翌日の放課後、ルリは部室でこずこず先輩と綴理パイセンと話していた、
梢「へえ。それでみらくらぱーく!は、ミニライブとゲーム大会を開くことになったのね」
綴理「大丈夫?めぐが閉じ込められてるのに、ふたりだけで。ジュンもめぐの方につきっきりだし……手伝えることとか、あるかな?」
瑠璃乃「あ、いえいえ!お気遣いアリアリっす!でも、ルリたちでなんとかやれると思いますので!」
ルリがぴしっと敬礼すると、こずこず先輩が優しい笑顔を浮かべた。
梢「そうね、瑠璃乃さんはしっかりしているわ。要領もよくて、段取りだって。1年生とも、すぐに馴染んでいたものね。あなたはどう?綴理。1年生とは、うまくやれている?」
こずパイセンの言葉に、綴理先輩は、
綴理「さやが楽しそうだから、きっと大丈夫じゃないかな。あ、ひめとはこないだ、パズルゲームで対戦したよ」
瑠璃乃「え!?勝負したんですか!?」
ルリは驚いてしまう。綴理先輩コテンパンにされたんじゃあ……
綴理「うん。ボク負けちゃったけど、でも楽しかった〜。なんか、この分野ならプロゲーマー目指せるんじゃ!?って言われちゃった」
コテンパンにはされない程度に善戦したみたいだね。楽しかったなら良いか……。
瑠璃乃「確かに綴理先輩、そういうのメッチャうまくなりそう……!」
綴理「ぎんには、購買のおいしいアイスをオススメしたんだ。ひんやりしたものが好きなんだって」
梢「あら、そう…………。私は知らなかったけれど……」
ドンマイ!こずパイセン!
梢「なにかしら。私ももっと、隙を晒したほうがいいのかしら」
綴理「目の前に寝転がって、おなかだして、にゃーんって」
梢「やるわけないでしょう!」
可愛いだろうけどこずパイセンの威厳無くなるヨ……。
綴理「でも、こずも1年生と話してないわけじゃないよね?よく見かけるよ。がんばってる」
梢「がんばっているとあなたに見抜かれている時点で、若干失敗している気がしないでもないのだけれど……。まあ……綴理や瑠璃乃さんのように、遠慮なく付き合える先輩としての姿にも、憧れがないわけじゃないけれど。でも、いいのよ。私には私の立場や役割があるとわかっているから」
綴理「今度1年生に、こずのかわいいところを伝えておこうか?」
綴理先輩がとんでもない事をいう。それただの公開処刑じゃん!!
梢「どこからそんな悪魔のような発想が出てきたの!?慈?慈のせい?」
瑠璃乃「あははっ。あ〜………でも、ルリも遠慮されてないわけじゃない、かもですねえ」
ルリは昨日の事を思い出した。
瑠璃乃『なんかメッチャ遠慮してない!?』
姫芽『そ、そんなことは〜!』
◇
◆
◇
梢「そうなの?」
瑠璃乃「あ、いや、でもいちおーうまくやってるんで!そこは、ご心配なく!」
ルリがそう言うと、綴理先輩が、
綴理「そういえばるり、最近またちょっとバッテリー大きくなった?」
瑠璃乃「え?そうですか?」
綴理「水筒から、お弁当箱ぐらいになってる」
梢「確かに、言われてみれば。少なくとも部室のダンボールはあまり使わなくなったわね」
こずパイセンはルリの充電段ボール、通称"ぼっちハウス"に目をやる。
瑠璃乃「そっか〜。スクールアイドル始めて、みんなとの距離感ってヤツが。ちょーっとずつわかってきたのかもかも!」
ルリ、ちゃんと成長してたんだ……。
瑠璃乃「カリフォルニアに行ったときは、メチャメチャ『しゅぎょー!』って感じでしたけど。今は、毎日ちゃんと楽しいですよ!姫芽ちゃんにも、イロイロと支えてもらってるので!」
梢「それは本当によかったわ。2年生は初めての後輩ができて、去年までとは大きく環境が変わって。特にあなたは、花帆やさやかさんの相談に乗ることも多いでしょうから。もし、抱えきれなくなったときは、いつでも言ってちょうだいね。私でも、もちろん慈や、綴理でも構わないから」
綴理「いっぱい聞くよ〜」
瑠璃乃「あはは、そのときはお願いしゃっす!」
ガチャ!
すると、部室の扉が開いて姫芽ちゃんが入って来た。
姫芽「お疲れさまです〜。お待たせしました〜。るりちゃんせんぱい、いきましょ〜」
瑠璃乃「あいあい〜!じゃあ先輩方、いろいろありがとうございました!」
梢「がんばってね、瑠璃乃さん」
綴理「落ち着いたら、また一緒に釣りいこうね〜」
瑠璃乃「おー!こちらこそです!」
◇
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◇
◆
◇
姫芽「せんぱい方となにをお話してたんですか〜?」
瑠璃乃「ん〜。姫芽ちゃんがデキる子で、ルリはすげー助かってるなあ、って」
姫芽「え〜?ほんとですか〜!?あ、いや、今の『ほんとですか?』は、るりちゃんせんぱいのお言葉を疑ってるというわけではなく!嬉しかった感情表現のひとつとして!」
瑠璃乃「伝わってるから大丈夫だよ!?」
もう………。
姫芽「あはは……。というわけで、ここが目をつけてた空き教室です〜。こちらでゲーム大会を開催するのはどうかな〜って」
瑠璃乃「お、いいじゃん。割と広いし、階段の近くだからみんなの通りもよさそう」
立地と間取りは好条件だね。
姫芽「しかもすぐそばにパソコン室もあって、PCを借りるときにも準備がしやすいかと〜!」
瑠璃乃「いいね〜!姫芽ちゃんやるぅ〜!」
姫芽「えへえへ〜。あとは、許可取りをどうすれば、って感じなんですが〜」
フムフム。ここは、先輩の出番かな!
瑠璃乃「そっちはルリがやっとくよ」
姫芽「いいんですか〜?」
瑠璃乃「うむ。いろいろとコツがあってだね。任せておくれ!」
姫芽「さっすがるりちゃんせんぱい〜。はぁ〜………。せんぱいと一緒にいると、学校でゲーム大会を開くのが、ほんとに実現できそうな気がしてきます〜………」
瑠璃乃「ルリは最初からそのつもりだったけど!?」
やれやれ……。
姫芽「アタシー応、一芸入試で蓮ノ空に入った組なんですけど〜。でも、あの『蓮ノ空学院』に、まさかゲームで入れるとは思わないじゃないですか?いや、ゲームはとても素晴らしいものなんですけど〜!」
あ~それはたしかに!
瑠璃乃「わかるわかる」
姫芽「しかも中に入ってみたら入ってみたで。ゲームに触ったことがない子も多くて〜。周りの友達に布教とかがんばってるんですけど〜、でも実際やってもらう機会ってそう多くないから、だから……これは、アタシの人生でも、めちゃくちゃすごいチャンスなんです!それこそ学生大会で初めて決勝に出たときのような!」
瑠璃乃「そこまで!?」
姫芽「はい!いずれ世界中の人にアタシの大好きなゲームを遊んでもらうための、その夢への第一歩なんです〜!な〜の〜で〜!」
瑠璃乃「おわわわ?」
姫芽ちゃんは、厚さ数十センチありそうな紙の束を取り出した。
姫芽「アイディアだけは、いっぱい考えてきました〜!できないこともたくさんあるとは思いますが、でも、とにかく全力で!がんばりたいです〜!『ぜんぶやろう、やりたいことはぜんぶ!』って…………。るりちゃんせんぱいと、めぐちゃんせんぱいが、背中を押してくれましたから〜!」
瑠璃乃(……………………)
姫芽「せんぱい?」
瑠璃乃「……………これが、後輩をもった先輩の気持ち………」
姫芽「るりちゃんせんぱい?」
瑠璃乃「なんかこう、いいね。体の奥からぽかぽかしてくるっていうか。その笑顔を、ぜったい曇らせてやるもんか、ってきもちになるってゆーか。うん、ルリもますますやる気出てきた!!!」
姫芽「ほんとですか!?あ!この『ほんとですか?』は、るりちゃんせんぱいのお言葉を疑ったわけではなく――」
瑠璃乃「ウン!大丈夫だから!一緒にがんばろーね!」
絶対に、成功させてやる!!
ー つづく ー
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