今日はなんとか治ったので投稿します。
スクールアイドルとゲーム、2つが同じくらい大切な物になってしまった弊害で、両者が干渉しあい集中できなくなってしまった姫芽ちゃん。
俺とめぐのアイディアで、ならいっそ好きを増やしてひとつひとつの影響を薄めてしまおうという手に出ることにする。
その日の夜、姫芽ちゃんはめぐの部屋でめぐの好きな事を参考までに教えてもらう。
慈「というわけで、メンバーにはジュンが連絡してくれたみたいだよ。みんなから"了解"の連絡来たから」
姫芽「ありがとうございます〜!淳平せんぱいにも明日お礼を言います。でもまずは、やっぱりめぐちゃんせんぱいとるりちゃんせんぱいの好きなことを知りたいです〜!」
慈「まあ、そうだろうね!って言っても、姫芽ちゃんが知らなそうなこと、なんかあったかなあ」
慈が考え込む。
姫芽「ブティック巡り、配信、カフェ巡り………」
慈「やっぱり全部知られてるような……。そもそも、しょっちゅう連れ回してるしね!」
慈がどうしようかと頭を悩ませていると、
姫芽「あっ!」
何かを思いついた姫芽ちゃん。
慈「お、なにかあった?」
姫芽「"天使ちゃん"!」
慈「あー、ギターかー。なるほどねー。天使ちゃんの名前を知ってる辺りはさすがだねえ。直接言ったことなかったよね!」
"天使ちゃん"というのは、慈が愛用しているアコースティックギターの名前である。
姫芽「はい〜!ちゃんと配信で知りました〜」
慈「ちゃんとってなに」
姫芽「そりゃあもう、いちみらぱ!好きとして!」
慈が「アハハ……」と苦笑いする。けど、候補が見つかったようだ。
慈「よっと………。それじゃあ、弾いてみよっか」
姫芽「えっ、いいんですか〜?」
慈「私の好きを知ってもらうためには、実際やってみるのがいちばん。ほれほれ」
姫芽ちゃんにギターを持たせて、弾く時の基本の姿勢を教える慈。
姫芽「し、失礼します〜……………」
ギターを、恐る恐る触ってみる姫芽ちゃん。
姫芽「アタシ、楽器触ったことなかったので……初めてで緊張しております………!」
慈「あ、そうなんだ?わ、めっちゃ手震えてる!」
姫芽「こ、このまま指で……いや、歯で………?」
慈「歯なんて使わないよ! 変な漫画の見すぎ!現実で誰がやるのそんなの!」
姫芽「え、こずえせんぱいとか……?」
慈「確かにあいつはギター上手いけど!さすがに使わない……はず!使ってたら私が見たいけど!」
梢が聞いていたら「使うわけ無いでしょ!?」とブチギレられそうな会話をする2人。
慈「まったく。はい、ピック持って。それからネックをこうして……」
慈がギターの基本の手の置き方を教える。
慈「ここをしっかり押さえて。ちょっと指痛いかもだけど頑張って」
姫芽「ひゃ、ひゃい」
慈「で……………って、姫芽ちゃん?」
姫芽「めぐちゃんせんぱいと天使ちゃんに挟まれている……幸せ………………」
慈「ちがーう!それはただ私のことが大好きなだけだ!」
恍惚とした表情の姫芽ちゃんに突っ込む慈。
姫芽「で、では。ううううう天使ちゃんごめんねえ〜」
慈「どういう感情だ……………」
なんとかピックで優しく弦を弾いて音を出してみる姫芽ちゃん。
音が鳴った事に反射的にビクッとする。
姫芽「わっ!音がでました!」
慈「そりゃあ出るよ。今弾いたんだから。でも、ただなんとなくやるよりは、気持ち?目標?みたいなのが、あったほうがいいよね」
慈「たとえば私は、もともとテレビの企画で触ったのが最初だったんだよね」
姫芽「!」
慈「でも、ギターって弾けたらかっこいいじゃん?オトナっぽく見えるじゃん?それで、ひとりで練習始めたんだけど。やってくうちに、なんかね、わかったんだ。あ、私って音楽好きだったんだな、って」
姫芽「おお……!」
慈のギターを始めた最初の話に感激する姫芽。
慈「私がテレビに出始めた時は、もうるりちゃんは引っ越しちゃってたから。ほら、引っ越したるりちゃんを励ましたいとおもって子役になろうとしたからさ、私。だからギターはジュンに聞いてもらったりしてたんだけど、結構好評でさ」
慈「歌もダンスも目立てるからやってたつもりだったけど、ギター弾いてる時間も、楽しくてさ。姫芽ちゃんはどう?音楽、好き?」
姫芽「好きです!スクールアイドルの曲も、ゲーム音楽も、好きです〜!」
姫芽ちゃんの笑顔に、余計に優しい気持ちになる慈。
慈「よーし。じゃあ楽器を弾く楽しみを追加してあげよう。なんか弾いてみたい曲とかない?」
姫芽「それなら、やっぱりみらくらぱーく!の曲が良いです!」
慈「いいじゃんいいじゃん。イントロだけでも弾けると楽しいよ。できそうなのだと………やっぱり『マハラジャンボリー』とかかな? あれいちおう最初ギターだし」
慈「てれれれてれれれ てん てれれれれてん」
『マハラジャンボリー』のイントロを口ずさむ慈
姫芽「わあ、なんか弾いてみたくなってきました!」
慈「ふふふふ。それじゃ慈おねーさまが、魔法をかけてあげるよ。ほら、最初の指でここを押さえて……………鳴らす!」
弦を順番にゆっくりと弾いていく姫芽ちゃん。ゆっくりとだが、イントロの通りに音が出る。
姫芽「! ほんとだ! めぐみおね〜さま!アタシ、やれそうです!」
慈「よろしい!では、レッスンを始めましょう。指痛くなっても、泣かないように!」
姫芽「頑張ります!!」
そして、しばらく慈のギターレッスンを受ける姫芽ちゃん。1時間ほどした頃には、
姫芽『〜♪』
姫芽「あ……できたー!!」
自分の力で、イントロの通りに音が鳴らせた。まだまだ荒削りではあるし、メロディも短いが、たったの1時間でコレだけ弾けるのは凄いことだ。
慈「やるじゃーん!お前も天才かー?」
姫芽「え〜へ〜へ〜。めっちゃ楽しいです〜。このまま全部弾けるようになりた〜い………………!」
慈「お、モチベ上がったね。良いことだ」
姫芽「はい〜!さっきはめぐちゃんがイントロ歌ってくれましたけど、めぐちゃんが歌ってるのに合わせて弾きたいなって、すっごく思って〜!」
笑顔でそう言う姫芽ちゃん。
慈「…………好き、増えたんじゃない?」
この時の慈は、慈愛に満ちた表情をしていたそうな。
姫芽「あ……そうかもです!」
慈「ふふ。セッション、楽しみにしてるよ」
姫芽「はい!………………めぐちゃんせんぱい!」
すると姫芽ちゃんは、
姫芽「天使ちゃんをアタシにください!」
慈「ダメだよ!貸すだけだからね!?」
少しハマり掛けて暴走気味になった姫芽ちゃんだった。
ー つづく ー
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