楽しんでいただけたら幸いです。
ではどうぞ!
特別編:〜if〜 大賀美沙知ルート
……これは、もしもの話。
吟子ちゃんたちが入学する前の年。
淳平や梢たちが2年生、花帆たちが1年生の頃。
慈がスクールアイドルクラブに復帰した頃のもしもの話……。
梢「お疲れ様。今日の練習はここまで。各自入念にストレッチしておくように!」
花帆・さやか・綴理・瑠璃乃・慈「「「「「はーい」」」」」
そして、6人がストレッチを行う中、淳平は使った用具を片付ける。
そして、
淳平「悪い梢。俺もう行くな?」
梢「ええ。お疲れ様」
花帆「? 淳兄ぃ何か用事?」
淳平「ああ。少しな」
そして淳平は部屋を出ていった。その様子を、花帆たちはジッと見ていた。
さやか「淳平先輩、たまに早く切り上げて行きますけど、何してるんでしょうかね?」
綴理「…………………」
慈「あの人の手伝いでしょ」
瑠璃乃「あの人?」
梢「淳とあの人は、出会いこそ悪かったけど、打ち解けた後の相性は最高だったから……」
花帆「もしかして、その人って女の子ですか!?」
さやか「!! そうなんですか!?」
瑠璃乃「めぐちゃん!!」
想像が膨らんだ1年生の必死な顔。梢は落ち着くように諭す。
梢「落ち着いて……? 女の子…は、そうね。たぶん、みんな全校集会で見たことはあるわよ?花帆さんはお世話になった事があるわね。悪い意味で」
花帆「え?」
花帆は必死に頭を捻るが出てこない。
さやか「全校集会……生徒会長とか?」
瑠璃乃「いや、まさか……」
綴理「せいかい」
さやか「えっ!?」
瑠璃乃「なんでジュン兄ぃが生徒会長手伝ってんの?」
みんなの疑問も最もなので、梢は教えてやることにする。
梢「生徒会長……沙知先輩はね、去年の慈が怪我をする少し後まで、スクールアイドルクラブのメンバーだったの」
花帆・さやか・瑠璃乃「「「えーー!?」」」
驚く花帆たち。
綴理「最初にボクたちが、生徒会長がスクールアイドルクラブを辞めるって聞かされたときは、ジュンも生徒会長に怒ってたんだ。『めぐが踊れなくなって、みんなどうしたら良いか分からないタイミングで、ただ一人の先輩が辞めるなんて』って。けど……」
慈「その翌日には、マネージャー業務はちゃんとやりながら沙知先輩の事も手伝うようになって……まだ続いてたことに私もこの間復帰してビックリしたよ」
さやか「………淳平先輩と生徒会長の間で、何かあったんでしょうか?怒りが収まる上に、協力しようと思うほどの何かが……」
花帆「それって?」
さやか「そこまでは分かりませんが………」
綴理「……………」
ここで梢は『パンッ!』と手を叩き、
梢「ほら、今日はもう帰りましょう。気になるなら明日聞いてみたら?」
花帆「わ、分かりました!」
そして、その日はスクールアイドルクラブは寮に帰った。
………その頃
ー 生徒会室 ー
淳平「失礼します…。日野下です。沙知先輩は……」
俺が扉を開けて声を掛けると、机に向かって書類作業をしていた沙知先輩が顔を上げて俺を見る。
沙知「ん?おお……ジュンペイか。今日も手伝いに来てくれたのかい?」
淳平「ええ。何かやる事ありますか?」
沙知「ん〜……そうだな。この書類の仕分けを手伝ってくれると嬉しいかな。なにせ量が多くてねぃ」
淳平「分かりました」
そして、俺は机の上の書類を『ガサッ』と半分ほど取り、応接用の机に持っていき仕分ける。
2人で黙々とやっている中、沙知先輩が俺に声をかけてきた。
沙知「ジュンペイ、スクールアイドルクラブは最近どうだい?」
淳平「雰囲気はいい感じですよ? ただ、綴理と慈がまだ沙知先輩に対してイラついてる感はありますけど」
沙知「はは……。やっぱりかい」
沙知先輩は苦笑するが、
淳平「沙知先輩、やっぱり言ったらダメですか?先輩がそんなふうに思われてるの俺イヤなんですけど。アイツラなら、本当のことを知れば分かってくれると思うんですけど……」
俺が作業の手を止めてそう言うが、
沙知「いや、良いんだ。あの子たちを見捨てるようなことをしたんだ。アタシは嫌われて当然なんだから、そのままでいい」
淳平「でも、沙知先輩の気持ちをアイツらは知らないままじゃないですか!」
沙知「良いんだ。あのとき、理事長の孫娘としてアタシが生徒会長やるしか無さそうだったし。どのみちやめるのに悲しい、苦しいなんて、ムカつくだろう?」
淳平「先輩………」
沙知「それに、アタシはひとりじゃないからさ。結果論だけど、ジュンペイがこうして一緒にいてくれる。おかげでアタシは、一人にならずに済んでる……」
淳平「…………………」
沙知「ほら、手が止まってるぞ」
淳平「……はい」
再び作業を始める俺。
すると、
沙知「でも、そもそもなんで淳平はあたしを手伝ってくれるんだい?」
この人は……
淳平「あんな悲痛な思い聞いたら、嫌えるわけないでしょ。手伝うのなんか当たり前ですよ……。それに……」
沙知「それに?」
淳平「なんでもないです……///」
沙知「おやぁ〜?顔がなんか赤くなってないかい?なんか浮ついた話の予感がするねぃ」ニシシ
淳平「ほら、仕事しますよ////」
沙知「こっちの書類は今終わったよ」
そして、沙知先輩が俺の座る応接用の椅子に並んで座る。
淳平「っ!」
沙知「ほ〜ら、何を考えてたんだい?」ツンツン
イタズラめいた視線を向けながらつついてくる沙知先輩。
あ~もう!この人は!!
淳平「……き だからですよ」
沙知「え?」
淳平「好きだからですよ!沙知先輩の事が!!」
沙知「ふぇっ!?///」
その瞬間、沙知先輩の顔が真っ赤になる。
沙知「ふ…ぇっ……ええ?///// ほ、本気かい……?////」
淳平「冗談だったら悪趣味すぎるでしょ?俺、先輩の目から見てそんな後輩でした?////」
ヤバい。顔が熱い……
沙知・淳平「「………………」」
しばらく、ふたりが無言になる。
沙知「な、なんでだい? だって、アタシは……」
淳平「沙知先輩は、考え方が逆なんですよ」
沙知「へ?」
淳平「俺は、たまたまだけど……沙知先輩から全部聞いたから、怒りも収まったし、それどころか助けたいと思ったんです。一緒に仕事してるうちに、部活では見られなかった色んな一面も知れたし。好きになるのにそんな時間はかかりませんでしたよ……////」
沙知「………………」
淳平「沙知先輩、せめて梢たちには、辞めた時の抱いてた気持ちを正直に話してください。でないと、一生恨まれたまま、卒業する事になっちまいますよ!! そんなの、悲しいじゃないですか!!」
沙知「ジュンペイ………」
沙知先輩は、観念したように、
沙知「分かったよ……」
そしてその日の仕事を終えて、俺は綴理、慈、梢を寮の前の噴水のところに呼び出した。当然、沙知先輩もいる。
綴理「……………」
慈「なんで、沙知先輩がいるの?」
梢「淳?」
淳平「ほら、沙知先輩」
沙知「うん……みんなに、去年の、アタシが辞めたときのことで話したいことがあるんだ」
すると、綴理と慈が戻ろうとするが、俺が腕を掴んで聞くように強制する。
二人は渋々聞こうとする。
そして、沙知先輩は去年の辞める時の気持ち、辞めると決断して、決して平気だったわけじゃない。辞める時に、部室でひとり泣いていたこと。俺が偶然それを目撃し、俺にだけは全部話しており、俺が黙っていたのは沙知先輩に言われたからだった事も話した。
綴理と慈は、沙知先輩が辞めたとき、スクールアイドルクラブを『あっさり』辞められた。自分たちを『簡単に』置いて行ったと思っていたから怒っていた訳で……そうではなかったと沙知先輩の口から言われれば。
綴理も慈も、沙知先輩があっさりと辞めたわけでも、辞めて平気だったわけでも無かったことが分かり、誤解は解けてそれは良い。
だが、そんな辛い思いを自分1人で抱え込んでなんで私たちには言ってくれなかったのかと沙知先輩に詰め寄る3人。
………結果、俺も巻き添えになった。
結局、あの後沙知先輩は、『生徒会の仕事のあいてる時間で練習を観に来るように!』とめぐから言い渡され、沙知先輩は涙を浮かべながら笑って、『分かったよ…』と、甘んじて受け入れた。
こうして、沙知先輩と2年生は和解した。
……慈たちが寮に戻った後、沙知先輩と俺はしばらく噴水のところに座っていた。
沙知「ありがとう……ジュンペイ」
因みに今、俺は寝転がって沙知先輩に膝枕されていた。沙知先輩は、やさしく俺の髪を触りながら撫でてくる。
淳平「いえ、俺のわがままみたいなもんだったし」
沙知「それでもだよ……//// ああ……ホントに…困ったねぃ…///」
沙知先輩の顔が真っ赤になってる。
淳平「先輩?」
沙知「ジュンペイ……キミ、アタシのこと好きだって言ったね?」
淳平「はい」
沙知「……なら、ちゃんと責任取ってくれよ?////」
淳平「っ! じゃあ!」
沙知「……うん// これから、お願いね。ジュンペイ……」
淳平「っ!」ガバッ!
俺は沙知先輩……沙知の小さな身体を優しく抱きしめ、見つめ合うと唇を重ねた。
後日、沙知先輩と付き合うことになったのをみんなに報告したらみんなに泣かれた。
どうした?
〜 ifルート・完 〜
この時の淳平はまだみんなの気持ちに気づいてないので最後の『どうした?』は、みんなも淳平のことを好きなことを知らないが故です。
前書きに書いた通り沙知先輩ルートはすごく書きたかったので満足です
感想・評価よろしくお願いします!!