には、ルリが何かを探してるように見えたんですよね」

 

綴理「だって……ボクを楽しませようとしてくれてたでしょ?」

 

瑠璃乃「〜〜! そっか!」

 

さやか「………よく、分かりませんけど。瑠璃乃さん、きっと綴理先輩はその力になってくれますよ」

 

綴理「がんばる。じゃあ、なんか見つけたみたいだから、行こう!」

 

瑠璃乃「おー! じゃあ、失礼します!! おじゃましゃしゃったー!」

 

梢「さて……。慈は、どう考えているのかしらね」

 

さやか「仲直りさせてあげたいですね。……ふふっ」

 

梢「……さやかさん?」

 

さやか「あ、いえ。結局、他のメンバーのことを考えてしまうなと。わたしも、梢先輩も」

 

すると、梢は照れたのか顔を赤くして紅茶を一口飲み、

 

梢「変わらない味もあるということで……」

 

 

 

ー つづく ー




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