瑠璃乃と綴理が2月のフェスライブで歌う曲を思いつき作曲している頃、アメリカに短期留学中の淳平はというと………、
ピピッ! ピピッ! ピ…バチンッ!!
俺は眠気に襲われながらも腕を伸ばして枕元で音を鳴らしている目覚まし時計を止める。
淳平「ふああ〜……。早く起きて準備するか……」
今日は土曜日。学校が休みなのでナタリーやボブ、トミーと一緒に遊びに行く予定だ。
俺はこの間ボブの家に行った時にボブの家族から最近息子が凄く楽しそうで、俺のお陰で学校でも黒人だとしても、人としてみてくれる白人がポツポツ現れ始めたと言い感謝してくれた。
大袈裟だなあと思われるかもしれないが、アメリカで暮らす黒人にとっては切実なことなのだ。
涙ながらに感謝を伝えるボブの両親に、俺は「I didn't do much(大したことはしてません)」と言い、その日はボブとPS5のドラゴンボールのゲームをして遊んだのだが……その時に皆で遊びに行こうと提案したのだ。
俺は部屋で着替えるとリビングに行く。
淳平「おはようマーク……」
マーク「オハヨウ淳平」
挨拶を返すマーク。
エミリー「Good morning, Junpei(おはよう、淳平)」
淳平「Good morning. Emily(おはようございますエミリーさん)」
俺が二人に朝の挨拶をすると、洗面所からナタリーが出てきた。
ナタリー「Oh, Junpei woke up? good morning(あっ、淳平起きた? おはよう)」
淳平「Good morning natalie(おはようナタリー)」
そして俺と3人は朝ご飯を食べて、俺とナタリーは出かける支度をする。
そして2人一緒に家を出た。
ナタリー・淳平「「I'm coming(行ってくるね)」」
そして家を出て2人との待ち合わせ場所に行くと、既にトミーが待っていた。
淳平「Bad Tommy. Sorry to keep you waiting(悪いトミー。待たせちまって)」
トミー「No, I just came here(いや、いま来たとこ)」
俺達がボブを待つと、
ボブ「Sorry! I made you wait(ゴメン! 待たせてしまって!)」
ボブが走って来た。
淳平「No, we just arrived too.(いや、俺らもいま来たとこ)」
トミー「Did something happen?(何かあった?)」
ボブ「I thought it would be a shame if I kept them waiting, so I left early, but I was stopped by a white police officer.(待たせたら悪いと思って早めに出たんだけど、白人の警官に止められちゃってさ……)」
それを聞いた二人はバツの悪そうな顔をする。まあ二人は白人だしね……。でも、
淳平「Is this country okay?(この国、大丈夫なの?)」
二人は渇いた笑いを浮かべるしかできなかった。
そうして4人で遊びに来た俺達。白人と黒人が、"仲良さそうに"一緒にいるのが珍しいのか、道行く人は皆こちらを見てくる。それにプラスして
だが、これこそ本来あるべき世の中の形だと思う。
ゲーセンでゲームしたり、ナタリーのショッピングに男3人付き合わされてゲンナリしたりしていると、あっという間にお昼になり近くのワックに入ることにした。
俺らが入ると、店員がホブを見て嫌そうな顔をした。
ふざけんなよ……。
だが、苛ついて手を出せばとんでもないことになるので我慢だ。
俺達4人が席に座ると、
淳平「Bob and Tommy, wait. Emily and I will buy it for you.(トミーとボブ待ってて。俺とエミリーで買ってくるから)」
トミー「Do you get it. Well, I'd like an egg cheeseburger please.(分かった。じゃあエッグチーズバーガーお願い)」
ボブ「I'm a cheeseburger(俺はチーズバーガーで)」
淳平「OK(分かった)」
そして俺とエミリーでカウンターに行き注文する。アメリカの人種差別に、アジア系はそこまで含まれていないので向こうも差別を大っぴらにできずに文句を言わずに注文されたものを出す。
これでボブが来てたら差別してただろうな…。
そして会計をして席に戻る。
淳平「Look, this...(ほら、これ……)」
ボブ・トミー「「Thanks(ありがとう)」」
そして4人でハンバーガーを食べながら話していると、店内で視線を感じた。
淳平「what……?(なんだ……?)」
俺が周りを見ると、主に白人たちから視線が向けられていた。
トミー「It's rare to see blacks, whites, and yellow people together. There are many people who have that kind of elected citizen ideology...(黒人と白人と黄色が一緒にいるのが珍しいんだよ。そういう選民思想のある人多いから)」
淳平「Hmm(ふ〜ん)」
ナタリー「Oh Bob, can I have a nugget please?(あっボブ、ナゲット1つちょうだい?)」
ボブ「OK(いいよ)」
黒人が食べていたものを普通に分けて貰う白人の絵面が出来上がった。
周りを見ると信じられないものを見る目で俺達を見ていた。
淳平「まあ、愚か者にはそう映るか……」
トミー「yeah? What did you just say?(ん? 今なんて言ったんだ?)」
淳平「nothing……(何でもない)」
そしてしばらく話していると、
トミー「Come to think of it, Junpei will be returning to Japan soon, right?(そう言えば、淳平はもうすぐ日本に帰るんだよな?)」
淳平「Oh, next Tuesday(ああ。来週の火曜にな)」
俺がそう言うと、ボブが顔を曇らせる。
ボブ「I thought I had made a friend for the first time.(せっかく、初めて友達ができたと思ったのに……)」
ん?
淳平「Bob, I'm not the only friend you have anymore, right?(ボブ、もう友達は俺だけじゃないだろ?)」
ボブ「……?」
トミー「that's right. Are we already friends?(そうだよ。俺達もう友達だろ?)」
ナタリー「that's right…(そうよ……)」
ナタリーとトミーがボブに笑いかけると、ボブは涙をボロボロこぼして泣いた。
淳平「Look, Bob, we're inside the store...(ほら、ボブ。店の中だから……)」
俺がホブにティッシュを渡すと、涙を拭くボブ。
ボブ「Thanks…(ありがとう……)」
そして俺達はトレーを返却して店を出る。そしてその後はセントラルパークでゆっくりして過ごしたのち、家に戻った。
すると、
ナタリー「Junpei, don't you want to live in America?(淳平、アメリカで暮らさない?)」
と、ナタリーが誘ってきたので、
淳平「It's impossible because there are people waiting in Japan!(日本で待ってる人たちがいるから無理!)」
と言ったら、ナタリーは「I see……(そっか……)」と、残念そうに笑った。
帰国まで、後四日。
ー つづく ー
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