あれから数週が経ち、俺たちは蓮ノ空で練習に励んでいた。
あのあと、"終わらないエンディング"を制作し、映画に編集したあと小鈴ちゃんは映画を雪佳ちゃんに送った。
雪佳ちゃんは外国に旅立ったそうだが、映画は見てくれたらしく、後日スクールアイドルクラブ宛にお礼が届いた。
内容としては、夢を諦めるのを辞めるということだった。
それを見たみんなは大喜びをしており、小鈴ちゃんもメッセージを読みながら目に涙を浮かべて喜んでいた。
そんなある日……、小鈴ちゃんは雪佳ちゃんにメッセージを返信していた。
小鈴「『拝啓、雪佳ちゃんへ。スクールアイドルクラブの映画、見てくれてありがとう。込めた気持ちが伝わって、本当に良かったです。お互いまだこれからだけど…………これからも頑張ろうね!』」
そこまで打つと、小鈴ちゃんは一旦打つのを止め、少し考えるとまた打ち始める。
小鈴「『雪佳ちゃんのおかげで、徒町はチャレンジすることの大事さを学びました。 徒町が頑張ると、元気が出る………初めて言われた時は、もしかしたらピンと来てなかったのかもしれない。でも今なら分かるんだ。徒町はスクールアイドルだから。 だから――』」
しかし、そこへ背後から忍び寄る2人、
小鈴・綴理「「『ありがとう』」」
小鈴「えっ?」
突然聞こえた声に小鈴ちゃんは振り向く。
綴理「やほ」
小鈴「綴理先輩、びっくりさせないでくださいよー。あっ、淳平先輩も……」
淳平「ごめん。止めたんだけど……」
綴理「ごめんね」
小鈴「…………えっと、何か用事です?あ、寝に来ました?」
綴理「ボクなんなの。じゃなくて……お礼を、言いに来たんだ」
小鈴「え、徒町にですか?」
綴理「そう。今回の映画、すごく楽しかった。楽しかったんだ」
小鈴「え!?いえこちらこそ大変すばらしいものにしていただいて!」
淳平「それはね。小鈴ちゃんが頑張ってくれてたからだよ。花帆と姫芽ちゃんが、楽しそうにストーリーのことで盛り上がってたのも。吟子ちゃんが衣装を縫いながら、嬉しそうに笑っていたのも。………めぐが、あんなに張り切ってて……みんながまとまっていたのも」
綴理「ん」
小鈴「それはでも、みんなが」
淳平「花帆は子どもの頃からの憧れに、手が届いたし。姫芽ちゃんも、今回のおかげで花帆とたくさん話が出来たって言ってた」
綴理「ぎんだって。衣装をまた使えるって言って喜んでた。…………めぐが、誰かの話をあんなに素直に聞いてたのも、初めて」
淳平「梢とルリちゃんがさ。ずっと笑ってたんだ。小鈴ちゃんはもしかしたら、よく分からないかもしれないけど…があの2人が笑ってるってことは、なんの心配もないってことなんだぜ?」
小鈴「それが……徒町の……………?」
綴理「そうだよ。すずが一生懸命だったから、頑張ってるのが伝わったから、みんなはそれについてきてくれた。ひとりでやらなくても、すずの気持ちはちゃんと、伝わっていたんだ。伝わるくらい、頑張っていたんだ」
淳平「それだけでも十分なのに、合宿の終わりまで、最後まで諦めなかったしね。だからさやかちゃんも、悲しい気持ちにならずに済んだんだ」
小鈴「先…輩…………。あ、ありがとうございます。えと、なんて言っていいのか」
綴理「うん、ごめんね。ジュンと違ってボクは言葉がうまくないから、すずになんて言えばいいのか、難しいんだけど……とにかくボクは、すずに胸を張ってほしいんだ」
小鈴「……はい。先輩の気持ちは、伝わりました。あの映画は、ちゃんとみんなの夢になれたんだって」
綴理「うん。みんなの夢。ボクの夢にも、なったよ」
淳平「俺も」
綴理・淳平「「あの映画が楽しかったのは、あの映画がスクールアイドルだから。同じ……不完全でも熱を持ったみんなで作る、芸術だから」」
っ!一字一句違わずにハモった……。
小鈴「先輩方も、そこまで……………」
綴理「うん、そこまで。むしろ………ボクも気付いた。不完全は、未完成。でも進んでいくものだ。進んでいくから、美しい芸術なんだって…………もっとスクールアイドルが好きになった」
小鈴「はい!未完成でも…………いつか成功できるまで、諦めずにチャレンジし続けます!」
綴理「うん。ボクも、未完成。頑張ろうって、思えた。すずのおかげで。だから――ありがとう」
小鈴「お、おぉ……恐縮、です」
淳平「小鈴ちゃんが居てくれて良かった」
小鈴「え、へへへ」
するとそこへ、聞き慣れたよく通った声が響く。
さやか「あー、ここに居ましたねー!! 淳平先輩もいるじゃないですか!」
綴理「あ、さや。寝てなくていいの?」
淳平「綴理、もう治ってるだろ?いつの話ししてんだよ」
さやか「そうですよ!いつの話をしているんですか?すっかり治りましたよこの通り!この度はお騒がせいたしました!」
綴理「良かった」
小鈴「良かったですぅ………!」
さやか「ってこのやり取りも何度目ですか……。いえ、これはもう罰として受け入れます……自己管理を怠ったという………」
淳平「さやかちゃん、なんか用があったんじゃないの?」
さやか「そうでした!もう練習は始まりますよ!なんの話をしていたんですか!」
俺はスマホで時間を確認する
淳平「あっ、ホントだ……」
さやか「まったくもう。で?何してたんですか?」
綴理「すずに、お礼」
小鈴「………綴理先輩。徒町こそ、スクールアイドルクラブに入って良かったです。これからも、精一杯頑張ります!みんなと!」
綴理「ん」
さやか「頑張るなら練習に間に合ってくださいね……」
さやかちゃんがやれやれと首をふる。
小鈴「あ、先輩がた。見て欲しいものが、あったんでした」
そして小鈴ちゃんはスマホを見せてくる。
さやか「……これは?」
淳平「動画だな。これは……映画か?」
小鈴「雪佳ちゃんから届きました。タイトルを見てあげてください」
さやか・綴理・淳平「「「続きは今度撮影します」」」
淳平「コレって」
小鈴「はい。いつになるかは分からないけど、きっと届きます。夢の続きが」
綴理「良かったね」
小鈴「はい!」
さやか「……あの。風邪をひいたわたしから言うのも何なんですが。わたしたちの映画の続きは、いつ撮りましょうか」
綴理「そうだね……すずは、どうしたい?」
すると、小鈴ちゃんは俺を見て、
小鈴「ん~淳平先輩が言ってたことが、頭に残ってるんです。『続きは本当のラブライブ!で』って」
小鈴「ああ、そうしたいなって思ったんです。 徒町の演じた、ラブライブ!を目指す主人公の気持ちを通して……それに、みんなでひとつの大きなものを作るって経験を通して、感じたんです。――ラブライブ!、頑張りたいって!」
淳平「同じことだから、かな?」
小鈴「はい!ラブライブ!も映画も、同じことなんです!どっちも、みんなで作る芸術……だから映画でも、徒町小鈴でも……みんなと一緒に、チャレンジに成功したい!だから――映画の続きは、ラブライブ!に優勝してからにしたいです。その方がきっと、いいものになると思うから」
綴理「ん」
さやか「よい夢だと思います。また。わたしたちの想いも乗せてくれる」
淳平「大賛成」
小鈴「はい!チャレンジし続けましょう!完成したと胸を張れるその日まで!」
ー つづく ー
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