第135話:帰って来た
俺がアメリカ留学から帰還し、生徒会室でスクールアイドルクラブのみんなと1ヶ月と少しぶりに再会した。
その後で沙知先輩も含めて部室に行ったのだが、行く途中に他の生徒たちとすれ違い、みんな驚いた顔をしていたが、すぐに笑顔を浮かべて「お帰り!」と言ってくれた。
これを聞いていると、帰って来たという実感と、俺がこの学院で必要とされているという安心が湧いてくる。
そしてその日はお開きになり翌日の朝。俺達は部室にいたのだが、突然校内放送が鳴り先生が生徒たちを講堂へと招集する。
淳平「なんだ……?」
沙知「きみが帰ってきたからじゃないかい?」
花帆「きっとそうだよ」
梢「淳のいない間のテスト、私たち不甲斐なかったわね……」
それを聞いた俺は頭に「?」が浮かび、さやかちゃんに聞いてみた。
さやか「実はですね、淳平先輩のいない間の定期テストで、学院全体で点数が下がってしまったんですよ……。みんな、口々に「勉強しても分からないところを分かるようになれなかった」と……淳平先輩の偉大さをみんな感じていたところです……」
淳平「おいおい………」
大丈夫なのかと心配になってくるな……。
そして、俺達が講堂に入ろうとすると、俺だけ止められてしまい、他の生徒たち全員が入り、座った所で理事長が壇上に上る。
理事長「えー、急な集会を開いてしまいまずはお詫びを。皆さん何事かとおもっている方も居るでしょうし、もう知っている生徒も大勢居るでしょう。皆さんのお待ちかねのあの生徒が、少しばかり早く留学から帰ってきました」
生徒たちがざわつき出す。だが、その声はこれから歓喜に湧くことが分かっているからだった。
理事長「それでは、皆さんで呼びましょう。お帰りなさい。"日野下淳平"くん!」
その声で、先生に促されて俺は講堂に入る。すると生徒たちからわれんばかりの大歓声が上る。みんな口々に「お帰りーー!!」とか、「待ってたよ!!」とか叫んでいる。
……俺の影響力凄すぎない?
少しばかり戸惑いながらも促されて俺も壇上に上る。理事長が一歩退き、俺にマイクを譲る。
何か喋れということか……
淳平『あー、みんな……ただいま。何喋っていいか分からないから思ったことを言ってくな?まず、俺はアメリカに留学して、貴重な経験ができて、それは良かったと思う。向こうで友達もできて、帰るときには空港で帰らないでくれって泣きつかれた(笑)』
俺の言葉を、みんな黙って聞いている。
淳平『でも、俺はこの学校やみんなのことが大好きだから、断って帰ってきた。向こうにまた行く予定も無い。だから、1、2年生のみんなは卒業までよろしく。3年生の先輩方は、もう1か月も無いですが……最後までご指導お願いします。……生意気な後輩かもしれませんが』
すると、先輩たちから笑い声が飛ぶ。「お前なんかぜんぜん生意気じゃねえよ」とか、「先輩を立ててくれるいい後輩だよ?」と言ってくれる。
いい先輩たちだなあ……
淳平『ありがとうございます………。でも、1つだけみんなに不満があります。先輩たちには失礼ですが、少しばかり呆れてるのでもうしわけありませんがタメ口で……説教させてもらいます』
ザワザワ……
みんなが「あの淳平がそこまで言うなんてなんだ?」と気になる様子。俺の言葉を待つ。
淳平『みんな、俺が勉強教えないとテストなんであんなにヤバくなるわけ?』
全校生徒『『『うっ!!』』』
みんなが痛いところを突かれて変な声を上げる。冷や汗を流す者もいた。
淳平『さっき、俺がいなかった途端に学校全体で点数が下がったって聞いたぞ? これは俺抜きで抜き打ちで勉強させて学力の底上げを先生に提案したほうが良いかもしれないな……?』
俺が淡白にそう言うと、みんなが顔を青くして「そんなーー!」と絶叫する。
淳平『と、言うわけで先生、卒業式が終わって春休みになったら在校生を抜き打ちで勉強させましょう!』
先生たちも頷き、「正直焦ったから大賛成だ」と、乗り気な様子。
卒業生はなんとか逃れられてホッとしているが、
だが、
花帆「そんなぁあぁあああっ! 淳兄ぃ横暴だーー!!」
慈「私に何か恨みでもあるの?!」
梢「………返せる言葉が無いわ」
綴理「………………」
さやか「私も反省したので頑張らないと……」
瑠璃乃「ジュン兄ぃなんでそんなこと言うんだよぉおおおっ!!」
様々な声が上がるが、ほとんどは阿鼻叫喚の地獄絵図。
淳平『やかましい!! お前らが自分たちでもしっかりと勉強してればこんなことにはならなかったんだぞ!! テスト前でも俺が教えないでもコッチはぜんぜん構わないんだが?』
すると、みんな一斉に黙った。
宜しい。
俺は『以上です』と、壇上から降りると、先生たちから予定は追って連絡すると通達があり、その日久しぶりに蓮ノ空の授業をしっかりと受け、その日は全ての部活動が休みになりみんなそそくさと寮に戻っていった。
〜 男子寮・淳平の部屋 〜
淳平「ふ〜」
俺がベッドにダイブすると、ドアがノックされた。
誰だ?
淳平「は~い…」
俺がドアを開けると、
亮が「よっ!」と片手を挙げて軽く挨拶してくる。
淳平「亮? どうした?」
亮「昨日お前が帰ってきた後で皆で決めてな。お前に連絡があるんだ。というか! お前せっかくの春休みを……」
ん~?
淳平「俺だってこんなことになるなんて思ってなかったんだよ……。あっ、1つ聞きたいんだけどさ、めぐってテストどうだったんだ?」
アイツのことだから赤点はあるんだろうが……
すると、
亮「ふっふっふっ、藤島は頑張ったぞ? 全教科ギリギリではあったが、赤点は1つもない!」
!! マジか? めぐ……頑張ったんだな……。
俺が驚愕からの感動の涙を流すと、
亮「あっ、今日の夜お前の帰還を祝って少しばかりパーティみたいなことするらしいから6時に食堂来いよ?」
そう言って、亮は部屋に戻っていった。
淳平「ふむ」
帰って……来たんだな!
その日の夜は、参加したい人は女子たちも男子寮に来て、皆でご飯を食べて、話をした。当然スクールアイドルクラブのみんなや沙知先輩も来てくれて……。
楽しかったな。あっ、めぐに「頑張って全科目赤点回避したご褒美何にするかと、デート何処に行くか考えておけよ?」と言ったらすごく喜んでいた。
そしてその日は、また明日からの蓮ノ空での日常を過ごすために早めに眠りについた。
ー つづく ー
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