蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第134話:帰還

みらくらぱーく!の結束が更に強固になり数日後、今日は3月1日。スクールアイドルクラブの部室には、みらくらぱーく!の二人を除いた4人が既に集まっていた。

 

梢「じゃあ、あのふたりは生徒会室に呼び出し中、と」

 

さやか「はい……」

 

綴理「なにしたの」

 

花帆「屋上からバレンタインチョコをばらまいたんです。ぶわーって!」

 

綴理「行かなきゃ!!」

 

さやか「もう無いですよ。みんな来た人が喜んで持っていっちゃったみたいなので。特に男子生徒が血眼になって拾っていたと聞きました……」

 

梢「まったく……うちの男子は………」

 

すると、部室のドアが開いた。

 

慈「ごめーん! 遅れちったー!!」

 

瑠璃乃「ソーリー!!」

 

綴理「チョコだ」

 

瑠璃乃「お、そうだそうだ、どぞどぞ皆さん。さっき来れなかった子にはひとりひとり配ってるの。ハッピーバレンタイーン!」

 

瑠璃乃と慈がチョコレートをみんなに配っていく。

 

梢「はあ…………慈。瑠璃乃さん」

 

慈・瑠璃乃「「?」」

 

梢「遅刻の謝罪は受け取ったけれど、生徒会室に呼び出されるほど周囲に迷惑をかけたことの方が問題よ」

 

慈・瑠璃乃「「ごめんなさーい」」

 

花帆「迷惑どころかみんな喜んでた気も……」

 

梢「花帆?」

 

花帆「な、なんでもないです!!」

 

花帆は慌てて首を振る。

 

梢「まったく。とんだお菓子パーティもあったものね」

 

さやか「あはは……………」

 

花帆「でも、すっごく楽しかったですよ! 屋上から降るチョコレートが、まるで花吹雪みたいに綺麗で!蓮ノ空が遊園地になったみたいでした!」

 

瑠璃乃「でしょでしょ!いやー、これぞみらくらぱーく!」

 

慈「楽しいが一番ってね!」

 

梢「ふたりとも? 反省してないのかしら?」

 

慈「お、怒られたことはもうしないから!」

 

慈がヤバいと思ってもうしないと約束する。

 

瑠璃乃「あっ……そうだ、綴理先輩」

 

綴理「ん? まだチョコあるの?」

 

瑠璃乃「まだありますよー。じゃなくて、今回はありがとうございました。めっちゃ成長できたし、これからのみらくらぱーく!は最強になりました!」

 

綴理「お一。それは良かった」

 

慈「綴理。…………一応、私からもお礼」

 

そう言うと、慈は籠一杯に入ったチョコレートを置く。

 

綴理「わ、全部食べたらさやに怒られそう」

 

さやか「日を分けましょうね」

 

瑠璃乃「あそーだ! こっちは花帆ちゃんの分だよ!」

 

瑠璃乃は花帆にも綴理と同じく籠に入ったチョコを渡す。

 

花帆「わー、ありがとー!」

 

瑠璃乃「いろいろ、お話聞いてくれてさんきゅーね」

 

花帆「友達だもん。当たり前だよ。えへへ。シャッフルユニット、やってよかったね!」

 

瑠璃乃「うん!」

 

すると、校内放送が鳴った。

 

沙知『えー、日野下花帆、村野さやか、大沢瑠璃乃、乙宗梢、夕霧綴理、藤島慈の6名は、至急全員生徒会室まで!』

 

そして校内放送は終わった。

 

綴理「ボクたち、なにかした?」

 

花帆「い、いや……あたしたちはしてないと思いますけど……」

 

さやか「慈先輩と瑠璃乃さんはさっき呼ばれましたし……」

 

梢「別件かしらね? 行ってみましょうか?」

 

慈「うへ〜、嫌だなぁ……」

 

瑠璃乃「たくさん謝ったのに……」

 

さやか「まあまあ、そうと決まった訳じゃありませんし……」

 

梢「とにかく、行ってみましょう」

 

そして、6人は生徒会室に向かった。

 

コンコン!

 

梢「失礼します。沙知先ぱ……」

 

部屋に入った梢が固まった。

 

花帆「梢センパイ?」

 

沙知「おっ、みんな来たね?」

 

さやか「いったいなんで……っ!!」

 

綴理「ああっ!!」

 

入ってきたみんなが、続々と顔を輝かせる。その正体は……

 

淳平「帰ってきたぜ。みんな!!」

 

アメリカ留学から、予定より少し早く帰国した淳平がいた。

 

花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈「「「「「「淳兄ぃ(ジュン兄ぃ)(淳平先輩)(淳)(ジュン)!!!」」」」」」

 

みんなは、一斉に俺に飛び付いてきた。

 

梢「お帰りなさい……っ。淳!」

 

綴理「お帰り!」

 

花帆「淳兄ぃお帰りなさい!」

 

さやか「無事に帰ってきてくれましたね。お帰りなさい!!」

 

慈「ジュンっ!!」

 

瑠璃乃「ジュン兄ぃっ!!」

 

淳平「よしよし……まあ、積もる話もあるが、俺がいない間の話は今沙知先輩から聞いたよ。さてと、ていっ!!」

 

ゴチンッ!!

 

慈「痛ったあ!!」

 

俺はめぐにゲンコツした

 

慈「ちょっとジュンいきなり何!?」

 

淳平「お前、学校に無断で旅立とうとしたらしいな……?」

 

慈「そ、それは……」ダラダラ

 

慈は冷や汗が止まらない。

 

淳平「まったく……るりちゃんはシャッフルユニット、いい案だと思ったよ。おかげでみんな成長できたみたいだし」

 

瑠璃乃「う。うん!!」

 

梢「そうね。そのお陰で成長できたわ」

 

花帆「うん!」

 

淳平「けど、」

 

瑠璃乃「な、何か……?」

 

淳平「さっき、チョコをばら撒いたんだって?」

 

瑠璃乃「うっ!!」

 

二人は冷や汗が止まらない。

 

淳平「…………まあ、それに関してはみんな迷惑に思うどころか喜んでたみたいだから特別に不問にはするけど。ルールは守れよな?」

 

慈・瑠璃乃「「は、はい……」」

 

沙知「まあまあ、ジュンペイだって久しぶりにみんなと会えて嬉しいくせに……」

 

淳平「ちょっ!? 沙知先輩言わないでくださいよ!!」

 

慈「へぇ~?」ニヤニヤ

 

淳平「……慈?」

 

慈「ごめんなさい調子に乗りました」

 

即座に土下座を敢行する慈。

 

沙知「じゃあ、部室に行こうか?蓮華祭に向けて、私も練習しなきゃだからね。打ち合わせとかあるし」

 

淳平「そうですね、行きましょうか。……沙知先輩、残り短いですが、最後のご指導、お願いします!!」

 

沙知「ははっ、分かったよジュンペイ」

 

そして、俺達は沙知先輩を含めた8人で部室に向かった。

 

 

 

 

 

ー その日の夜 ー

 

慈の部屋では、瑠璃乃と慈が一緒にいた。

 

慈「ありがとね、るりちゃん」

 

瑠璃乃「ぼへ一」

 

慈「ありゃ、聞こえてない? ……充電切れか。まったく……ちっこいくせにさ。いつの間にか、こんなにでっかくなっちゃってまあ。半年間……ううん、それよりずっと前から、がんばってきたんだもんね。かっこいいじゃん、大沢瑠璃乃」

 

慈「私、どんなるりちゃんも大好きだけどね。私と一緒にがんばってくれるるりちゃんのことが、いちばん好き……だよ」

 

瑠璃乃「あそ一だ」

 

瑠璃乃が突然目を覚ます。

 

慈「わあああ!? なに!?」

 

瑠璃乃「なんだー? まいっか。もちろんめぐちゃんにもあるよ、チョコ」

 

慈「あ、ああそういうこと。ふっふっふ、ならこっちも当然あるんだなー。るりちゃんびっくりするぞー」

 

瑠璃乃「なにー!?じゃあ勝負だ! せーの!」

 

慈・瑠璃乃「「はい!」」

 

2人同時にチョコを見せた二人は目を疑った。

 

慈「…………嘘でしょ? るりちゃんもおんなじもの作ってたの?」

 

瑠璃乃「みらくらチョコ、びっくりすると思ってたのに!」

 

二人がそれぞれ作ったのは、サイズや色の違いはあれど、それ以外はほとんどの要素が全く一緒のチョコだった。

 

慈・瑠璃乃「「あははっ。引き分けじゃん!」」

 

 

ー つづく ー




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