慈を探し回る瑠璃乃は、校内でえなとびわこに遭遇した。
えな「あ」
びわこ「瑠璃乃ちゃん」
瑠璃乃「やほ。ねえねえ、めぐちゃん見なかった?「」
えな・びわこ「「えっと…………」」
えな「慈先輩なら、さっき屋上に……」
瑠璃乃「お、ありがとー」
有力な情報を手に入れ、屋上に向かおうとする瑠璃乃、だが……
びわこ「でも。なんか、すごく怖い顔してたよ……?」
瑠璃乃「怖い顔……?」
そして、瑠璃乃は屋上に向かった。
ー 屋上 ー
屋上では、慈が1人でダンス練習をしていた。
慈「足は動く。違和感もない。でも……」
瑠璃乃「……めぐちゃん?」
慈「つ。……ごめ、るりちゃん。ちょっとさ、休憩がてら景色が見たく――」
瑠璃乃「さすがに、苦しくない?」
瑠璃乃に言われて、俯く慈。
慈「………………」
瑠璃乃「ねえ、めぐちゃん。ひとりで悩まないでよ、めぐちゃん。こう言っちゃなんだけど、ルリ頑張ったと思う。スクールアイドルのことだって、前よりめぐちゃんと色々話せると思う。だから――」
慈「分かってるよ。るりちゃんは頑張ったよ。すごかったよ」
瑠璃乃「……じゃあ、なんでルリがいないとこで練習してるのさ。合わない理由とかならルリも……ルリも一緒にちゃんと考えるから!」
すると、慈は顔を俯かせたまま震え、
慈「………るさいなあ。」
瑠璃乃「え?」
慈「うるさいなあって言ったの!」
慈が瑠璃乃に怒鳴る。
瑠璃乃「っ!」
慈「見て分かんない? 私が出来てないの! 私がるりちゃんに遅れてんの! もう見せたくないの!」
瑠璃乃「めぐ、ちゃん……!?」
慈の剣幕に圧される瑠璃乃。
慈「るりちゃんは私よりずっと、スクールアイドルのこと分かってたよ! 私の負け! ぎゃふん! るりちゃんの作戦大成功!」
瑠璃乃「!! 〜〜〜っ!!そこまで言うことないじゃん!!」
慈「私がやんなきゃ!るりちゃんが考えたって意味ないの!わざわざ離れたんだから分かってよ!るりちゃんならもうちょっと気を遣ってくれると思ってた!」
瑠璃乃「なんだよ、それ!! めぐちゃんのばーか!! 勝手にしろ! なんでっ……なんで、こうなるんだよ!!」
瑠璃乃は、瞳に涙を浮かべながら走り去っていった。
慈「ばかじゃないし! 勝手にするし!」
慈はそう反発するが……、
慈「ああもう……! なんでこうなっちゃったかなんて、私が知りたいよ……」
慈は、精神的に相当追い込まれてしまっていた。
ー 中庭 ー
綴理「あそこで……るり
花帆「わ、ほんとだ! 瑠璃乃ちゃーん!」
花帆と綴理が声を掛ける。
瑠璃乃「あっ……花帆ちゃんに、綴理先輩。不思議セット……」
綴理「チーム自由」
花帆「わ、いいですねそれ!」
瑠璃乃「あはは………ごめ、ちょっち充電切れ気味だから……」
花帆「うっ……………じゃあお邪魔だったよね……」
綴理「チーム自由は屈しない。みらくらぱーく!だけ、おかしい」
花帆「えっ?」
その言葉を聞いた瑠璃乃は、俯きながら話し始める。
瑠璃乃「まあ、うん。スリーズブーケもDOLLCHESTRAも、うまく行ってるんですよねー」
綴理・花帆「「うん…………」
瑠璃乃「ルリだって、思ってたことをまとめてさ。ちゃんと、めぐちゃんにもルリの気持ちを伝えられたはずなのに………どうしてこうなっちゃったんだろう」
綴理「めぐは、なんて言ってた?」
瑠璃乃「「出来てないのは私」って。でもそれ、ルリにはあまりピンと来なかった……」
花帆「淳兄ぃなら、分かったのかな……」
瑠璃乃「どうだろうね……」ハァ
綴理「…かほは、分かる?」
花帆「え!? 慈センパイのことですか?」
綴理「そう。今のめぐのことは、今のかほが知ってる」
瑠璃乃「えっ?」
花帆「えぇっと? えっと、そうだなあ。慈センパイができてない…………? でも、あたしとライブやってたときのセンパイは、相変わらず凄かったですし。改めて瑠璃乃ちゃんと組み直したって、センパイが見劣りするってことは……ないと思う、んですけど……」
綴理「だったら、気持ちの問題?」
花帆「ただ単に息が合わなくなったのを、センパイが自分のせいだって思ってる……ってことですか? でも、それって………」
瑠璃乃「じゃあやっぱり、ルリが勝手だったのかな…」
瑠璃乃は余計に落ち込んでしまう。
綴理「……るり。ボクはめぐと組んでないから、めぐのことは分かんないけど。るりのことはちょっと分かるよ。きっと、今のるりだから出来ることがあると思うんだ」
瑠璃乃「今の、ルリだから?」
綴理の言葉に、瑠璃乃は顔を上げる。
綴理「ステージの上から、るりがみんなにお願いしたこと。すごく綺麗だったよ。あのときのるりは、明るい桃色に、きらきらしてた。みんなに元気を分けてあげて。そして、元気がなくて、るりが知らない子には―みんなから気持ちを届けてあげてとお願いして」
瑠璃乃「……………」
綴理「るりは、目の前に元気のない子がいたら――それが誰であっても、元気にしてくれる。ねえ、るり。きみはめぐと……ジュンの幼馴染だけど、もうそれだけじゃない」
綴理「きみはひとりの――スクールアイドルだ」
綴理の言葉に、もう一度瑠璃乃は俯くと、
瑠璃乃「そっか。そりゃ……そうだ。綴理先輩」
瑠璃乃は、勢い良く顔を上げる。
瑠璃乃「花帆ちゃんも、ありがとね」
花帆「えっと……力に、なれたかな?」
瑠璃乃「言葉にできなかったこと、今なら伝えられる気がするんだ。ルリは――スクールアイドルだから!!」
ー つづく ー
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