蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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今回の話は今までの誕生日短編と趣向を変えて瑠璃乃と淳平が付き合う場面を書いていきました。

瑠璃乃も淳平の幼馴染枠なので特別扱いです。(オイ!)

そしてこの話ではスクールアイドルクラブのみんなは淳平と仲は良いですが、恋愛感情は抱いてない設定となっています。
頼りになる先輩、男だけど紛れもない仲間。信頼のおける友達。そんなふうに思っています。

では、始まります!!


〈大沢瑠璃乃〉誕生日特別編:ifルート

淳平「………ん」

 

ふと目を覚ます俺。

 

部屋のカーテンの隙間から、日が差し込んでいた。

 

淳平「もう朝か……」

 

時計を確認すると、完全に部活の開始時刻に間に合わない時間だった。

 

淳平「ヤバい!!」

 

俺は急いで着替えて、飯も食わずに寮を飛び出して学校へと向かった。

 

 

 

 

梢「………これに懲りたら寝坊しないように」

 

淳平「はい……」

 

結局遅刻し、梢から説教を貰った。まあ寝坊した俺が悪いんだけどね………。

 

瑠璃乃「でも、ジュン兄ぃがめずらしいね」

 

淳平「ああ、昨日少しね」

 

瑠璃乃「?」

 

そして部活の朝練も終了し、めぐと教室へと向かっていると、

 

慈「ねえジュン、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

 

淳平「なに?」

 

なんだろう……

 

慈「ルリちゃんにいつ告白するの?」

 

淳平「ブッ!!」

 

俺は吹き出してしまい咳き込む。

 

淳平「き、急になんだ?」

 

慈「いや、ジュン昔からるりちゃんのこと好きじゃん?もう私たちも今年度で卒業なんだからいい加減言ったほうが良くない?」

 

淳平「うぐっ……」

 

慈「それで?告白しないの?」

 

淳平「……告白かぁ」

 

昔から、俺を慕ってくれたルリちゃんの顔を思い出す。

 

俺はルリちゃんのことが、異性として好きだ。相手の気持ちを考え、寄り添うことのできるルリちゃんのことが、昔から好きだった。

 

でもルリちゃんにとって、俺はあくまでも幼馴染……それも兄みたいなもの。って、ところだろうな。

 

異性として意識されているなら、あんなにいつも無造作にくっついてこないだろうし……。

 

淳平「……告白して今の関係が壊れるなら、このままの方が幸せなんじゃないか?」

 

慈「まったく、ヘタレだねぇ……」

 

めぐとそんな話をしていたのを、聞いている者がいた事を、この時はしらなかったんだ……。

 

?「……………////」

 

そして、その日も午前中の授業を受けて昼休み、

 

 

 

〜 瑠璃乃視点 〜

 

花帆「瑠璃乃ちゃん、聞いてる?」

 

瑠璃乃「え……?」

 

花帆ちゃんの声にハッとするルリ。花帆ちゃんが心配そうな表情をしている。

 

さやか「大丈夫ですか?いつになくボーっとしてますけど……」

 

瑠璃乃「ゴ、ゴメンね……ちょっと考え事しててさ~……」

 

吟子「何か悩み事ですか?相談に乗りますよ?」

 

吟子ちゃんも心配してくれる。

 

うぅ、やっちゃったなぁ……。

 

瑠璃乃「た、大したことじゃないから大丈夫だよ」

 

小鈴「ホントですか………?」

 

瑠璃乃「ホントホント~!それより、早くお昼ご飯食べちゃおぜ~!」

 

慌てて誤魔化しながら、ご飯を食べるルリ。

 

お昼休み、ルリは花帆ちゃんやさやかちゃん、吟子ちゃん、小鈴ちゃん、姫芽っちとお昼を食べに食堂へやって来ていた。

 

姫芽「それもそうですね……って、あれ淳平先輩達じゃないですか?」

 

瑠璃乃「え……?」

 

さやかちゃんが見ている方へ顔を向けると……

 

 

 

淳平「梢の手作り弁当って、いつ見ても美味しそうだよな」

 

梢「フフッ、ありがと。良かったら唐揚げひとつ食べるかしら?淳は唐揚げ好きだものね」

 

淳平「えっ、良いのか?サンキュー!」

 

慈「ジュン~、せっかくだから梢に『あ~ん』してもらったら~?」

 

からかってくるめぐ。

 

淳平「やかましいわ。髪を紫に染めて出直せ」

 

慈「何で!?」

 

梢「いえ、紫はやめて。私の色が汚されるわ」

 

慈「お前らめぐちゃんにばっかりなんでそんな当たり強いの!」

 

綴理「ジュン、あ~ん」

 

すると綴理が『あ〜ん』してきた。

 

淳平「え、ちょ……さやかちゃんから作ってもらった弁当でしょ、良いの?」

 

綴理「さやのお弁当美味しいから色んな人に食べて欲しい。料亭さや処をどこに開店しようか悩んでるんだ」

 

料亭さや処って………。

 

淳平「じゃあ、遠慮無く……」パクっ

 

淳平「おっ、ホントだ美味い!」

 

綴理「でしょ?」

 

3年生組がわいわい騒いでいた。

 

楽しそうだなぁ………。

 

 

 

姫芽「お〜、ずいぶん仲良しですねぇ」

 

笑っている姫芽っち。

 

吟子「それにしても淳平先輩と3年生の先輩方って、何か良い感じだよね」

 

瑠璃乃「っ……」

 

小鈴「モテますよねぇ、淳平先輩って……梢先輩に信頼されてるし、慈先輩は幼馴染だからもちろんの事……綴理先輩にも慕われてるし」

 

花帆「み、みんな!?もうその辺にしとこう!?」

 

慌てて制止しようとする花帆ちゃんをよそに、姫芽っちがじっとこちらを見る。

 

姫芽「それで?ルリちゃん先輩はどうなんですか〜?」

 

瑠璃乃「……ジュン兄ぃは、ルリのお兄ちゃんみたいな存在だよ」

 

姫芽「だったら、何でそんな悲しそうな顔をしてるんですか?」

 

瑠璃乃「っ……」

 

どうやら姫芽っちにはお見通しだったらしい。

 

参ったなぁ……。

 

姫芽「まぁルリちゃん先輩がそう言うなら〜、私が淳平先輩を貰いましょうかね〜」

 

瑠璃乃「っ、……?」

 

姫芽「淳平先輩、ゲームとかにも付き合ってくれて、上手いし、少し気になってるんですよね〜」

 

瑠璃乃「ダメええええええええええっ!」

 

慌てて立ち上がるルリ。

 

瑠璃乃「姫芽っちにジュン兄ぃは渡さねぇやい!」

 

さやか「ちょ、瑠璃乃さん!?」

 

瑠璃乃「ジュン兄ぃはルリの……ルリの……大好きな人なんだかんね!」

 

姫芽っちを睨みつけるルリ。

 

こんなに同じユニットの仲間に敵意を持つなんて思わなかった……。

 

すると、

 

姫芽「大好きな人、お兄ちゃんじゃないって分かってるじゃないですか〜」

 

瑠璃乃「あっ!」

 

姫芽っちはルリに自覚させるためにワザと……。

 

敵意を持ってしまったさっきのルリを殴ってやりたい……。

 

吟子「えーっと……瑠璃乃先輩?姫芽?」

 

吟子ちゃんがおずおずと割って入ってくる。

 

吟子「一件落着したところ悪いんだけど……状況分かっとる?」

 

姫芽・瑠璃乃「「え………?」」

 

姫芽っちと二人で首を傾げつつ、周りを見回す。

 

ルリ達に、食堂中の視線が向けられていた。

 

姫芽&瑠璃乃「「……あっ」」

 

二人でダラダラと冷や汗を流す。

 

そういえば、大きな声で叫んじゃったっけ……。しかもジュン兄ぃのこと、『大好きな人だ』って……。

 

瑠璃乃「っ!?」

 

慌ててジュン兄ぃの方に視線を向けると……

 

淳平「…………」

 

ジュン兄ぃが呆気にとられた表情でルリを見ていた。

 

あっ、終わった………

 

さやか「る、瑠璃乃さん……」

 

顔を真っ赤にしたルリをフォローしようと、さやかちゃんが優しく声をかけてくれるが……

 

瑠璃乃「ひ……姫芽っちのバカあああああっ!」

 

姫芽「ごめんなさいィイイイ!!ルリちゃん先輩〜!?」

 

花帆「瑠璃乃ちゃん!?」

 

全速力で食堂を出て行くルリだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後……………

 

淳平「………」

 

瑠璃乃「………」

 

気まずい雰囲気の中、ルリちゃんと二人で帰り道を歩く。

 

梢やみんなの気遣いもあり、俺達は今日のスクールアイドルクラブの練習を休んで2人で寮に戻ることにした。

 

ちなみにあのゲーム依存症には、新聞紙丸めた棒での一撃を尻に叩き込んでやった。

 

それにしても………、

 

『ジュン兄ぃはルリの……ルリの……大好きな人なんだかんね!』

 

淳平「っ……」

 

顔が赤く染まるのが分かる。

 

まさかあんな形で、ルリちゃんの気持ちを知ることになるとは……

 

ふとルリちゃんの方を見ると……

 

瑠璃乃「っ!」

 

目が合ってしまい、ルリちゃんも恥ずかしそうに俯いてしまう。

 

はあ………。

 

淳平「ねぇ、ルリちゃん。この後時間ある?」

 

瑠璃乃「へ?」

 

そうしてやって来たのは蓮ノ湖の湖畔。ここは蓮ノ空の敷地内なので生徒たちがリラックスしながら休めるようにベンチが設置されている。

 

俺とルリちゃんは、手近なベンチに腰掛ける。

 

淳平「覚えてる?ルリちゃん。昔めぐの家族と3家族揃って湖でキャンプしたの……」

 

瑠璃乃「覚えてるよ。たしか木崎湖キャンプ場だったっけ? めぐちゃんにめちゃくちゃ濡らされたよねぇ……」

 

淳平「そうそう。それで俺とルリちゃんで組んでめぐに水かけまくって……。でも最後はルリちゃんに裏切られて2人で俺を集中砲火してきて」

 

瑠璃乃「あ、あれは!!……ごめんなさい」

 

俺はクスッと笑い……

 

淳平「怒ってないよ……。今思い返しても、楽しかったなぁ……」

 

瑠璃乃「うん。そうだよね……。でもさ、ジュン兄ぃはカッコ良くなっちゃってさ~。今じゃモテモテだもんね~」

 

淳平「いや、別にモテないよ?」

 

瑠璃乃も「うわ、マジか。スクールアイドルクラブのみんなと、凄く仲良しじゃん!」

 

淳平「まぁ仲間だし」

 

あれ、ルリちゃんちょっとご機嫌斜め?

 

瑠璃乃「皆可愛いしね~。この女ったらし……」

 

ちょっと拗ねたような態度のルリちゃん。

 

やれやれ……。

 

淳平「……ルリちゃん」

 

瑠璃乃「っ!?」

 

俺は立ち上がると、正面に回ってルリちゃんを抱きしめる。

 

ルリちゃんがビックリしていた。

 

瑠璃乃「じ、ジュン兄ぃっ!?」

 

淳平「……好きだよ、ルリちゃん」

 

瑠璃乃「っ……」

 

息を呑むルリちゃん。

 

淳平「花帆もさやかちゃんも、梢も綴理もめぐも、吟子ちゃんも、小鈴ちゃんも、姫芽ちゃんも……皆可愛いと思う。凄く魅力的な女の子達だと思う。それでも……」

 

ルリちゃんを抱く腕に力を込める。

 

淳平「それでも俺が好きなのは、ルリちゃんなんだよ。昔から俺が好きなのは、ルリちゃんなんだよ」

 

瑠璃乃「ジュン兄ぃ……」

 

淳平「好きだよ、ルリちゃん……大好きだ」

 

ルリちゃんが俯く。表情は見えないが、耳が真っ赤になっていた。

 

瑠璃乃「……ルリで良いの?」

 

淳平「え……?」

 

瑠璃乃「本当に……ルリで良いの?」

 

淳平「ルリちゃんがいいんだ。俺と、付き合ってくれる?」

 

瑠璃乃「っ、うんっ!」

 

そして、俺とルリちゃんはキスしあい、付き合うことになった。

 

それからしばらく、蓮ノ湖の湖畔で……

 

淳平「夢みたいだ。めぐもそうなんだけど、特にルリちゃんがずっと側にいてくれたら、それだけで幸せなのになって……小さい頃からずっと思ってたから」

 

瑠璃乃「ジュン兄ぃ……」

 

淳平「だから今日食堂で、ルリちゃんが俺を『大好きな人』って言ってくれたとき……本当に嬉しかったんだよ」

 

ルリの手を握るジュン兄ぃ。

 

淳平「ありがとう……ルリちゃん」

 

瑠璃乃「っ………」

 

思わずジュン兄ぃに抱きつく。

 

優しく抱き締めてくれるジュン兄ぃ。ルリ、こんなに幸せで良いのかな……。

 

 

この数年後、ルリたちは結婚して子宝に恵まれることになるのを、ルリたちはまだ知らなかった。

 

 

 

ー 瑠璃乃ちゃん Happy Birthday!! ー




瑠璃乃ちゃん誕生日おめでとう!!
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