吟子ちゃんの実家に到着したスクールアイドルクラブの面々。そして吟子ちゃんのお祖母さんと対面すると、なんと梢が顔見知りだった事が発覚。
家の中に通された俺達は、客間で座布団に着席していた。
梢「私は一度きりだったけれど、母は何着も仕立ててもらっていたみたい」
吟子「へえー………。お得意様だったんですね………」
花帆「でも、そんなにすごい人だったら、きっと直せますよね!衣装!」
瑠璃乃「うんうん!」
吟子祖母「では、皆様。この衣装はお預かりさせていただきます。作業に取りかかるのはぁ、明日からになるかと思いますが、それまでは我が家で、ごゆっくりとお過ごしくださいね」
吟子「あ、うん。おばあちゃん、いってらっしゃい。気いつけて」
花帆「いってらっしゃいー!」
吟子祖母「失礼しますね」
そして、吟子ちゃんのお祖母さんは退室して行った。
さてと、どうするかな。
花帆「ふふっ、吟子ちゃんって、おばあちゃんと話すとき方言になるんだね。かわいい〜」
吟子「む………。これは、こういうものだから」
すると、吟子ちゃんは「コホン……」と咳払い一つすると、
吟子「それでは皆さん、ここでしばしの自由時間となります。どうぞごゆっくり、ご歓談ください」
淳平「旅館の人じゃないんだから」
花帆「久々の畳、長野のおうちに帰ったみたいで、落ち着くなあ」
花帆がそう言って寛ごうとすると、
吟子「あ、花帆先輩だけはこっち」
花帆「んー?」
吟子「いい機会だから、くらしの博物館の続き。花帆先輩には、金沢に伝わる伝統文化をさらに詳しく勉強してもらおうと思って」
花帆「えっ、勉強!?」
吟子「伝統の力でラブライブ!に挑むんだったら、伝統の文化を知らないままでいるのは恥ずかしいことですよね?」
花帆「うっ……。それは、確かに………!でも、なんであたしだけ!?」
吟子「この中で石川出身じゃないの、花帆先輩だけだし」
あはは……。ん?花帆だけ?
淳平「吟子ちゃん、小鈴ちゃんたしか福井じゃなかったっけ?」
小鈴「ぎくっ!た、たしかにそうですけど……」
吟子「そうだった。私としたことが……。じゃあ、小鈴さんも」
小鈴「徒町たちまち巻き込まれました!? い、いったいなにをさせられるんですか……!?」
吟子「大丈夫ですよ、とても楽しいことです。こちらのしおりをご覧ください。小鈴さんにも予備の一部をどうぞ」
花帆「なんか作ってる………」
小鈴「あ、ありがと……?」
吟子「百生吟子プレゼンツ、金沢の伝統工芸体験ツアーです。この辺りには、たくさんの友達のじいじばあば……もとい、職人の方々がいらっしゃいます」
吟子「そこで職人さんにお願いし、実際に文化を体験してもらおうかと。例えば、4ページ。加賀友禅の手描き体験。6ページ。金箔貼り体験など」
花帆「あれ? けっこう………楽しそう?吟子ちゃんの罠??」
吟子「花帆先輩が望むなら今からずっと座学でも私は構わないんだけど」
花帆「楽しいほうがいいなー!」
慌てる花帆。まったく………。
小鈴「これは………チャレンジしがいがありますね!」
瑠璃乃「えー、なにこれなにこれ、メッチャ楽しそう」
他の皆もしおりを見せてもらって興味津々。
姫芽「ねえねえ~、吟子ちゃん吟子ちゃん〜。それってプレイ人数ふたりまでだったりする~?」
吟子「え? いや、たぶん頼めば何人でもいける………と思うけど」
さやか「わあ、風鈴作り体験もあるんですね。綴理先輩」
綴理「おー、ちりんちりんだね。かわいいよね」
慈「へえー、こうして見ると、地元民の私たちも伝統文化ってあんまり詳しくないよね。これ県外でMCするときにも役立ちそうじゃない?」
淳平「めぐ……。そういう勉強については、乗り気だよな……」
梢「まったく………。でも、いい機会だわ。吟子さん、せっかくだから、私たちもお邪魔して構わないかしら?」
吟子「は、はい。それは、もちろん。あ、じゃあ! 30ページまであるので、皆さん好きな体験コースを選んでください!決まったら、私が連絡入れますので!」
慈「えー、どれにしよっかなー!」
吟子「なんやこれ………めっちゃ嬉しい………」
花帆「ふふふ、よかったね、吟子ちゃん!」
吟子「うん………。あ、花帆先輩は私と一緒にちゃんとぜんぶ回るからね」
吟子ちゃんの言葉に花帆が「ピシリ」と固まる。
花帆「………ぜんぶ?」
吟子「ぜんぶ」
花帆「それ何時間かかるの!?一日で終わらないよね!?」
吟子「でもひとつも外せない大事な文化だから………! 大丈夫だよ、始めれば夢中になるから。たぶんおゆはんまでには帰ってこれると思うし。たぶん」
花帆「梢センパイ!淳兄ぃ!助けてください!」
梢「ええと」
淳平「困ったな………」
吟子「でもこれは必要なことですよね!?梢先輩!淳平先輩!」
花帆「ふたりはあたしの味方だもん〜! ねっ、ね~っ」
梢「そうねえ………、確かに詰め込みすぎは、少し大変よね」
花帆「ですよね~~! へへへ~」
吟子「ぐっ」
だが、梢は「でも、」と続ける。
梢「学んだことは、きっとなにひとつ無駄にはならないわ」
淳平「遅くなったら迎えに行ってやるから」
花帆「つまり………?」
梢・淳平「「がんばってらっしゃい(こい)」」
花帆「がーん!!」
花帆がショックを受ける。
吟子「雅やかな梢先輩と、しっかり者の淳平先輩になら、わかってもらえると思ってました!」
花帆「ふたりは吟子ちゃんのほうが好きなんですか!?」
梢「そ、そういうわけではなくてね」
淳平「花帆のためになるからさ」
吟子「さあ、花帆先輩、行きましょう!伝統のすべてを学びに!」
梢・淳平「「ほどほどにしてあげて、ね(な)?」
そして、ユニット別に体験に向かった俺たち。
花帆と梢は最初は友禅体験。そのあとも色々と周り風鈴作りをしているDOLLCHESTRA、上生菓子を作っているみらくらぱーく!と、それぞれ体験していた。
俺はというと、
慈「どう?ジュン」
淳平「うん。よく出来てると思うよ」
慈「ありがとっ」
それを見ていたふたりは、
瑠璃乃「ひめっち、ルリ、無性にブラックコーヒーが飲みたくなってきたよ」
姫芽「アタシもです~」
いちゃつくふたりとそれを呆れながら見るふたりの構図が出来上がっていた。
ー つづく ー
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