蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第47話:風化した衣装

大倉庫での整理を終えて部室に戻ってきたスリーズブーケの3人と淳平。

 

すると部室では………、

 

慈「ラブライブ!を優勝したいかー!」

 

綴理・瑠璃乃・小鈴・姫芽「「「「おー!」」」」

 

梢「なんなの、急に」

 

淳平「何してんだめぐ……」

 

さやか「燃えてますね、皆さん」

 

慈「というわけで、もうすぐ夏休み!夏と言ったら!?はい、綴理!」

 

綴理「かき氷」

 

いや、たぶんかき氷はめぐの質問の意図とは違うと思う……。

 

慈「そう、かき氷!……違う!夏と言えば、ラブライブ! 大会に向けた、レベルアップの季節なんだよ!」

 

さやか「練習の夏、ですね!」

 

小鈴「特訓の季節ですかね!」

 

姫芽「スクールアイドルの練習を12時間しても、FPSの練習が12時間できますね〜」

 

淳平「それ、人間のスケジュールじゃない……」

 

姫芽ちゃん………。

 

梢「ただ、その前に期末試験もあるわね。淳平先生、よろしくお願いします……」ペコズエ〜

 

スクールアイドルクラブ『よろしくお願いします〜』ペコリ

 

淳平「はぁ、分かったよ……」

 

まったく………

 

さやか「まぁ、勉強は淳平先輩の講義に加えて各々がんばるとして………」

 

綴理「レベルアップしようね、みんな。ボクはずっと楽しいんだけど。でも、みんなの色が加わったスクールアイドルクラブも、すごくきれいだなって思うから。みんなの色、もっと見てみたいんだ」

 

姫芽「つづりせんぱい、いいこと言う〜。チームの醍醐味ですね〜」

 

綴理「ちょっとわがままになってみた」

 

梢「ふふっ。それじゃあ、具体的なレベルアップの練習メニューを話し合う前に、私たちからも話すことがあるわ。あれを持ってきてもらえる?花帆、淳」

 

花帆・淳平「「はい(おう)!」」

 

慈「アレ?」

 

そして淳平と花帆は、色の違う3つの箱を持ってくる。

 

さやか「その箱は……衣装ケース?」

 

姫芽「アイテムボックスみある〜」

 

花帆「ふっふっふ。これ、なんだと思う?実はね……実はね!」

 

淳平「衣装だよ」

 

花帆「ああ一!もう、淳兄ぃ!あたしが言おうとしてたのに!」

 

小鈴「衣装、ですか?」

 

花帆「そう! だけどね……ただの衣装じゃないんだよ!」

 

吟子「はい。先ほど大倉庫の片づけをしている最中に、見つかりました。初代スリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!が、初めてのお披露目ライブで身に着けていた衣装です」

 

花帆「いかにもすごい衣装が入ってそうな箱だと思ったら、吟子ちゃんが調べてくれたんだよ!箱にも書いてあるし、ほら!」

 

花帆が指さしたところには、たしかに『スクールアイドルクラブ最初の衣装』と書かれていた。

 

瑠璃乃「『スクールアイドルクラブ最初の衣装』だってー!?レジェンドじゃん!」

 

さやか「というとこちらは、芸楽部がスクールアイドルクラブに名前を変えたときのもの、ですか?」

 

梢「そうなるわ。今から十数年前のものね」

 

慈「へー……」

 

梢「なんで慈が知らないのよ。沙知先輩から聞いたでしょ」

 

慈「まあまあ。でもすごいじゃん!なんかご利益ありそう!」

 

花帆「はい!しかも、数はぴったり3着ずつあるみたいなんです!なので。ラブライブ!優勝を目指すために――。今年は、この衣装を着て出場しませんか!」

 

瑠璃乃「蓮ノ空に代々伝わる、なんだかすごい衣装で!」

 

姫芽「え〜、ちょーかっこいい〜。伝説装備感ある〜」

 

綴理「楽しそう」

 

淳平「アイディアとしてはいいと思うな」

 

さやか「と、とはいえ、まだ中身も見てませんからね……」

 

花帆「あ、そっか。じゃあ、良さそうだったらこの衣装でラブライブ!に出場しましょう!」

 

吟子「なにを言っているんですか。伝統の衣装なんですから、絶対いいものに決まってます。……さりとて、皆さんもおっしゃっているとおり、初代ユニットの伝統の衣装を着るなんて、とてもとても畏れ多いことです」

 

小鈴「今そんな話してた??」

 

吟子「特に私は、まだ入部して間もない身…………。果たしてその衣装に袖を通す資格が、あるのでしょうか……」

 

姫芽「吟子ちゃん、目が本気だ〜」

 

小鈴「吟子ちゃん、こないだ柱の傷にも感動してたよね。『これが、伝統の傷…………』って」

 

花帆「でもほんとは、あたしが大道具をぶつけちゃったときの傷だったんだよね。あはは」

 

吟子「くっ、あれは一生の不覚……」

 

何やってんだか……。

 

花帆「ていうか、そんなこと言って吟子ちゃんもぉ〜」

 

吟子「な、なんですか」

 

花帆「せっかく見つけたんだし、興味あるでしょ〜?だってあんなにはしゃいでたのに〜」

 

淳平「はしゃいでたな〜」

 

吟子「それは……!くっ。ラブライブ!優勝を目指すのならば、前に踏み出す勇気も必要…………!」

 

姫芽「お〜、流された〜」

 

小鈴「相手が花帆先輩だから、仕方ないよね」

 

吟子「そこ!ヘンなこと言わない!」

 

『ビシッ』と、擬音が聞こえてきそうな勢いで吟子ちゃんが2人を指さす。

 

慈「よっしゃ、とりま開けてみよー!」

 

花帆「はい!」

 

梢「……初代スリーズブーケの、伝統の衣装………!」

 

梢も瞳をキラキラさせてワクワクが止まらない。

 

花帆「いきます!えい!」

 

パカッ!

 

花帆が蓋を開ける。すると……、

 

吟子「………え?」

 

さやか「こ、これは…………!」

 

姫芽「あはははは、ボロボロですね〜」

 

梢「……はう」

 

梢が頭に手を当ててふらつき倒れそうになる。

 

淳平「こ、梢!しっかりしろ!」

 

花帆「そ、そんなぁ……! まさかDOLLCHESTRAも、みらくらぱーく!も!?」

 

花帆が急いで残り2つの箱を開ける。

 

小鈴「やっぱりボロボロ!」

 

瑠璃乃「うわあ」

 

吟子「そ、そんな……」

 

慈「え、ええい!まだわかんないでしょ!もとからこういう衣装だったのかもしんないじゃん!着てみるまでは!さ!」

 

めぐが勢いよくみらぱの衣装を広げると………

 

ビリッ!

 

……そんな不吉な音がした。

 

慈「あ」

 

スクールアイドルクラブ『あ』

 

慈「……さ、さすがに、ごめん……………」

 

暗い空気が漂うスクールアイドルクラブ。すると、

 

吟子「あ、あの!大丈夫です!直せると思います!」

 

吟子ちゃんの言葉に、全員が吟子ちゃんを見る。

 

吟子「私の……おばあちゃんなら!」

 

 

ー つづく ー




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