第19話:藤島慈 赤点回避のご褒美
日付はゴールデンウィークに入り、今日はスクールアイドルクラブの練習も終わり後片付けをしていると、徒町さんが俺に話しかけてきた。
小鈴「あ、あの! 淳平先輩!」
淳平「ん? どうしたの?」
俺が徒町さんに聞き返すと、
小鈴「えっと、外出届って外出するどのくらい前に出せばいいんでしょうかね? 新一年生のみんなで遊びに行こうって話てて……」
淳平「あ~なるほどね。うん、外出届は行く前日までに出せばオッケーだよ? 明日行きたいなら今日中に出せば問題なく行けるよ?」
俺がそう言うと徒町さんは顔を明るくしてお礼を言って百生さんと安養寺さんのところに行った。
淳平「ふぅ……」
俺が一息つくと、後ろから誰かが抱き着いてきた。
慈「ジュ〜ンっ♪お疲れさま〜」
淳平「めぐか。どうした?」
慈「えっとさ、明日一緒に東山に烏骨鶏卵ソフトクリーム食べに行かない? ほら、2月の定期テストで赤点回避したらご褒美あるって言ったでしょ?」
めぐがお出かけに誘ってきた。用事もないし……行くか。
淳平「ん。了解それでいいんだな? じゃあ外出届出しておくよ」
慈「ん。ありがとっ♪」
そしてめぐは練習していた部屋を後にして寮に戻っていった。
淳平「さてと、俺もとっとと片付けるか……」
そして数分後、荷物を全て片付けて職員室に向かい外出届を貰って俺とめぐの2人分を書いて生徒会長に提出。そして俺も寮に戻った。
◇◆◇◆◇◆
ー 翌日 ー
朝早くに起きて朝食を済ませて準備を終わらせた俺は、約束の時間までスクールアイドルクラブの練習ノートを見返して、時間になったのでノートを閉じて部屋に鍵をかけて寮を出てバスの乗り場に向かった。
俺が待っていると、めぐが走って来た。
慈「ごめーん。お待たせっ♡」
淳平「おう。めぐ、今日の服かわいいな。いつも可愛いとは思ってるけど……」
そう言うとめぐは顔がゆでダコの様に真っ赤になる。はずかしさと嬉しさからしどろもどろになり、
慈「ま、まあめぐちゃんは可愛いのは分かってるけど……そ、そっか……/////」
淳平「お、おう………////」
見てるこっちまで恥ずかしくなる……
慈「じゃ、じゃあ行こう!」ギュッ
めぐは俺の手を引いてバスに乗り込んだ。そして、俺とめぐの2人を乗せたバスは、金沢駅前へと到着した。
ここから歩いて東山へと向かう。歩いている途中にめぐとこれからのみらくらぱーく!、ひいてはスクールアイドルクラブの話をしたり、ルリちゃんやめぐ、俺の幼馴染の昔話をしながら歩いていたら直ぐに着いた。
やって来たのは和菓子店『金澤烏鶏庵』 の東山店。ここの名物は昨日めぐと食べに行くと約束した烏骨鶏の卵を使った『烏骨鶏卵ソフトクリーム』その中でもスペシャルな"金箔入り"だろう。
淳平「じゃあ入るか」
そして俺とめぐが店の扉を開けて中に入る。
店員「いらっしゃいませ~!!」
めぐがレジに行ってメニューを注文する。
慈「烏骨鶏卵ソフトクリーム金箔入りを2つ」
注文を聞いた店員さんがレジで会計をする。
店員「はい、商品おふたつで1400円になります」
すると、
淳平「めぐ、俺が出すよ」
慈「えっ、いいの?」
淳平「この間のライブ頑張ったからな。それと去年の俺の短期留学の時にテスト頑張ったご褒美」
そう言うと、めぐは「ありがとっ♡」と満面の笑み。俺が会計して商品を受け取ると、
外にある椅子に座って2人で烏骨鶏ソフトクリームを食べていた。
すると、
?「あれ!? めぐちゃん先輩と淳平先輩!?」
慈「ん?」
俺とめぐが声の方を見ると、
百生さん、徒町さん、安養寺さんの3人が立っていた。
淳平「あれ、徒町さんの言ってた遊びに行く場所ってここだったの?」
徒町「は、はい!」
淳平「そっか……」
俺がまたソフトクリームを食べ進めると、
吟子「おふたりで一緒に来たんですか?」
淳平「ん?ああ。去年の2月にあった定期テストで俺に頼らなくても赤点回避したご褒美にね」
吟子「赤点……?」
淳平「めぐ、俺が教えないと赤点常連なほど勉強できないから」
慈「ジュン!余計なこと言うなぁ!」
めぐが「ウガーッ!」と怒るが、俺は素知らぬ顔。
姫芽「あ~配信でもコメントで「勉強しろ!」ってたくさん来てましたね……」
吟子「慈先輩が普通に勉強したから取らなかっただけじゃあ……」
淳平「それなら梢に聞いてみるといいよ」
慈「聞くなぁっ!!」
めぐが慌てる様子に、困惑する3人。
吟子「えっ、ほんとに?」
姫芽「うん。みらくらぱーく!オタクの中ではめぐちゃん先輩は勉強できないって常識だからねぇ」
慈「姫芽ちゃん?! 私そんなふうに言われてるの!?」
愕然とするめぐ。すると、
小鈴「じゃあ、そんな慈先輩に教えられる淳平先輩は頭いいんですか?」
慈「……ジュンは高1で全国統一模試受けさせられて全国トップ10だよ。忌々しいことに……」
吟子・小鈴・姫芽「「「高1でトップ10!?」」」
吟子「えっ、全国統一模試って3年生が受けるものじゃあ……」
淳平「普通はね」
慈「ジュンは高校入試の成績が全科目満点の首席入学だったからね。先生たちが面白がって受けさせたんだよ。そしたら……」
吟子「……すごいですね」
3人とも声も出ないようだ。えっと、
淳平「3人はソフトクリーム食べに来たんじゃないの?」
小鈴「あっ、そうでした! 買ってきますね!」
そして店に入っていく3人。やれやれ……
淳平「ごちそうさま」
食べ終わり、少し指についたクリームを舐める俺。荷物にあったウエットティッシュで舐めた指と手を拭く。
慈「は〜むっ♪ 美味ひぃ〜♪ごちそうさま!」
そして、めぐも食べ終わった所で3人が出てきた。
姫芽「あれ、もう行かれる感じですかね?」
淳平「うん。このあとは小将町の加賀友禅博物館行こうと思ってる」
慈「キレイな着物だからね。衣装のデザインに役立つかもしれないしね」
吟子「たしかにスクールアイドルにそういう活かし方もありますしね」
慈「それに、見る分には伝統工芸も興味あるし」
吟子「っ! 良いと思います!」
淳平「じゃあ俺達は行くよ。楽しんでね」
吟子・小鈴・姫芽「「「はい!」」」
慈「じゃあね〜」
そこから俺達は歩いて小将町に向かう。話しながらなので時間もあっという間に過ぎ、途中のファミレスで昼飯を食べて、加賀友禅博物に着いて入場料を払って中に入る。
中には和風の様々な色、柄の着物がズラリ。写真に撮って資料として残し、
見終わって外に出て近くのバス停に向かうとと丁度来た金沢駅前行きのバスに乗る。
慈「あ~楽しかったぁ……」
淳平「俺も楽しかったよ」
慈「えへへっ♡」ギュッ
めぐは隣に座ったまま俺の腕を抱きしめてくる。抵抗すると不機嫌になるのでやらせておこう。
すると、そんなに時間が経たない内に金沢駅前に到着。蓮ノ空学院のシャトルバスに乗って蓮ノ空へと戻った。バスの中に時間が被った百生さんたちが乗り合わせていたので、最後は新一年生とも話しながら帰っていき、その日はそれぞれ寮に戻った。
◇◆◇◆◇◆
ー 翌日 ー
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理「「「「「(^ω^##)」」」」」
吟子・小鈴・姫芽「「「あ、あはは……」」」
淳平「…………」(土下座)
俺が、部室で5人に無言で土下座しているのを見て、一年生3人は苦笑いしていた。
ー つづく ー
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