蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第28話:踊り続けよう、きみが見てる

翌日、ホテルをチェックアウトしたわたしたちは北陸新幹線でいよいよ敦賀の地へと足を踏み入れる。

駅についたらライブフェスの会場までバスで移動。会場に着いたらみんなでライブの準備をする。

 

 

ライブフェスが始まり、いよいよスクールアイドルクラブの出番。スリーズブーケ、みらくらぱーく!の順でライブを行い、最後にわたしたちDOLLCHESTRA。

しかしわたしたちは2曲披露する。

 

さやか「皆さん、今日は本当にありがとうございました!!とても盛り上がって、本当に嬉しく思っています」

 

さやか「なので……本日最後の曲を披露したいと思います。本来は別のライブ用に作ったものなのですが………… 今この気持ちのままに皆さんに伝えたい」

 

小鈴「はい!さっきできた曲です!!」

 

さやか(それは言わなくていいんです……………)

 

小声で小鈴さんに言う。でも……、

 

さやか「ではDOLLCHESTRAで――」

 

さやか・小鈴「「"レディバグ"!!」」

 

そして、新曲「レディバグ」は、大成功しフェスは終わった。

 

 

 

 

 

 

花帆「……さやかちゃーん!!」

 

瑠璃乃「すっげーよかったじゃん!!マジで!!ほんと、ほんとによかったよおお!」

 

花帆さんと瑠璃乃さんが興奮した面持ちで詰め寄ってくる。

 

さやか「花帆さん。瑠璃乃さん。ありがとうございます。……パフォーマンス自体もそうですが……良い歌詞になったんじゃないかと……自分でも思います」

 

花帆「うん、うん!頑張ってたもんね!小鈴ちゃんの色、って意味も、あたしも分かった気がする!!」

 

瑠璃乃「ん…ほんとに、良い歌詞だったし……小鈴ちゃんとも、すっごく良いユニットになれたね……」

 

さやか「はい、その節は――」

 

ありがとうございました。そう言おうとすると、

 

姫芽「小鈴ちゃん、超楽しそうでした〜!アタシもめっちゃ感動しちゃって。吟子ちゃんなんか泣きそうになってましたよ〜」

 

吟子「…………てきとう、いわないで」

 

姫芽「こんな感じでして〜」

 

吟子「姫芽さん!」

 

あはは……、吟子さんは素直になれないんですね。

 

さやか「ほんとうに、ありがとうございました。みなさんに支えられて、わたしは今こうしてこの場に、胸を張って立つことができています」

 

花帆「ぜんぜんだよ!力になれたならなによりってだけでね!」

 

瑠璃乃「まとめ役も特訓も、おつかれさま。こちらこそ、ありがとね」

 

姫芽「そですよ〜。旅程とか組んでもらえたおかげでアタシたちもパフォーマンスにだけぱっちり集中できましたしね〜」

 

吟子「はい。小鈴さんとさやか先輩のライブも……大成功で何よりです」

 

みなさん………。

 

さやか「…………それこそ、おかげさまです」

 

さやか「あとは……小鈴さんの気持ちが、ご家族に伝わったことを祈るばかりです。小鈴さんの…ひたむきで、がむしゃらな、応援したくなる伝え方で」

 

小鈴「み〜んなああああ………………!!」

 

すると、向こうから小鈴さんが走ってきた。なにか泣いてませんか?

 

姫芽「あの謎の声は」

 

吟子「べつに謎じゃないでしょ。小鈴さん、こっち!どうしたの、迷子になってたの!?」

 

小鈴「え!?なってないけどなんで!?」

 

吟子「だって、泣いてるし……」

 

小鈴「な、泣いて!」

 

小鈴さんは目を擦って涙を拭く。

 

小鈴「えっと、みなさん!!今回はほんとうにありがとうございました!!おかげで、おかげでぇ…………!」

 

さやか「小鈴さん」

 

小鈴「ぐす、すみませんっ……。おかげで、みんな、家族みんな、すごいねって、言って、くれてぇ…………!」

 

花帆・さやか・瑠璃乃・吟子・姫芽『!』

 

姫芽「それって〜」

 

吟子「…………小鈴さん」

 

花帆「小鈴ちゃん。……ちゃんと聞けた?」

 

小鈴「はいっ。……………立派に頑張れてるね、って……だから」

 

瑠璃乃「じゃあ」

 

さやか「わたしみたいに」

 

小鈴「はい!みっしょん、達成です!!」

 

 

 

 

 

 

 

敦賀から蓮ノ空に戻ってきたわたしたち。3年生も修学旅行から帰ってきて、淳平先輩と綴理先輩が私の作った曲を見てくれていた。

 

さやか「で――キメ!」

 

小鈴「はい!」

 

綴理「うん……何度見てもいいね」

 

淳平「本当にいい曲を作ったな。さやかちゃん」

 

さやか「ありがとうございます」

 

小鈴「すごい……自分じゃないみたい。ミスらない……」

 

さやか「ふふふっ。でも、大丈夫ですか綴理先輩。自分でも分かってしまうくらい、敦賀でのことを意識した歌詞になってしまいましたが」

 

小鈴「あっ、綴理先輩のパート!」

 

ふたりがどうしようかと顔を見合わせる。けど、

 

淳平「あ〜たぶん大丈夫だよ」

 

さやか「へ?」

 

綴理「ん、ちょっと最初からやってみて」

 

さやか・小鈴「「?」」

 

綴理「ふん、ふん、ふふん、ほい」

 

綴理先輩は一度見ただけの振りに自身で振りを作って入ってくる。

 

綴理「で、こう、からのこう」ピシッ!!

 

しかも、それがまったく違和感がない。完璧にあっている。

 

淳平「お〜、さすが綴理」

 

綴理「ブイ」

 

さやか「どういうことなんですか……?」

 

小鈴「わ、あっさり3人でできちゃった」

 

綴理「だからおっけー。DOLLCHESTRAの曲だからね。ボクも入れる」

 

さやか「だからどんな理屈なんですかそれは。いや、大変すばらしいことなんですけれども……!」

 

淳平「まぁ綴理だし」

 

綴理「いえい」

 

小鈴「さっすが……徒町も今度チャレンジを」

 

えっ、小鈴さん!?

 

綴理「やる?」

 

さやか「はぁ、全然止めませんけどね???できるまでやりますよ???」

 

少し圧をかけてみる。

 

小鈴「いつか!いつかにします!!」

 

綴理「ふふ。良い色だね」

 

さやか「綴理先輩。そうですね、先輩の言っていたことは正しかったんです」

 

さやか「「さやとボク」と「さやとすず」は違う。……小鈴さんのきらめきは、わたしの時と同じではありませんでした」

 

さやか「……昔の話なんですけどね。わたしがお姉ちゃんの背中を追いかけてばかりの時に、お姉ちゃんに言われたことがあるんです」

 

つかさ『ねえ。さやか。あのね――』

 

さやか「――ありがとう。って」

 

小鈴「一緒にやってくれて……?」

 

綴理「追いかけてくれて、かな」

 

さやか「今になってその意味が、ようやく分かった気がするんです」

 

淳平「なら、良かったね」

 

綴理「うん。よかった」

 

小鈴「えっと……?」

 

さやか「ふふっ。さて。振りもまとまったことですし、みんなでおでんでも食べにいきましょうか」

 

 

そして、その日はDOLLCHESTRAの3人と淳平先輩の4人で近江町市場のおでん屋さんで夕食を食べた。

 

小鈴さんのバッグには"敦賀フェス大成功!"と書かれた缶バッジ()が増えていた。

 

 

 

ー つづく ー




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