蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第34話:先輩の気持ち

翌日の放課後、ルリは部室でこずこず先輩と綴理パイセンと話していた、

 

梢「へえ。それでみらくらぱーく!は、ミニライブとゲーム大会を開くことになったのね」

 

綴理「大丈夫?めぐが閉じ込められてるのに、ふたりだけで。ジュンもめぐの方につきっきりだし……手伝えることとか、あるかな?」

 

瑠璃乃「あ、いえいえ!お気遣いアリアリっす!でも、ルリたちでなんとかやれると思いますので!」

 

ルリがぴしっと敬礼すると、こずこず先輩が優しい笑顔を浮かべた。

 

梢「そうね、瑠璃乃さんはしっかりしているわ。要領もよくて、段取りだって。1年生とも、すぐに馴染んでいたものね。あなたはどう?綴理。1年生とは、うまくやれている?」

 

こずパイセンの言葉に、綴理先輩は、

 

綴理「さやが楽しそうだから、きっと大丈夫じゃないかな。あ、ひめとはこないだ、パズルゲームで対戦したよ」

 

瑠璃乃「え!?勝負したんですか!?」

 

ルリは驚いてしまう。綴理先輩コテンパンにされたんじゃあ……

 

綴理「うん。ボク負けちゃったけど、でも楽しかった〜。なんか、この分野ならプロゲーマー目指せるんじゃ!?って言われちゃった」

 

コテンパンにはされない程度に善戦したみたいだね。楽しかったなら良いか……。

 

瑠璃乃「確かに綴理先輩、そういうのメッチャうまくなりそう……!」

 

綴理「ぎんには、購買のおいしいアイスをオススメしたんだ。ひんやりしたものが好きなんだって」

 

梢「あら、そう…………。私は知らなかったけれど……」

 

ドンマイ!こずパイセン!

 

梢「なにかしら。私ももっと、隙を晒したほうがいいのかしら」

 

綴理「目の前に寝転がって、おなかだして、にゃーんって」

 

梢「やるわけないでしょう!」

 

可愛いだろうけどこずパイセンの威厳無くなるヨ……。

 

綴理「でも、こずも1年生と話してないわけじゃないよね?よく見かけるよ。がんばってる」

 

梢「がんばっているとあなたに見抜かれている時点で、若干失敗している気がしないでもないのだけれど……。まあ……綴理や瑠璃乃さんのように、遠慮なく付き合える先輩としての姿にも、憧れがないわけじゃないけれど。でも、いいのよ。私には私の立場や役割があるとわかっているから」

 

綴理「今度1年生に、こずのかわいいところを伝えておこうか?」

 

綴理先輩がとんでもない事をいう。それただの公開処刑じゃん!!

 

梢「どこからそんな悪魔のような発想が出てきたの!?慈?慈のせい?」

 

瑠璃乃「あははっ。あ〜………でも、ルリも遠慮されてないわけじゃない、かもですねえ」

 

ルリは昨日の事を思い出した。

 

瑠璃乃『なんかメッチャ遠慮してない!?』

 

姫芽『そ、そんなことは〜!』

 

 

 

 

 

梢「そうなの?」

 

瑠璃乃「あ、いや、でもいちおーうまくやってるんで!そこは、ご心配なく!」

 

ルリがそう言うと、綴理先輩が、

 

綴理「そういえばるり、最近またちょっとバッテリー大きくなった?」

 

瑠璃乃「え?そうですか?」

 

綴理「水筒から、お弁当箱ぐらいになってる」

 

梢「確かに、言われてみれば。少なくとも部室のダンボールはあまり使わなくなったわね」

 

こずパイセンはルリの充電段ボール、通称"ぼっちハウス"に目をやる。

 

瑠璃乃「そっか〜。スクールアイドル始めて、みんなとの距離感ってヤツが。ちょーっとずつわかってきたのかもかも!」

 

ルリ、ちゃんと成長してたんだ……。

 

瑠璃乃「カリフォルニアに行ったときは、メチャメチャ『しゅぎょー!』って感じでしたけど。今は、毎日ちゃんと楽しいですよ!姫芽ちゃんにも、イロイロと支えてもらってるので!」

 

梢「それは本当によかったわ。2年生は初めての後輩ができて、去年までとは大きく環境が変わって。特にあなたは、花帆やさやかさんの相談に乗ることも多いでしょうから。もし、抱えきれなくなったときは、いつでも言ってちょうだいね。私でも、もちろん慈や、綴理でも構わないから」

 

綴理「いっぱい聞くよ〜」

 

瑠璃乃「あはは、そのときはお願いしゃっす!」

 

ガチャ!

 

すると、部室の扉が開いて姫芽ちゃんが入って来た。

 

姫芽「お疲れさまです〜。お待たせしました〜。るりちゃんせんぱい、いきましょ〜」

 

瑠璃乃「あいあい〜!じゃあ先輩方、いろいろありがとうございました!」

 

梢「がんばってね、瑠璃乃さん」

 

綴理「落ち着いたら、また一緒に釣りいこうね〜」

 

瑠璃乃「おー!こちらこそです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

姫芽「せんぱい方となにをお話してたんですか〜?」

 

瑠璃乃「ん〜。姫芽ちゃんがデキる子で、ルリはすげー助かってるなあ、って」

 

姫芽「え〜?ほんとですか〜!?あ、いや、今の『ほんとですか?』は、るりちゃんせんぱいのお言葉を疑ってるというわけではなく!嬉しかった感情表現のひとつとして!」

 

瑠璃乃「伝わってるから大丈夫だよ!?」

 

もう………。

 

姫芽「あはは……。というわけで、ここが目をつけてた空き教室です〜。こちらでゲーム大会を開催するのはどうかな〜って」

 

瑠璃乃「お、いいじゃん。割と広いし、階段の近くだからみんなの通りもよさそう」

 

立地と間取りは好条件だね。

 

姫芽「しかもすぐそばにパソコン室もあって、PCを借りるときにも準備がしやすいかと〜!」

 

瑠璃乃「いいね〜!姫芽ちゃんやるぅ〜!」

 

姫芽「えへえへ〜。あとは、許可取りをどうすれば、って感じなんですが〜」

 

フムフム。ここは、先輩の出番かな!

 

瑠璃乃「そっちはルリがやっとくよ」

 

姫芽「いいんですか〜?」

 

瑠璃乃「うむ。いろいろとコツがあってだね。任せておくれ!」

 

姫芽「さっすがるりちゃんせんぱい〜。はぁ〜………。せんぱいと一緒にいると、学校でゲーム大会を開くのが、ほんとに実現できそうな気がしてきます〜………」

 

瑠璃乃「ルリは最初からそのつもりだったけど!?」

 

やれやれ……。

 

姫芽「アタシー応、一芸入試で蓮ノ空に入った組なんですけど〜。でも、あの『蓮ノ空学院』に、まさかゲームで入れるとは思わないじゃないですか?いや、ゲームはとても素晴らしいものなんですけど〜!」

 

あ~それはたしかに!

 

瑠璃乃「わかるわかる」

 

姫芽「しかも中に入ってみたら入ってみたで。ゲームに触ったことがない子も多くて〜。周りの友達に布教とかがんばってるんですけど〜、でも実際やってもらう機会ってそう多くないから、だから……これは、アタシの人生でも、めちゃくちゃすごいチャンスなんです!それこそ学生大会で初めて決勝に出たときのような!」

 

瑠璃乃「そこまで!?」

 

姫芽「はい!いずれ世界中の人にアタシの大好きなゲームを遊んでもらうための、その夢への第一歩なんです〜!な〜の〜で〜!」

 

瑠璃乃「おわわわ?」

 

姫芽ちゃんは、厚さ数十センチありそうな紙の束を取り出した。

 

姫芽「アイディアだけは、いっぱい考えてきました〜!できないこともたくさんあるとは思いますが、でも、とにかく全力で!がんばりたいです〜!『ぜんぶやろう、やりたいことはぜんぶ!』って…………。るりちゃんせんぱいと、めぐちゃんせんぱいが、背中を押してくれましたから〜!」

 

瑠璃乃(……………………)

 

姫芽「せんぱい?」

 

瑠璃乃「……………これが、後輩をもった先輩の気持ち………」

 

姫芽「るりちゃんせんぱい?」

 

瑠璃乃「なんかこう、いいね。体の奥からぽかぽかしてくるっていうか。その笑顔を、ぜったい曇らせてやるもんか、ってきもちになるってゆーか。うん、ルリもますますやる気出てきた!!!」

 

姫芽「ほんとですか!?あ!この『ほんとですか?』は、るりちゃんせんぱいのお言葉を疑ったわけではなく――」

 

瑠璃乃「ウン!大丈夫だから!一緒にがんばろーね!」

 

絶対に、成功させてやる!!

 

 

ー つづく ー




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