では、どうぞ!!
淳平が吟子ちゃんのお祖母さんと話している時、吟子ちゃん、小鈴ちゃん、姫芽ちゃんの一年生3人はというと………、
吟子「……お風呂でたよ」
吟子がお風呂から上がって部屋に戻って来る。
姫芽「あ、おかえり〜」
小鈴「今ね、体験会楽しかったね〜って、姫芽ちゃんと話してたんだ」
姫芽「楽しかった〜。めぐちゃんせんぱいも、るりちゃんせんぱいも、ライブかってぐらい気合入れて和菓子作ってて〜。アタシの推し、ちょ〜かわいかった〜」
姫芽がウットリした顔で先輩の様子を話す。
小鈴「さやか先輩は手先が器用で、すごかったなあ。あと綴理先輩の発想がすっごく独創的でね、まるで風鈴に金沢という土地の魂を表現してるみたいで………!」
吟子「あの………、今さらなんだけど……なんか、ごめん」
突然謝る吟子。
小鈴「え、なにが?」
吟子「いや、なんというか……ぜんぶ………? おばあちゃんなら伝統の衣装を直せるはずだって言って、ここまでけっこうムリヤリみんなを引っ張ってきちゃって………」
姫芽「今さら〜??」
姫芽も呆れ顔だ。
吟子「お風呂入ったら、なんか冷静になってきて……。みんなのこと、伝統だなんだって引っ張りまわしたり、おまけに部屋足りなくて、ふたりは私の部屋に泊まることになっちゃったし………」
小鈴「ええ〜?楽しいよ!徒町の家、人いっぱいでいっつもこんな感じだもん!」
姫芽「それに、吟子ちゃんの部屋って、すごく吟子ちゃんって感じする〜」
吟子「そう、かな。確かに、地味で私っぽい部屋かも……」
姫芽「あはは………」
姫芽は笑うが、心の中は「そういう意味じゃないんだけどな〜」と、思っていた
吟子「……きょうはね、私も楽しかった。付き合ってくれて、ありがとう」
吟子は今日のお礼を言ったあと、1日の感想を言う。
吟子「花帆先輩も、なんだかんだ最後には、楽しかったよって言ってくれて、こんな私でも、伝統の良さをみんなに伝えることができたなら、よかった。みんな、知らないだけなんだよ。伝統って本当にかっこよくて、いいものなんだって」
吟子「だから、私がラブライブ!を優勝して、言うんだ。金沢にはこんなに素敵なものが、いっぱいあるんだよ、って」
吟子の願いを聞き、ふたりは、
姫芽「吟子ちゃんのきもち、わかるな〜。アタシもそ〜ゆ〜つもりで、スクールアイドル始めたからさ〜。好きなものを好きだ〜って、思いっきり叫びたいよね〜。その気持ちでラブライブ!が優勝できたら、最高だって思う〜!」
小鈴「ふたりは、ちゃんとしてるなあ」
吟子「………………小鈴さん」
小鈴「徒町がラブライブ!優勝できるなんて、ぜんぜんまったく思ってないけど。でもそれは徒町個人の話で、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブは違う。だから、足を引っ張らないように、全力でがんばるよ」
小鈴はそう言うと、苦笑気味に頭をポリポリとかき、
小鈴「ただ……徒町だけじゃなくて、日本中のスクールアイドルがそう思ってるんだよね………」
姫芽「………そ〜だね〜。言っても仕方ないことだけどさ〜。アタシたちが急に上級生になれるわけじゃないからねえ〜……」
小鈴「うん……でも、吟子ちゃんも、姫芽ちゃんも、徒町の目から見たら眩しいっていうか。姫芽ちゃんはすっかりみらくらぱーく!に馴染んでるし、吟子ちゃんなんて、きょうもすごかったし、みんなと衣装作ったりしてて……。徒町だけ、まだなんにもできてなくて」
小鈴の悩み。それは、同機である姫芽や吟子が結果を出し、成長し、部に貢献していく中で、自分だけまだ何もできてないということだった。
吟子「…………私だって、すごく不安だけど!でも、くじけたくないから!とにかく前だけ向かなきゃって、決めてるだけ!」
吟子はそう言うと俯いてしまう。
吟子「だって……迷ってる間に、花帆先輩も、梢先輩も、どんどん進んでいっちゃうから。置いてけぼりにならないように、必死で………。先輩たちの力になりたいって思うから!一緒だよ!小鈴さんと」
小鈴「………そうなんだ。じゃあ、がんばろ。一緒に」
吟子「………うん」
姫芽「うれしいね〜。吟子ちゃんがまた少し心開いてくれて〜」
吟子「え、なにそれ!」
小鈴「えへへ。徒町たち、前より仲良くなれたよね」
吟子「それは、まあ……。というか、ふたりは最初からノーガードだったし……。私が勝手に、小鈴さんと姫芽さんに壁作ってただけ、っていうか……。ああもう、ごめん。なんかずっとめんどくさいよね、私。……ふたりとも、どうして仲良くしてくれるの?」
吟子は真面目な質問をしているつもりだが、二人の頭には『?』が浮かぶ。
小鈴「え、わかんない!ふつうこうなる!」
吟子「そうかなあ……!?」
小鈴「それに、どうしてって言われても。吟子ちゃん、ちゃんとしてるし……んー、むしろ、こちらこそ……?」
姫芽「アタシはね〜。勝つためにやることやるのは当たり前〜って思ってるから、あんまり人に『努力してるな~』って思わないんだけど〜、吟子ちゃんも小鈴ちゃんも、努力してるよね〜。ちょ〜リスペクトしてるから〜☆」
姫芽らしい発言にふたりはクスッと笑う。
吟子「……そうなんだ。あの…………。私、今まで同年代で仲良い人って、あんまりいなかったから、なんかいろいろと間違えるかもだけど……。これからもどうぞ、よろしくお願いします」
吟子「仲良くしてくれたら、嬉しい、です」
姫芽「あはは、態度かた〜い〜」
小鈴「徒町こそ、不束者ですが、なにとぞ……!……えへへ」
吟子「ん………」
3人は、ここで笑い合った。
姫芽「あ、ね〜ね〜。アタシ、いいこと考えちゃった〜。吟子ちゃんと、もっと仲良くなる方法〜」
吟子「え、なに……?」
どんな無茶振りをされるかと身構える吟子。
小鈴「なんで身構えてるの!?」
吟子「だって姫芽さんも距離が近いから……なんか、すごい無茶ぶりされそうで……」
姫芽「しないよ〜。ただね、ときには呼び方ひとつでグッと距離が縮まってしまうということを、アタシはこないだ実体験してね〜。ふふふ」
小鈴「あ、瑠璃乃先輩とのことだ」
姫芽「そう〜!だからね、ここは吟子ちゃんもアタシたちのこと『姫芽ちゃん』『小鈴ちゃん』って呼んでみるのはどう〜?」
小鈴「いいかも〜!」
吟子「ええ〜…………?大丈夫かな、それ……失礼じゃない……?怒られたりとか………」
姫芽「アタシが提案してアタシが怒ったら、それはもう、そんな人と仲良くしなくていいと思うな〜!スパブロで!」
小鈴「わくわく」
吟子「うっ……。………小鈴、姫芽」
小鈴「わ〜!」
姫芽「お〜、そうきたか〜」
ふたりは意外な呼び捨てに満足そう。
吟子「………ちゃん付けで呼ぶのとか、なんか恥ずかしくて。これじゃ、だめですか!?」
小鈴「ううん、徒町は嬉しい!」
姫芽「じゃあそれでいこっか、吟子ちゃん〜」
吟子「う、うん………。………ねえ、小鈴、姫芽」
姫芽「なぁに〜?」
吟子「……他の人なんて、関係ないよね。私たちの力がどんなに小さくても、それでも、足したら先輩たちのプラスになるって信じて、伝統の衣装だって復活させて……そして、そして」
吟子は二人の目を見て想いを告げる。
吟子「"優勝"、目指そうね。ラブライブ!」
小鈴「うんっ!」
姫芽「やろぉ〜!一年生3人、病めるときも健やかなるときも、ともに助け合いながら〜!」
吟子「それなんか違うやつ!」
吟子・小鈴・姫芽「「「あはははっ!!」」」
ー つづく ー
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