翌日、練習のためみんなが部室に集まり、小鈴ちゃんが話し始める。
小鈴「みなさん、どうか聞いてください!」
瑠璃乃「お?」
淳平「悪い、梢たちも聞いてやって?」
梢「分かったわ」
そしてみんなが小鈴ちゃんの言葉に耳を傾ける。
小鈴「手伝ってくれると言ってもらえたにもかかわらず、徒町はこれをひとりでやらなきゃダメだと思ってました。結局ダメダメだったこともそうですけど……。徒町がやらなきゃいけないのは、ひとりでやることじゃなくて。友だちに気持ちを伝えることでした!」
瑠璃乃「ふむ?」
ルリちゃんが考え込む。
姫芽「るりちゃんせんぱい?」
瑠璃乃「ルリは、小鈴ちゃんがひとりでやりたい気持ちも分かったからさ。逆に、どうやって気持ちを伝えるのかなーって」
小鈴「徒町が本当に伝えたかったのは、チャレンジが間違ってないってこと…………だから、徒町は頑張ってるってことを映画にしたい」
そして、小鈴ちゃんの考えた結論。それは、
小鈴「だから、"スクールアイドルの映画を撮りたい"んです!それが今、徒町が一番頑張ってることだから!」
花帆「スクールアイドルの映画!」
花帆が目を輝かせる。たしかに小鈴ちゃんの頑張りを映画で伝えるなら一番わかり易い題材だな。
小鈴「はい!スクールアイドルクラブは今、一番大きな挑戦……ラブライブ!を控えてみんなで頑張ってるところです。徒町もそれに全力で挑みたい…………その挑戦する気持ちを伝えられたら、って!どうでしょうか、瑠璃乃先輩!」
瑠璃乃「…………うん!なら、ルリから言うことはなんもない!良いと思う!」
ルリちゃんも納得したみたいだ。まあやることは反対はしないだろうけどね。小鈴ちゃんの気持ちを確かめないことにはね。
小鈴「きょ、恐縮です!」
瑠璃乃「ルリ的には、最初から小鈴ちゃんが頑張るのを応援したかったからね。それがブレてなさそうだから、ヨシ!」
慈「んで、スクールアイドルの映画かー。大きく出たね、めぐちゃんの目は厳しいぞ☆」
淳平「めぐは元タレント。本職が居るからな」
姫芽「天才子役ですからね!」
慈「天才子役兼スクールアイドルだからね!」
分かりやすく調子に乗るめぐ。だけど今回はいつにも増して特に頼りになりそう
梢「…………そう考えると、逆にちょうどいいかもしれないわね。慈が元々映画については知っていることもある……」
花帆「……センパイ?」
梢「演技や、映画にするにあたっての動画編集の力は、スクールアイドルとしての成長にも繋がると思ったのよ。小鈴さんのこの企画は、小鈴さんが思っている以上に私たちにとってもプラスかもしれないわ」
小鈴「え、えっと、じゃあ……」
小鈴ちゃんがみんなを見回す。
淳平「みんなも乗り気、ってことだよ。小鈴ちゃん」
小鈴「わぁ………!」
小鈴ちゃんが顔を輝かせる。
小鈴「ありがとうございます!今回はどうか、よろしくお願いします!!」
小鈴ちゃんは、目にうっすら涙を浮かべながらみんなにひたすらお礼を言っていた。
さやか「…………さて。小鈴さんが言った通り、スクールアイドルとしての練習もおろそかにはできません。映画のスケジューリングは、どうしましょうか」
梢「そうね、もしかしたら。 ――今年の合宿の使い道が、決まったかもしれないわ」
淳平「合宿の予定を元に、大体の進行予定を考えておくよ」
小鈴「お願いします!!」
そして数日後、スクールアイドルクラブは去年の夏合宿に使った梢の別荘に来ていた。去年の今頃はまだめぐがイップスに陥ってて、ルリちゃんがそれをなんとかしようと頑張ってたんだよな……。
それが、今では……。
俺は感慨にふけって少し涙を浮かべていた。
花帆「合宿の海に、帰ってきたー!!って、あれ?淳兄ぃ泣いてる?」
淳平「悪い。ちょっと去年を思い出して……」
花帆「そっか。まぁ、色々あったからねぇ……。でも、今年もみんなで合宿に来れましたね。綴理センパイ!」
綴理「うん、とてもうれしい」
梢「じゃあ、みんな。水着に着替えてきましょう」
スクールアイドルクラブ『は〜い!』
そして俺達は別荘の中に入り、俺は個別で着替えて海に出る。
淳平(今年もみんなの水着を見れるのか……。ファンには殺されそうだな)
そんなことを思って待っていると、みんなが出てきた。
淳平「おっ、来た……な///」
3・2年生の水着は去年と同じだが、1年生の3人も中々……。って、イカンイカン……。
瑠璃乃「あっ、ジュン兄……ぃ///」
淳平「ん?」
花帆「身体が凄い逞しくなってる……///」
綴理「バキバキのシックスパック……///」
淳平「あ~まぁ、鍛えてたからな。因みに体脂肪率は9%だ」
姫芽「え〜! 凄い!触って良いですか〜?」
小鈴「徒町も触ってみたいです!」
吟子「ちょっ! ふたりとも!?」
ふたりが俺の腹筋や横腹、肩、力こぶの筋肉を触り始める。すると恐る恐る吟子ちゃんも触ってくる。
吟子「失礼します……。硬い……///」
姫芽「凹凸の溝が凄い……」
すると、
慈「何やってるのかな?みんな?(^ω^╬ )ゴゴゴゴゴォ」
小鈴「あっ」
ご立腹のめぐ。すぐさま地面に座らされめぐに説教される1年生たち。
あまり長くなる前に梢が止める。
花帆「よおし、そうと決まったら映画ですよ映画!ひと夏の映画体験!楽しみだなあ!」
さやか「そうですね。小鈴さん、さっそく映画のイメージを聞かせていただけますか?」
小鈴「全力でアイディア募集中です!」
さやか「そこからなんですね!?」
おいおい……。ある程度の打ち合わせを事前にしておけばよかったな……。
花帆「でもスクールアイドルの映画ですよ、センパイ!色々やりたいことありますよね!」
梢「スクールアイドルたるもの……やっぱり、ラブライブ!優勝……かしらね」
瑠璃乃「王道ストーリーだ!」
小鈴「え、めっちゃいいですね!ラブライブ!の前にラブライブ!優勝する映画!」
さやか「ゲン担ぎにもなりそうですかね」
慈「ストーリーもいいけど、やっぱりスクールアイドルなら映画の中でも魅力的じゃないとダメだからね!主人公もだけど、出るスクールアイドルはみんな可愛くなきゃ!」
吟子「映画ってことは……色んなシーンがあるんだよね」
姫芽「ライバルを倒す熱いバトルだね〜」
吟子「いやライバルは居るかもしれないけど、スクールアイドルは基本バトルしないから」
姫芽「するスクールアイドルが、いてもよくない〜?」
吟子「コンテストとかをバトルって言うのならそうかもしれないけど……。じゃなくて、色んなシチュエーションがあるってことは、色んな衣装も必要なのかなって」
淳平「確かに必要かもね。色んな衣装」
吟子「これまでの衣装とかを手直しして、また使えたら……………」
綴理「楽しみにしてるね」
ん? 綴理は何言ってるんだ?
淳平「なに言ってるんだ、綴理も出るんだよ」
綴理「ボクも?」
小鈴「もちろんです!綴理先輩がラスボスとか、凄い良さそう!」
綴理「ボクもやることある?なら頑張る」
綴理のやる気スイッチも入ったようだ。
さやか「ラブライブ!優勝を目指す、魅力的なスクールアイドルの映画。衣装もふんだんに使って、ライバルを制する――」
瑠璃乃「ぜ、全部乗せるの!?」
さやか「できるかは分かりませんが、楽しそうだなと」
瑠璃乃「楽しそうなのは、それはそう!」
慈「…………ん、なんからしくなってきたじゃん?楽しいことをみんなでする。言葉にすればそれだけの話だね」
綴理「そう考えると、もう楽しい」
マイペースだなぁ……。
梢「ふふ。さて、じゃあ進めていくわよ。小鈴さんにお願いされたので、私と淳で合宿のスケジュールをまとめてきたわ」
小鈴「はい、さっそくめちゃめちゃ頼っています!」
梢「脚本を作って、ロケーションを選定。そして撮影を進めて行きます。締め切りを考えても、これがぎりぎり限界かしらね」
花帆「でもでも、締め切りぎりぎりで頑張るのも、なんだかちょっと映画作りっぽいですよ」
いや、週刊誌連載の漫画家かよ……。
吟子「ぎりぎりにならないに越したことはないんだけど……。あの、梢先輩、淳平先輩。最終日の天候が少し怪しくなりそうですが、そこは大丈夫そうですか?」
梢「ええ。少なくとも最終日の夕方、雨の降り出す前には撮影を終わらせたいところね。みんな、はりきっていきましょう」
淳平「今回俺はカメラマンに専念するからよろしく頼むな」
スクールアイドルクラブ『おーー!』
さて、と……。
さやか「では、小鈴さん。どうしましょうか」
姫芽「なにから始める〜?」
小鈴「あ、は、はい。とりあえず、皆さん徒町のために、本当にありがとうございます………!」
梢「大丈夫、あなたのためだけじゃないわ」
慈「そーそ。私たちは私たちのために映画を撮るの」
淳平「気にしないで。満足のいくの撮れるように頑張ろう」
瑠璃乃「さやかちゃんなんて、ねえ?」
小鈴「そ、それは!?」
今回、さやかちゃんが撮影機材を実家から持ってくると言っていたのでカメラなどはさやかちゃんに任せたのだが、そのカメラがプロが使うような、予想以上に本格的なカメラだった。
さやか「はい。ついはりきって、お母さんからちゃんとした機材を借りてきました。もともとお姉ちゃんとわたしのフィギュアの撮影に使っていたものを。だから……楽しみにしてたんです」
小鈴「あ……!〜〜〜っ!」
小鈴「分かりました!全力で頼ります!!徒町が、作りたいもののために!!」
ー つづく ー
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