蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第140話:贈る歌詞

綴理とさやかちゃんが沙知先輩に贈る曲の振り付けの軸を決めて振り付けを決め始めた日の晩、みらくらぱーく!のめぐとルリはと言うと、淳平をルリの部屋に呼び出し、ルリのベッドの上でめぐはウンウンと唸っていた。

 

慈「あ~〜」

 

瑠璃乃「えー、大沢瑠璃乃です。ただいまめぐちゃんは、ルリのベッドを占領して、“降りてくる”の待ち、です」

 

淳平「このめぐは、たぶん俺やルリちゃん以外は知らないレアめぐです。脳をフル回転させてて、こういうところもかわいいです」

 

俺とルリちゃんがそんな小芝居をしていると、

 

慈「そこ! うるさいよ!てか、誰に解説してるの?!」

 

瑠璃乃「えへへー! でも、先輩に贈るための曲の作詞なんて、プレッシャーやばいんじゃない? だいじょぶ?」

 

慈「や、できてるはできてる」

 

なんとめぐの作詞はもうできているらしい。好きなことや、自身のやりたい事に限ってはめぐの才能は無限大何だよなぁ……。

 

瑠璃乃「あっ、そーなの?」

 

ルリちゃんがめぐに聞くと、

 

慈「3案」

 

淳平「は?」

 

慈「一応、3つの案ができてる。あとはここから選んでいい言葉で肉付けしていけば……」

 

瑠璃乃「え、すごっ。めぐちゃん天才」

 

淳平「時々めぐの才能は目を見張るからな……それは俺には無いものだからたまに羨ましい……」

 

慈「ジュンだって、私達には真似できないものもってるじゃん。それにこういうのって、パターンだからね。最初にテーマを決めて、それぞれの切り口で作るだけだよ。例えば卒業ひとつ取っても、お別れの歌、旅立ちに背中を押す歌、遺される側の歌。あとは軸にするキーワードを決めて、その周りに言葉を配置していくだけ」

 

俺とルリちゃんが顔を見合わせる。

 

瑠璃乃「めぐちゃん……なんで勉強はできないの?」

 

淳平「勉強の方が遥かに簡単だと思うんだが……」

 

慈「私ができないってことは、勉強のほうが間違ってるんだよ。じゃなくて……」

 

めぐはいったん言葉を切って仕切り直す。

 

慈「普段の作り方なら、これでいいんだけど。ほら、今回は二年生から贈る曲ってことになってるじゃん?」

 

瑠璃乃「うん」

 

淳平「そうだな」

 

慈「作曲や振り付けはまだいいとしてもさ。歌詞を作るんなら、私の想いだけじゃなくて、梢と綴理やジュンからの想いも盛り込んだ歌詞にしなくちゃいけないでしょ?」

 

淳平「めぐ……そうだな」

 

瑠璃乃「…………確かにたいへんそう」

 

慈「私は梢や綴理やジュンじゃないから、さんにんが沙知先輩にどんな言葉を贈りたかったのかは、想像しなくっちゃいけない。もしかしたら、いなくなってせいせいするぜ!って言いたいかもしれないし」

 

淳平「アホか!! んなわけ無いだろ! 俺達はそんな薄情じゃない!!」

 

慈「……そうだね。私もそれはないと思うよ?」

 

まったく……

 

瑠璃乃「でも、にゃるほど。それで悩んでたの?」

 

すると、

 

慈「んー。それじゃ、ここで質問!ルリちゃんがこの作詞を任されたらどう戦いますか?」

 

瑠璃乃「はい!ルリは梢先輩や綴理先輩にいっぱい思い出を聞いてみんなの意見を合わせてがんばって平和的解決を図ります!」

 

慈「ぶー!」

 

瑠璃乃「ぶーとかあるんだ……」

 

淳平「お手本のような解答だと思うんだけどな……」

 

慈「正解は、そんな小手先のパターンとか関係ないから、私の考える最強の歌詞をぶつける!です!!」

 

瑠璃乃「つえー!」

 

ふむ、

 

淳平「めぐはどういう風に考えてその考えに至ったか教えてくれるか?たぶんいい加減な考えではない事は分かるが……」

 

慈「……だってこれは、みんなが私を信じて任せてくれたんだよ。それなら120点のものをぶつけて。その完成度で梢と綴理を納得させてやらなくっちゃ!」

 

瑠璃乃「なんたるパワー系。それでこそルリのめぐちゃん!」

 

淳平「はあ、確かにめぐらしいな。そういう考えなら納得だ!」

 

慈「でしょ〜?というわけで……」

 

めぐは作詞した3つの案を見せる。

 

慈「ここに100点の3案があるのに!そのどれかひとつを120点にしなくちゃいけないんだよ………!」

 

俺とルリちゃんが歌詞を見ると、スクールアイドルクラブらしくもあり、沙知先輩への感謝が伝わって来るとても良い歌詞が綴られていた。

 

 

淳平「ん~~、どれも良いな。この中から最良を選ばなくちゃならないのか。いや、さすがめぐ」

 

慈「でしょ〜?もっと褒めて♡」

 

瑠璃乃「ふたりとも、いちゃついてる場合?」

 

淳平「……いちゃついてたか?」

 

瑠璃乃「もろいちゃついてた……」

 

淳平「そっか。すまん」

 

 

ルリちゃんがヤレヤレ……と呆れると、

 

瑠璃乃「ねえねえ、ルリにできること、なにかある? それとも、めぐちゃんひとりでやり通したい?」

 

慈「いいものができるなら、なんでもいいー! パワーが足りない…………。大賀美沙知をズタボロに泣かせてやるような、そんなパワーが……」

 

瑠璃乃「そんな殺意込めて歌詞作ってたの!?」

 

慈「感動させられるならなんでもいいの!」

 

瑠璃乃「そっか……。で、どーする?好きなスクールアイドルのチャンネルとか見る? ルリもね、最近まったり系スクールアイドル見て、べんきょーしててねー」

 

淳平「おっ! えらいなるりちゃん!よーしよしよしよしよし」

 

瑠璃乃「るぅあ〜〜♡ ってルリ犬じゃねぇし!!」

 

慈「いやおもくそ落ち着いてたよね? スクールアイドルからパワーをもらうか……………。それもありだな……って、ん?待てよ…………?」

 

瑠璃乃「めぐちゃん?」

 

淳平「めぐ?」

 

慈「…………それしか、ないか……?いや、でも、あまりにも私の体に負担が……。けど、いいものをつくりたい………!」

 

慈「ありがとう、るりちゃん。ジュン。おかげで見つかったよ、パワーのありか」

 

瑠璃乃「おー!」

 

淳平「なにか思いついたか?」

 

慈「うん!私は……禁断の力に手を伸ばす!」

 

瑠璃乃・淳平「「ん、んん……?」」

 

 

ー つづく ー




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