蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第69話:みんなの好きな物 瑠璃乃+その他

姫芽ちゃんが慈の好きな事を教えてもらった翌日、その日は土曜日で学校が休みの日だったため、今日は瑠璃乃の好きな物を教えてもらうために、一緒に海の方にある釣り堀に来ていた。

 

瑠璃乃「さあ、今日は一緒に楽しもっか」

 

姫芽「わぁ〜……釣り堀って初めて来ました〜。なんだか今からわくわくしてます〜。釣れるといいな〜」

 

姫芽ちゃんはワクワクしながらそう言う、

 

瑠璃乃「まあ、ルリもあんまり人を連れてこないからね。一度小鈴ちゃんと行こうかって話もしたんだけど、なかなかタイミング合わなくてさー」

 

姫芽「小鈴ちゃんとですか〜?」

 

瑠璃乃「うん。ぶっちゃけ言うとさ、魚とかエサとかを触れるかどうかって人によるんだよね。ひめっちも餌の虫を触るのが無理そうならルアー使うし、魚に触れなかったら針抜くのとかもルリがやるよ」

 

姫芽「へええ〜、やっぱり小鈴ちゃんは実家が漁師だから……」

 

瑠璃乃「たぶんね。小鈴ちゃんはその辺全然抵抗ないから。さすが漁師一家って感じ」

 

姫芽「確かに。小鈴ちゃん、虫とかも全然平気ですしね。この前も、クワガタさん捕まえられなかった一、って聞きました」

 

瑠璃乃「捕まえられなかったんかい」

 

突っ込む瑠璃乃。

 

姫芽「アタシもとりあえずやってみます!!」

 

瑠璃乃「ん、おっけー。じゃあひとまずいつも通りやるね」

 

そして、針に餌を付けて海水に垂らす2人。のんびり待つだけのゆったりとした時間が流れる……。

 

姫芽・瑠璃乃「「……………」」

 

そして、恐らく1時間程が経過した頃。

 

姫芽「あの」

 

瑠璃乃「ん?ちょっと退屈?」

 

姫芽「あーいや、えっと。」

 

そして、二人に沈黙が流れる。

 

瑠璃乃「ごめんねえ。あんまり大きな声出すと逃げちゃうんだ、魚が」

 

姫芽「あ、すみません、お気遣いを。…………そうじゃなくてその……るりちゃんせんぱい、楽しそうだな〜って」

 

瑠璃乃「楽しいからねー。いつ釣れるかなーって思ってるのもそうだけど、なんか途中で考えてることが全然違う方向にいったりして………。今は次どんな曲やりたいかなーとか考えてたよ」

 

姫芽「なるほど……るりちゃんせんぱいは、ぼーっとするのが好きなんですか〜?」

 

瑠璃乃「えっ、あ。そうです、ごめんね……」

 

謝る瑠璃乃。すると姫芽ちゃんは慌てて、

 

姫芽「えっ。違うんです違うんです〜!めぐちゃんせんぱいの好きなことを知って、アタシ思ったんです〜!」

 

姫芽「どうしてその"好きなこと"が好きなんだろうって」

 

瑠璃乃「ほっ……そーゆーことかー。そだなー、なんで釣りが好きなのか……………、ゆっくりした時間を感じるのが、まず好き」

 

姫芽「ゆっくりした時間……………?」

 

よくわからないのか、首を傾げる姫芽ちゃん。

 

瑠璃乃「当たり前だけど、いつも慌ただしいじゃん?やらなきゃいけないことも、やりたいこともたくさん。でも、ここはそうじゃないんだ。静かで、落ち着いてる」

 

瑠璃乃は空を見上げる。空には青空の中、風でゆっくりと雲が流れていた。

 

瑠璃乃「さっきは左にあった雲が流れていって、手に当たってた日差しが膝に当たって………。普段は授業受けてる時間が、ぼーっとしてるだけで流れてく」

 

姫芽「日差し………」

 

瑠璃乃「それから……自分で釣った魚は、不思議と美味しいよ。待った時間の分もあるのかなあ」

 

姫芽「なる、ほど……」

 

瑠璃乃「ま、それは釣ってみないと分からないかも。ぼーっとしてると、ふとした時に竿が引いて……そこでふっと我に返るのも好きなんだ」

 

姫芽「へえ………まだ釣れませんね〜」

 

瑠璃乃「うーん……。全然ピンと来なかったら、ごめんね」

 

そしてそのまま時間が流れていき、太陽が西の空に沈みかけた夕方頃までゆったりと過ごすが、当たりは来ない。

 

だが、ここで!

 

バシャバシャ!

 

水面が何かに弾かれるように波打つ。

 

姫芽「おっ!?なんだ!?」

 

瑠璃乃「魚だよ!きたっぽいね!リールに手ぇ当てて、抑えながら、そうそう。糸張らせないで軽く巻いて………」

 

姫芽「そっかアタシ釣りしてたんだった!うおおおお!」

 

リールを巻いていく姫芽ちゃん。すると、

 

バシャッ!

 

水面から、魚が顔を出した。

 

姫芽「お、おお……!?」

 

瑠璃乃「あはは。やったね。コレは……アジだね」

 

姫芽「あっ……はい!るりちゃんせんぱい」

 

瑠璃乃「ん?」

 

姫芽「釣り、楽しいです〜!」

 

瑠璃乃「お、おお。退屈じゃなかった?」

 

姫芽「最初の方は、るりちゃんせんぱいの言ってること……ほんとはよく分かんなかったんですけど。釣れた時に笑い合えて、なんか達成感が分かち合えたというか!」

 

瑠璃乃「お、なるほど。そこが良かったんだね」

 

姫芽「はい〜。るりちゃんせんぱいの好きとは、また違うかもですけど……アタシ、誰かと一緒にだったら、また何度だって来たいなって思いました〜!」

 

瑠璃乃「…………そっか。なら、良かった」

 

瑠璃乃は優しい顔で姫芽ちゃんを見る。

 

瑠璃乃「それじゃあ、もうひとつのお楽しみと行こうか。きっと美味しいよ」

 

姫芽「はい!」

 

そして、瑠璃乃と姫芽ちゃんの2人で、姫芽ちゃんが釣ったアジを塩焼きで頂いたという。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

翌日からまた他のみんなの好きな物を教えてもらう姫芽ちゃん。

 

花帆は読書。

 

吟子ちゃんは趣味の刺繍。

 

綴理は寝転がって日向ぼっこでのんびり。

 

小鈴ちゃんはチャレンジ。

 

梢は筋力トレーニング。

 

淳平は朝の散歩。

 

と、みんなそれぞれだった。

 

もちろん、慈と瑠璃乃にしたように、みんながなぜそれを好きなのかを聞き、そこに着目しながらやってみたら、意外と姫芽ちゃんは楽しくやれたらしい。

 

 

そして次の日の朝、姫芽ちゃんは早起きしてさやかの部屋に向かった。

 

 

ー つづく ー




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