第46話:倉庫整理
淳平と慈が久しぶりに2人で帰省し、蓮ノ空に帰ってきてから数日後………。
淳平は花帆、梢、吟子の3人と一緒に大倉庫のスクールアイドルクラブの荷物を整理していた…………。
吟子「梢先輩、淳平先輩、奥にあるダンボールはすべて検品が済みました。中に入ってたものも書き出して、ラベルを貼っておきましたので」
淳平「おっ、ありがと」
梢「ずいぶんと手際がいいのね、吟子さん」
吟子「棚卸作業は、実家でも手伝っていましたから」
梢と吟子ちゃんと話していると、花帆が吟子ちゃんを呼んだ。
花帆「吟子ちゃーん!来て来て、こっち! 芸楽部時代の衣装とか、残ってるよー!」
吟子「えっ、ほんまに!?」
吟子ちゃんの首がグリンッと花帆の方に勢いよく振り向く。
淳平「はは」
梢「ふふ」
吟子「ハッ!」
淳平と梢が吟子ちゃんの様子に笑っていると、吟子ちゃんが気づいたのか「ハッ!」となる。
吟子「い、今は片付け中なので、遊んでる暇はありませんから!」
梢「別にそのくらいは構わないのに」
吟子「いえ……。それに、他にも古くて珍しいものがたくさんありましたので。あとでじっくり見に来ることにします」
淳平「そっか。くれぐれも迷子にはならないようにな」
花帆「そうだよー! なんたって、毎年100人は迷って迷って、この大倉庫から帰ってこれなくなっちゃうんだからー!」
吟子「そんなわけないじゃないですか……………なんですか100人って」
去年の花帆が沙知先輩に言われた事だな。まあ、冗談なんだけど……。
花帆は何故か信じてしまっている………。
梢「ふふふふっ。でも、あなたたちが手伝ってくれて、助かったわ。定期的に片づけをしないと、紛失しちゃう衣装とかも、多いのよね……」
吟子「それはもったいないですね……」
梢「ええ。例えばスクールアイドルクラブに名前を変えたばかりの頃の衣装なんかは、ずいぶん失われてしまったと聞いているわ」
花帆「もったいないー!」
花帆が残りの棚卸しをしながら声を上げる。
梢「だからね、なるべく次の代に残せるようにって、思って。こういった雑務は、去年は生徒会長がやっていてくれたの」
吟子「ああ、もう卒業された方ですよね。去年のオープンキャンパスで、お見掛けしました」
淳平「そうなの?11月のオープンキャンパスに、吟子ちゃんも来てたんだ?」
吟子「はい! アンブレラスカイのライブ、本当に素敵でした!」
梢「でしょう。あれは花帆が思いついたのよ」
淳平「そうそう」
吟子「むぐ…………。そ、そうですか!いいライブだったと……思います」
花帆「吟子ちゃんなにか言ったー!?」
吟子「なんでもないから!いいから先輩は手を動かしてて!」
花帆「は〜い! …………はぁ、大倉庫暑いよ〜!」
まあ、この夏の時期に冷房も無い屋外の倉庫だからな。暑いよなぁ……。
梢「なかなか素直にはなれない?」
吟子「へっ!? いや……そ、そういうんじゃ、ないですけど………。〜〜〜っ、…………花帆先輩って、距離が近いじゃないですか」
淳平「まあ、そうだな……」
吟子「でもあれは、花帆先輩のキャラだから許されるんですよ」
梢「そうかしら?」
吟子「そうです! 私まで乗せられて「なになに花帆ちゃんー♪」とか言い出したら、そんなの!もう!」
吟子ちゃんが両手で頭を抑える。
吟子「無理です! 私が私に無理です! 背筋がぞわっとします!」
梢「そこまで言わなくても……」
吟子「向こうからグイグイ来る以上、ちゃんと後輩として、節度ある関係を保つためには、私が距離を取るしかないんです。これは、お互いのために必要なことです。わかっていただけましたか!?」
淳平「……どうぶつ喫茶の吟子ちゃんは、とてもかわいかったと思うけど」
吟子「わあああああああっ!!」
吟子ちゃんが羞恥に悶えて絶叫する。
吟子「私なんかが、あんなかわいい衣装を……うう、私なんかが……」
淳平「吟子ちゃんも充分可愛いと思うけどな」
俺がそう言うと、吟子ちゃんは頭を押さえて顔を伏せる。
梢「それには同意だけど、慈に怒られるわよ?」
淳平「おっと、それはマズイ」
危ない危ない
梢「まったく……そうそう、吟子さん。せっかくだから、あなたに見せたいものがあって」
梢は、吟子ちゃんにとある写真を見せる。
吟子「は、はい……なんでしょう。 !、これ、まさか………ラブライブ!優勝の写真、ですか…………!?」
梢「あなたも目指しているのよね。ラブライブ!優勝を」
吟子「はい! 金沢の誇るすばらしい伝統を、世界に広めるために。いつか、私も……!」
梢「成し遂げましょうね、きっと」
淳平「俺も頑張るからさ」
吟子「あの、私も、がんばりますので!精一杯、先輩方のお力になれるように。まだ入ったばかりの見習いスクールアイドル、ですけど………」
梢「ふふふ、謙遜することはないのよ、吟子さん。あなたももう、一緒に撫子祭を成功に導いたスクールアイドルよ。私たち先輩も、頼りにさせてもらうわね?」
淳平「たまに手伝ってもらわないといけないこともあるかもしれないけど、その時はお願いね?」
吟子「――は、はい!」
梢「? どうしたの?」
吟子「よっしゃ……。がんばろっ……………!」
花帆「っ吟子ちゃん!吟子ちゃん!」
吟子「わっ!?な、なに!? 今せっかく梢先輩と淳平先輩といい話してたのに!」
花帆「えっ!?仲間外れにしないでよー! ――じゃなくて!」
ん?
梢「どうしたの?」
淳平「どうしたア帆?」
花帆「ア帆じゃないよ!うぅ〜久しぶりに言われた……。言われないようになったと思ったのに……」
淳平「時々言わないと暴走する気がしてな」
吟子「ア帆………」
花帆「吟子ちゃん!? 真似しなくていいからね!!」
梢「はいはい。それでどうしたの?」
花帆「あっ、梢センパイ!すごいんです!すごいの見つけちゃったんです!」
すごいの?
花帆「衣装ですよ! スリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!の。伝説の衣装です!」
ー つづく ー
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