あのあとルリたちはレッスン室でダンスの自主練をしていた。でも、そろそろ良い時間だし終わろうかな……。
姫芽「ぶふぁ〜。あま〜い。生き返る〜」
瑠璃乃「姫芽ちゃんは甘いの好きだねえ」
姫芽「エネルギー補給ですよ、エネルギー補給〜。市販の3倍、メープルシロップ入れてますからね〜!」
そりゃあ甘いに決まってるよ………。
瑠璃乃「糖分摂りすぎて病気にならないようにね?……キリがいいし、きょうはここまでにしよっか」
姫芽「はいっ。でも、よかったんですか〜?」
瑠璃乃「ん? 何が?」
姫芽「こんなに、たっぷり練習に付き合ってもらってしまって〜」
あ〜、そういうことか。
瑠璃乃「いっていって。姫芽ちゃんにとっては初めての文化祭だし。やっぱ楽しんでもらいたいじゃん?」
姫芽「げ、現代に生誕せし博愛の聖女〜…………!」
瑠璃乃「なんて??」
姫芽「るりちゃんせんぱいも、アタシにやってほしいことがあったら、なーんでも言ってくださいね〜!?他にやりたいこととか!」
瑠璃乃「ん……。やりたいこと、かあ」
ルリのやりたいことかぁ……。
瑠璃乃「ま、へーきへーき。ルリも楽しいことだけやってるから、心配しないで。それに、これ以上なにかやるのはさすがに、キャパオーバーっしょ」
姫芽「食事とお風呂と睡眠時間を削れば、まだまだ余裕はありますよ〜!」
瑠璃乃「あははっ!それでもゲームの時間は削らないんだー!」
姫芽「るりちゃんせんぱい〜、アタシ、お手伝いしますからね〜?」
瑠璃乃「ありがと、姫芽ちゃん。でも、ほんとにヘーきだからね」
そしたら、部屋の扉が開いて
慈「あっ、お疲れルリちゃん、姫芽ちゃん。自主練?」
淳平「ふたりともいたんだ?」
瑠璃乃「めぐちゃん!? 勉強はいいの?」
淳平「あ〜、一応教えた部分の確認で自作のプリントやさせたら合格点は取れたから息抜きとして許可した」
慈「いえい!」
めぐちゃんがVサインする。
瑠璃乃「そうなんだ!! 凄いねジュン兄ぃ!」
慈「やったのは私なんだけど!?」
瑠璃乃「教えたのがジュン兄ぃだったから合格点取れただけで9割はジュン兄ぃのおかげでしょ……」
慈「辛辣!? ルリちゃんいつからそんな子になったの!」プンプン!!
頬を膨らませて怒るめぐ。
淳平「やれやれ、それよりルリちゃん、準備の方は大丈夫そう?」
瑠璃乃「うん。大変だけど大丈夫だよ」
淳平「そっか。でも、最近成長してバッテリー増量はした感じするけど、無理だけはしないでね?」
瑠璃乃「うん!ありがとジュン兄ぃ!! じゃあ、1つだけお願いしていい?」
淳平「ん? 何?」
瑠璃乃「ルリのこと撫でて?///」
ルリはジュン兄ぃにお願いしてみる。恥ずかしくなってくるけど…。
淳平「いいよ。おいで」
ルリが飛びつくと、ジュン兄ぃはルリをギュッとしてくれて頭を撫でてくれる。
淳平「ルリちゃん頑張ってて偉いよ…」ナデナデ
瑠璃乃「エヘへッ……///」
姫芽(ルリちゃん先輩、幸せそう………。なんか淳平先輩にジェラシー湧くなぁ……)
瑠璃乃「そういえば、めぐちゃん」
慈「ん〜?」
瑠璃乃「新メンバーを増やそうってめぐちゃんが言ってた言葉、ようやくちゃんと理解できた気がするんだ。こうやってできることが増えていって、誰かの気持ちが誰かに伝わっていくことなんだなって、思うから。情熱ってやつ? 姫芽ちゃんの活動、ほんとにいいと思う。ゲームで人の輪を繋げるって、ルリやめぐちゃんには真似できないことだもん」
慈「ん! 分かってくれたなら良いのだよ!! 姫芽ちゃんのおかげで、みらくらぱーく!を応援してくれる人が増えて、今よりももっともっと増えそうな気がするんだ!」
ルリたちがそういうと、姫芽ちゃんは感激から身体を震わせる。
姫芽「はわわわわ………。かのみらくらぱーく!に加入させてもらった以上、おふたりのお役に立ちたいですからね〜。まだまだ力不足だと思いますが、それでも、チームの一員として〜!」
ルリたちの顔に、笑顔が浮かんだ………。
◇
◆
◇
◆
―― 校庭 ――
ジュン兄ぃとめぐちゃんと分かれたルリたちは外に出て、校庭のベンチに座って話ていた。
瑠璃乃「あれ?そういえば姫芽ちゃんって、今はチームとかに所属してないの?」
姫芽「えっ、みらくらぱーく!ですけど………。それは、遠回しな解雇通知……………?」
瑠璃乃「じゃなくて!ゲーム!ゲームのほうで!」
姫芽「あ、そういうことですか〜………………。なら、はい〜。フレンドと一緒に遊んだりはしますけど〜、そのぐらいですね〜。いちばん長く組んでた、大会優勝したときのチームは、優勝を機に解散しちゃってまして」
姫芽「みんな、とてもいい人でした。お互いに言いたいことを言い合って、遠慮なんてぜんぜんしなくて。ケンカもいっぱいしましたけど、だからこそみんな本気で。仲間!って感じで」
瑠璃乃「仲間………。それは、どうして解散しちゃったの?」
もしかして揉めたとか?
姫芽「あ、揉めてバラバラになった、とかじゃないですからね〜?みんな、それぞれ他にやりたいことを見つけたんです。プロゲーマーになった人もいれば、新しいゲームにチャレンジしにいった人、志望校に進学した人もいたりして。ただ……当時のアタシは、ちょっとだけ途方に暮れちゃってました。やっぱり、大好きなチームだったので……」
瑠璃乃「そうなんだ……」
姫芽「はい〜。他のチームに入ってこのままプロゲーマーを目指すのか、それともソロで結果を出して、お声がかかるのを待つのか〜。人生の岐路ってやつですね〜。でも、そんなときにアタシはみらぱ!に出会いました」
瑠璃乃「ルリたちに?」
姫芽「はい。たまたま目に入った動画で、目が釘付けになりました。好きなものを好きだって叫ぶこと。いつでも楽しそうにキラキラしてたみらくらぱーく!は、それをアタシに教えてくれたんです。だったら――。アタシ、このゲームが大好きだから〜、このゲームがすっごく面白いんだよって、世界中に広めたいな〜!」
姫芽「アタシ、ゲームのおかげでこんなに幸せだから〜……この気持ちを、みんなにも届けたい〜。アタシのぜんぶを使って、恩返しするんだ〜!大好きなゲームで"世界中を夢中に"!」
瑠璃乃「!!」
姫芽「それがアタシの、新しい夢になりました〜。今はゲーマーとして……そして、スクールアイドルとして、叶えたい夢です」
瑠璃乃「……ふふっ」
ルリの顔は、今たぶん笑顔になってる。
瑠璃乃「姫芽ちゃんやっぱり、みらくらぱーく!に向いてると思うな」
姫芽「え〜!?嬉しい〜!」
瑠璃乃「あと少し、蓮空祭まで全速力でがんばろーね!」
姫芽「うおおおおおお〜!!」
瑠璃乃「えっ、なになに!?」
姫芽「アタシ、燃えてきましたああああ!帰って速攻ランクマ回したくなってきたんですけど!いいですかね!?いいですよね!?」
瑠璃乃「お、おう。バーサーカーモードの姫芽ちゃん……。う、うん、がんばって」
姫芽「はいそれじゃあこれで失礼します!失礼します!失礼しますね!るりちゃんせんぱいも寮までの帰り道お気をつけて!それでは!失礼します!」
姫芽「おぅりゃりゃ〜!とおりゃりゃあああ〜〜!!」
姫芽ちゃんはルリとめぐちゃんの2人の頃のみらぱ!の曲、『ド!ド!ド!』の歌詞を口ずさみながらダッシュで帰って行った。
瑠璃乃「わ〜……ふふっ。向いてるなぁ〜、みらくらぱーく!」
ー つづく ー
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