卒業式の翌日、いよいよ蓮華祭の日がやって来た。沙知先輩からプレゼントされた第二音楽堂、スクールアイドルクラブのみんなが命名した"八重咲ステージ"には、既に多くの観客が詰め掛けていた。
梢「いよいよね……」
すると、衣装を着た沙知先輩が「ふぅ」と息を吐き、
沙知「この緊張感……久しぶりだねぃ……」
綴理「さち、がんばろうね」
慈「1年生は沙知先輩のライブをよ~く目に焼き付けるんだよ!」
花帆・さやか・瑠璃乃「「「はい!!」」」
めぐの言葉に、沙知先輩は「アハハ……」と苦笑いする。
そろそろ時間だ。
淳平「さぁ!始まりますよ!」
スクールアイドルクラブ『うん(ええ)(はい)!!』
そして開始時間になり、音楽とともにステージ上に出ていくみんな。今回はそれに加えて沙知先輩がいる。ただし、沙知先輩は最初の一曲のみだ。
花帆「みんな〜! こんにちは〜!」
花帆の呼びかけに、みんなも挨拶を返す。
梢「蓮ノ空のこと、好き好きクラブの皆さん、応援してくれている方々、今日は楽しんでいってください」
綴理「それでね〜、最初の曲はもう卒業式終わったんだけど、最後のライブとして3年生の先輩が出るよ〜。久しぶりにさちとライブできて嬉しい」
慈「うん! 私達の先輩の晴れ舞台、みんな楽しんでいってね?」
沙知「こんにちは〜。今紹介されました。蓮ノ空学院3年、大賀美沙知でーす。今日はあたしの高校生活最後のライブだけど、2年前を知ってる人はあたしのことも知ってると思うけど、今日はよろしくね〜!」
さやか「それでは、さっそく1曲目です!聴いてください!!」
瑠璃乃「"Dream Believers"!!」
そして、曲が流れ始め沙知先輩含めた7人が歌い始める。それぞれのスリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーくのパートで、いつものメンバーに加えて追加で沙知先輩も歌う。
沙知先輩は1人で3ユニット全部やってたからな。
そして練習通り歌は進み、いよいよサビ。俺はそれを見ながら涙を流していた。
淳平(沙知先輩…………)
沙知先輩は、歌もダンスもミスもなくこなしており、ブランクなどまったく感じさせなかった。
しかし、それは一緒にステージに立っている2年生も感じており、
梢(さすが沙知先輩……!)
綴理(さち、すごい……!)
慈(ブランクなんか感じないんだけど…!)
そしてフィニッシュ!沙知先輩の最後の曲、"Dream Believers"が終わり、沙知先輩はみんなにお辞儀してからステージ袖に戻ってくる。
淳平「沙知先輩!すごかったです!」
沙知「なはは。ありがと、淳平。でも、やっぱり思ったように身体が動かなかったや……」
淳平「え!? まったく違和感なかったんですけど……」
贔屓目で見てるとかではなく、冗談抜きで違和感など無かったんだが……。
沙知「そう見えたか? なら、淳平はもう少しがんばらないとだな」
淳平「は、はぁ……」
後で過去の映像と見比べてみよう。
そして、沙知先輩が退場した後は6人で"On Your Mark"、"ツバサ・ラ・リベルテ"を続けて披露。特に"ツバサ・ラ・リベルテ"は沙知先輩から託された曲なので思い入れも深い。
そして、その2曲も終わると……。
梢「次が、最後の曲になります。この曲は、卒業する私達の先輩、そう。先程一緒に歌った沙知先輩に対して贈るために作った曲です」
慈「でも、大切な人が卒業する。って言う人には凄く刺さるはずだから、みんな聞いていってね!」
花帆「では、聞いてください!」
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・瑠璃乃「「「「「「"抱きしめる花びら"!」」」」」」
この曲は、残される人、旅立つ人、それぞれの複雑で切ない心境を描いたバラードソングになっている。
なにより、この曲の歌詞をこの曲調で聞いていると、先輩たちと過ごした日々、後輩と過ごした日々が蘇ってくるであろう感動する曲になっているはずだ。
見ると、会場の観客がかなりの数目に涙を浮かべている。
そして、最後の曲が終了し、
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」
花帆「先輩方のお陰で、私達は大きく成長することができたと思います!」
さやか「いつも優しく見守ってくれたり、時には叱ってくれたり」
瑠璃乃「先輩たちのお陰で、在校生はまた1年頑張れます!」
梢「では、この場を借りて、ある人に伝えたいことがあるので、お時間を頂けると幸いです。本来であれば、私的なことをこういう場面で言うのは相応しくないのですが……」
綴理「その人のお陰で、今のボクたちがいるんだ」
慈「だから、言わせて?」
そして、6人は並んで言葉を揃える。
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈「「「「「「大賀美沙知先輩! ご卒業おめでとうございます!!」」」」」」
舞台袖でそれを見ていた俺と沙知先輩は、
淳平「これが、俺達の気持ちです。沙知先輩」
沙知「……っ、……ぅん、うん……」
沙知先輩は涙をこぼしており、それを俺は優しく背中を擦るのだった。
そして、蓮華祭でのスクールアイドルクラブのライブは終了した。
ー つづく ー
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