蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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『103期編』第一章 花咲きたい!
第1話:悩める向日葵(ヒマワリ)


入学式の翌日、今日は学校の部活動の勧誘時間があるので俺は部長の梢、そしてクラスは違うが同じく2年の夕霧綴理(ゆうぎりつづり)と一緒に部活のブースを作っていた。

順番が来たらスクールアイドルクラブはステージでライブを行うのでそれまでに如何に新入生に興味を持ってもらえるかがポイントだろう。

 

ライブを見てもらえれば、多分やりたいという子はいるだろうしな。

 

梢「じゃあ私は大倉庫に行ってくるから…」

 

綴理「りょうかい」

 

淳平「分かった」

 

そして梢は大倉庫に向かって行く。

 

淳平「じゃあ、やりますか!!」

 

綴理「ジュン、いっしょにがんばろ〜」

 

そして綴理と一緒に部活のブースを運営していると、校門の辺りに2人人影が見えた。

 

あれは……

 

淳平(花帆……?)

 

すると、花帆は校門を飛び出した。

 

淳平「(アイツ!! 脱走か!?)すまん綴理!! 少し1人でやっててくれ!!」ダッ!!

 

綴理「え?」

 

俺はダッシュで花帆を追い掛ける。蓮ノ空は山の中にあるため、下手をすれば遭難の危険がある。

 

俺も山の中に入りあたりを見回すと、

 

花帆「うわぁ〜!!」

 

淳平「ッ!! あっちか!!」ダッ!!

 

声のした方に向かって全力ダッシュ。しばらく走ると、花帆の背中が見えてきた。

 

淳平「花帆!!」ガシッ!!

 

花帆「ヒィッ!! ってアレ? 淳兄ぃ?」

 

淳平「アレ?じゃねぇよ、このア帆!! 何脱走してんだ!!」

 

花帆「ア帆っていうな!! だって……、この学校……」

 

やっぱりか……。

 

淳平「大方、規則規則で、がんじがらめで牢獄みたいだとか思ったんじゃないか?」

 

花帆「そうだよ!!」

 

淳平「ハァ……まぁ一部分しか見てなきゃそう思うよな……」

 

花帆「え?」

 

淳平「じゃあさ、取り敢えず見てほしいものがあるんだ。お前を夢中にできるかもしれないキラキラしたもの、見せてやるよ」

 

花帆「え?」

 

そして俺は花帆の手を引いて森を抜けて蓮ノ空に戻る。すると大倉庫の脇に出る。

するとさっきここに向かった梢がいた。

 

梢「あら? 淳どうしてこんな所に……」

 

淳平「脱走した従兄弟を追いかけてた……」

 

花帆「す、すみません……」

 

梢「へぇ? アナタが……名前は?」

 

花帆「あっ、日野下花帆です!!」

 

梢「花帆さんね? 毎年脱走して山の中で遭難して帰らぬ人になる生徒が結構いるから気を付けてね?」

 

花帆「ヒィッ!!」

 

淳平「おい、からかうなよ梢……(苦笑)」

 

梢「ふふっ、ごめんなさいね? けど、本当に山は危険なんだから気をつけるようにね?」

 

花帆「はい……えっと、梢センパイ?」

 

梢「?何かしら?」

 

花帆「梢センパイは……その、この学校窮屈だとか思いませんか?」

 

すると梢は考えると、

 

梢「そうね……まだ一部分しか見て無ければそう思うかもね」

 

花帆「それ、さっき淳兄ぃも……」

 

梢「花帆さん、あなたが知らない世界、見せてあげるわ。淳と一緒に後でステージにいらっしゃい?」

 

花帆「そう言えば、2人って何部何ですか?」

 

梢「ふふっ、それはね?」

 

そして、梢は去っていった。

 

花帆「スクールアイドルクラブ?」

 

淳平「そうだ。あっ、ブースのこと忘れてた、花帆、付いて来い」

 

花帆「う、うん……」

 

そして花帆と一緒にブースに向かうと、むくれた顔をした綴理が待っていた。

 

ヤベェ……怒ってる。

 

淳平「あの〜、綴理さん?」

 

綴理 プイッ

 

綴理がむくれた顔でプイッと顔を背ける。ヤベェ、超怒ってる……。

 

淳平「ゴメンって!! 従兄弟が脱走してさ、追い掛けてたんだよ! ほら、山は危ないから!!」

 

綴理「従兄弟?」

 

花帆「あっ、はい。あたし、日野下花帆と言います。えっと……」

 

綴理「ボクは夕霧綴理だよ?よろしくね花帆」

 

花帆「あっ、はい、よろしくお願いします。綴理センパイ!」

 

淳平「綴理、新入生は何人か来たか?」

 

綴理「……さっき1人興味のある子がいたからライブに誘った」

 

やっぱ怒ってるなぁ……

 

淳平「今度、なんか付き合ってやるから怒んなよ……」

 

綴理「!! ……約束だよジュン?」

 

淳平「おう」

 

すると、スクールアイドルクラブの時間が近づいて来た。

 

綴理「あっ、時間だから行ってくるね?」

 

淳平「おう!! じゃあ花帆も行くか」

 

花帆「う、うん…」

 

そして、講堂に向かった俺たち。舞台袖から見ようと思ったら先客がいた。

 

花帆「えっ!? さやかちゃん?」

 

さやか「日野下さん! 先輩も」

 

淳平「ひょっとして綴理に誘われた子って……」

 

さやか「はい。私です」

 

淳平「そっか。あっ始まるぞ?まずは梢からだぞ」

 

梢「皆さんこんにちは! 蓮ノ空学院スクールアイドルクラブの乙宗梢(おとむねこずえ)と」

 

綴理「夕霧綴理(ゆうぎりつづり)だよ〜?」

 

梢「今日は、私達のライブを披露します。まずは私、乙宗梢が披露します!!」

 

そして音楽が始まると、梢はライブを始める。

 

花帆「…す、凄い」

 

花帆は完全に引き込まれ、キラキラした目で梢を見ていた。

 

そして曲が終わり、

 

梢「次は、夕霧綴理のステージよ!!」

 

交代でステージに立ったのは綴理。梢の優しい曲調とは違う、どちらかと言うとカッコいい曲調の曲に会場は盛り上がる。

 

さやか「凄い……!!」

 

村野さんは綴理の圧倒的なパフォーマンスに目を見張る。

 

アイツは天才だからな。

 

そしてスクールアイドルクラブのステージが終わると、2人はこちらにやってきた。

 

梢「どうだったかしら?」

 

花帆「あ、梢センパイ……。えと、あの、なんだか、凄くて……」

 

綴理「楽しんでもらえたら、良かったよ」

 

花帆「あっ、えと」

 

綴理「改めて、ボクは夕霧綴理。こずとジュンと同じ、スクールアイドルクラブの2年生だ。因みに好きな教科は数学だよ。答えが決まってるっていいね」

 

花帆「あっ、はいっ。えっ?」

 

花帆が綴理の言葉の話し方に戸惑う。

 

梢「ごめんなさい、この子、ちょっと距離感が独特でしょ? でも、ステージ上のパフォーマンスはとても素晴らしいのよ?」

 

花帆「あっ、はい、それはもう!!」

 

さやか「あの! お誘いいただいて、ありがとうございました! 夕霧先輩の舞台、本当にきれいで……!」

 

綴理「ありがとう。褒められてうれしい。うん。ここまでとは思わなかったけど。」

 

村野さんは綴理を尊敬の眼差しで見つめる。

 

綴理「……じゃあ、例の件は、考えてくれた?」

 

さやか「はい。私……、夕霧先輩にご指導お願いしたいです。どうか、スクールアイドルクラブに入れてください!!」

 

花帆「えっ、ええええええっ!? そうなの!? さやかちゃん!」

 

よし、新入部員1人ゲット!!

 

さやか「はい、花帆さん。私、決めたんです。せっかく、自分を変えるためにこの蓮ノ空にやってきたんですから、この学校で、新しいことを始めてみよう、って」

 

花帆「それが、スクールアイドルクラブ……?」

 

さやか「はい!」

 

綴理「というわけで」

 

さやか「きゃっ」

 

ったくコイツは……、

 

綴理「今日からよろしくね、さや。ボクと一緒に、スクールアイドルになれるよう、がんばろう」

 

さやか「は、はい! よろしくお願いいたします!」

 

梢「ふふ、良かったわ、綴理。あなたの後輩ができて。これで少しは上級生としての自覚が芽生えるかしら?」

 

淳平「去年は苦労したからなぁ……」

 

梢「そうね……」

 

俺と梢が遠い目をすると、

 

綴理「そうだといいね?」

 

梢「あなたのことでしょうあなたの。もう」

 

そして梢が花帆に向き直る。

 

梢「というわけでね、花帆さん。私とこの子、そしてマネージャーの淳と3人で、スクールアイドルクラブ活動をしているの」

 

綴理「今日から4人、うれしいなぁ。よしよしよしよし」

 

淳平「ほら、綴理やめろって……」

 

村野さんの頭を撫でる綴理を俺が止める。

 

さやか「ちょ、ちょっと、夕霧先輩……。は、恥ずかしいです……」

 

花帆「………」

 

梢「ねぇ、花帆さん。あなたがもしよかったらなんだけれど」

 

花帆「えっ、あの、はい」

 

梢「……。また来週にもライブがあるの。だけど、見ての通り、ぜんぜん手が足りていなくて。よければ、手伝ってもらえないかしら?」

 

花帆「あ……はい。それぐらいなら、あたしでよかったら」

 

梢「そう。嬉しいわ」

 

あ〜、これ、梢は花帆をロックオンしたな……。

 

花帆「あの、ライブ、すっごく素敵でした! それだけ言いたくって。それじゃあ、失礼しました〜!」

 

やれやれ、だけど、花帆の中にやりたい気持ちが芽生え始めたみたいだな。

 

 

ー つづく ー




名前 日野下(ひのした) 花帆(かほ)
以下は公式プロフィール参照してください

原作主人公で、今作のオリ主である淳平の従兄弟。昔から優しかった淳平を実の兄のように慕っており、本人もまだ自覚は無いが恋心を抱いている。
たまにやらかしてしまうと淳平からは名前の花帆に因んでア帆と言われている。

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