蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第131話:シャッフルユニットライブ

あれから数日が過ぎ、今日は2月27日。シャッフルユニットでのライブの日となった。

 

梢「まさか、こんなにたくさんの方にライブ会場へ来てもらえるなんて。シャッフルユニットは、予想以上に注目されていたようね………」

 

綴理「るりが、期間限定には弱いって言ってた」

 

梢「……きっとそれは飲み物か何かの話だと思うのだけれど。今回の件とあながちズレていないのが、諭しづらいわ」

 

花帆「うわー、ライブ緊張してきたー! いつもより、下手なこと出来ないって言うか……!」

 

さやか「ふふ。外から見る先輩に期待していてくださいね。花帆さんの目にかなうものをお見せしますから」

 

花帆「なんか複雑〜〜! 楽しみだけど!」

 

4人はお互いのライブを楽しみにしており、しっかりと目に焼き付けようとしていたが、渦中のこの二人は、

 

瑠璃乃「……めぐちゃん」

 

慈「ん?」

 

瑠璃乃「今日はめぐちゃんをびっくりさせるから! 見てろよ!」

 

慈「るりちゃんこそ!「やっぱりめぐちゃんさいきょーすぎ!一生ついていきますー!」って、言わせてやるんだから!」

 

慈は心のなかでは瑠璃乃を想っているにも関わらず、相変わらずバチバチしていた。

 

瑠璃乃も、慈に自分の考えを伝えるためにこの期間中必死に頑張った。あとはそれをぶつけるだけだと意気込んでいた。

 

沙知「ほいほい、それじゃー始めようぜい。いやー、楽しみだねえ諸君! 蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ、 ワンデイシャッフルユニット・スペシャルステージの始まりだー!」

 

そして、ライブは開幕。1番手で出てきたのは花帆と慈のシャッフルユニット。〈かほめぐ♡ジェラ〜ト〉

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

花帆「やりたいことだけ突っ走れ! そんな感じでお届けしました!」

 

慈「カワイイの全力、受け止めてくれたかな♡」

 

花帆・慈「〈かほめぐ♡じぇら〜と〉でした!!」

 

二人のライフが終わり、そして2番手で出てきたのはさやかと梢のシャッフルユニット、〈蓮ノ休日〉

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

梢「以上」

 

梢・さやか「「〈蓮ノ休日〉でした」」

 

さやか「わたしたちのこれまでを……表現できたでしょうか」

 

梢「どうかこれからも、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブを……」

 

梢・さやか「「よろしくお願いします」」

 

そして、二人は舞台袖に下った。

 

◇◆◇◆

 

 

さやか「最後は綴理先輩と、瑠璃乃さんですか……」

 

慈「ま……お手並み拝見、かな」

 

そして、瑠璃乃と綴理のシャッフルユニット、〈るりのとゆかいなつづりたち〉がステージに上がる。

 

瑠璃乃「ほいじゃあ最後に――。っと、ちょっと待って綴理先輩」

 

会場を見渡した瑠璃乃があることに気づいて綴理にストップを掛ける。

 

綴理「ん?……………あ、今ペンライトの色変えてる子、まだいるね」

 

瑠璃乃「ちょっと待ってあげて……よし。みんなだいじょぶそー」

 

観客の準備が整ったのを確認した瑠璃乃は、さっそく今回のことについて話し始める。

 

瑠璃乃「それじゃ今日の最後! ルリがみんなに伝えたい気持ち、綴理先輩が形にしてくれたんだ。だから良かったら……聞いてって。

 

綴理・瑠璃乃「「"Colorfulness(カラフルネス)"」」

 

そして二人の曲、Colorfulness(カラフルネス)が流れ始め、二人が歌い始める。観客は全員二人の歌に聞き入っており、ゆっくりとサイリウムを左右に振って静かに応援を送っていた。

 

 

◇◆◇◆

 

瑠璃乃「これが……〈るりのとゆかいなつづりたち〉、の全力だぜっ。みんなせんきゅー! 今日は最後まで付き合ってくれて、本当にありがと!」

 

綴理「こっちのライブも……楽しかったね。みんなも、そうだよね」

 

瑠璃乃「……だれひとり、今日を嫌な気分で終わることがないように、ルリは祈ってます。あ、座っていいよ。まずルリが座る」

 

綴理「じゃあボクも」

 

二人は、ステージにちょこんと座る。

 

瑠璃乃「綴理先輩いえーい。みんな楽しかった? 楽しかったら、声上げたり、ペンライト振ったりしてほしい。どぞ!」

 

すると、観客は全員「楽しかった」と声を上げたり、静かにペンライトを振ったりと、つまらなかった人は1人もいないようだった。

 

慈「……っ」

 

瑠璃乃「ありがと。今日初めて来た人も、そうじゃない人も。それから、配信で見てくれてる子も。みんなほんとにありがとね。おかげですっごく楽しかった」

 

瑠璃乃はまずみんなに感謝を伝え、その後で今の心境を話す。

 

瑠璃乃「みんなには、楽しかったって、元気になって笑らって欲しい。それで次来るときを、次の配信を、楽しみにしてて欲しいなあ」

 

すると、

 

瑠璃乃「あとね。ルリからみんなに、お願いがあるんだ。もしも今、楽しいことが何もなくて。なんにもする気が起きない子がいたら――声をかけてあげて欲しいんだ。ルリたちのライブを、見に来てって。配信画面を開いて、ってさ」

 

瑠璃乃「そしてこう伝えてあげて。「大丈夫、全然疲れないから。嫌な思い出なんて、ひとつも残さない。 ルリたちが、ちゃんと楽しい思い出にするから、任せて」――ってさ」

 

綴理「……るり。るりの気持ちしか届かない人も、いる気がした。いて……今、届いたと思う」

 

瑠璃乃「よかった。じゃあ、今日は本当に、おつかれっしたー!!!」

 

慈「これが、るりちゃんのやりたかったこと。……凄いね。間違ってたのは、私だったみたい」

 

そして、ライブの翌日、部室では沙知と梢が話していた。

 

沙知「やー、お疲れお疲れ。まさか年度末にこんな面白イベントが発案されるとはねい。面白そうだとは思ってたけど、本当に楽しませてもらったぜー」

 

梢「沙知先輩も、卒業準備で忙しいでしょうに。設営も片付けもしてもらって……ありがとうございました」

 

沙知「いやいやこちらこそ一。良い企画だったって、瑠璃乃に伝えておいて?」

 

梢「はい」

 

すると、部室に花帆が入ってきた。

 

花帆「梢センパーイ! はやくはやく、練習の続きしましょう!」

 

梢「あら、気合たっぷりね」

 

花帆「だって、見てくださいこれ! さっき合わせたところ、撮ったやつです!」

 

梢「…………これは」

 

花帆「昨日の梢センパイとさやかちゃんを見て、 あたしも色々動きを考えてみたんですけど……その」

 

梢「確かに私も、花帆と慈のパフォーマンスには考えさせられるものがあった。今日はそれを意識してやってみたのだけれど……」

 

花帆・梢「「大成功 (です)ね」

 

梢「シャッフルユニット……面白い案だとは思ったけれど、やってよかったわね。本当に」

 

花帆「今日からまた、スリーズブーケ張り切っていきましょう! かほ党とこず党、いっぱい増やしましょうね!」

 

梢「かほ党とこず党…。ふふっ、そうね」

 

スリーズブーケに戻った二人が話しているとき、DOLLCHESTRAの二人は……、

 

 

さやか「ふう。どうでしょうか、綴理先輩!」

 

綴理「ん…………綺麗」

 

さやか「良かったです! 梢先輩の隣で踊っていると、なんだかわたしも"正しい動き"というものが はっきり掴めた気がしたんです。身が引き締まったといいますか」

 

綴理「うん。こずさや」

 

さやか「褒め言葉なんですよね!?」

 

綴理「さやが減ってないから、増えただけ。褒めてる。……もう少し、こずに頼んでみる?」

 

綴理は少しシュンとしてさやかに聞いてみる。すると、

 

さやか「いえ、大丈夫です。確かにとても勉強になりましたし、また機会があればお願いしたいとも思いますが……………それ以上に、今は早くDOLLCHESTRAとして、試したいことがたくさんあるんです」

 

綴理「そっか。うん、ボクも同じ気持ちだ」

 

さやか「それに……瑠璃乃さんは今回の恩もありますが、スクールアイドルとしてわたしのライバルになったので……!」

 

綴理「?」

 

さやか「頑張りましょう、綴理先輩!」

 

綴理「ん、るりには、お礼をしないとね。やって良かった」

 

その頃、みらくらぱーく!の二人は、

 

瑠璃乃「ふう」

 

慈「うーん……ごめーん、いったんタイム」

 

瑠璃乃「うん。ルリこそ、ごめん」

 

慈「るりちゃんは悪くないってば。ちょっと見返してみるね」

 

何故かライブの前よりもギクシャクしていた。

 

瑠璃乃「なんか、前のが良かったね」

 

慈「…………そうだね」

 

瑠璃乃「やっぱりごめん」

 

慈「……ごちゃまぜユニットのこと言ってるなら、あれは大成功。綴理も梢も、やって良かったって言ってたじゃん。実際、るりちゃんと綴理のライブ、文句の付け所なかったし。すごかったよ、るりちゃん。ほんとに、見直した」

 

瑠璃乃「でもルリは……」

 

慈「んー?」

 

瑠璃乃「ルリはめぐちゃんに……」

 

慈「ふう。ね、そんな顔しないでよ、るりちゃん。……ちょっと休憩にしよ? 待ってて一」

 

そして、慈は行ってしまった。

 

瑠璃乃「……どうしてこんななの? もっとこう、ルリにもできることはあるんだって、胸張って言えると思ってたのに……」

 

落ち込む瑠璃乃。だが、いくら待っても慈は戻ってこなかった。もう1時間近く経つ。

 

瑠璃乃「めぐちゃん、遅いな……。どうしたんだろ」

 

瑠璃乃は、慈を探しに行くことにした。

 

 

 

ー つづく ー

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