3年生に勝負を挑んだ1年生。案の定ボコボコにされて部室で休んでいた。
吟子「だから言ったのに………」
小鈴「大先輩の壁は、鼓門よりも高かったねぇ……」
淳平「まったく、無茶しすぎだよ……」
姫芽「うう〜……」
1年生はかなり落ち込んでいた。ふむ……。
淳平「最近のダンス見てて、俺が思ったこと言っていいか?」
吟子「っ! お願いします!」
小鈴「どんな些細なことでも!!」
姫芽「ですです〜!」
淳平「お、おおう。じゃあ……3人はさ、お互いのパフォーマンスの特徴とかちゃんと頭に入ってるのかな?って」
吟子「特徴……ですか?」
淳平「うん。例えばフリの大きい子のあとに出てくるなら違和感をなくすために後の子も少し大きいフリで出る……とか」
姫芽「な、なるほど!!」
淳平「まぁ、練習してお互いに理解を深めるしかないんだけどさ」
吟子「でも、私たちだけでは糸口すら見えなかったので……助かります」
役に立てたなら何よりだ。
淳平「うん。じゃあ頑張ってね」
吟子・小鈴・姫芽「「「はい!!!」」」
そして、3人は街の公園までやって来た。最近はラブライブ!の大会が近いからか、近所の高校のスクールアイドルと思われる女の子たちもダンスの練習をしていた。
姫芽「じゅんぺー先輩すごいなぁ……。お陰で糸口は見えたよね〜。
吟子「そうだね」
姫芽「自分たちよりレベルの高い相手に挑むってことは、ふつーにやっても勝てないわけだからさ〜。あらゆる武器を駆使して、ぶつからなきゃいけないってこと。でも、武器の性質を理解してなかったら話にならないし……」
小鈴「さすが姫芽ちゃん。学生チャンピオンだけあって勝負ごとでは、いちばん頼りになる!」
吟子「そうだね。アレコレ言っちゃったけど、姫芽がいてくれて心強いよ。ありがと」
姫芽「のーぷろぶれむ〜」
吟子「まあ。それはそうとして、自主練もやらなきゃね。この辺り、かな」
姫芽「ダンスやってる人、けっこ〜いるね〜」
周囲を見渡しただけでも、10近くの集まりがダンスしていた。
吟子「あー……やっぱり、ラブライブ!大会が近いから、かな。近くの高校の子、とか?」
すると、小鈴の目に1つのグループが留まる。
小鈴「ねえねえ、あの人たち、すっごくうまいよ!」
姫芽「えっ、ダンスうま〜!あの人たちも高校生〜?」
吟子「いやいや、さすがに違うでしょ。てか、あの端っこの人……すごい」
小鈴「わ〜…………綴理大先輩ぐらいキラキラしてるかも……。と、とんでもない………」
吟子「フォーメーションも、上手……………」
世の中にはこんなに上手い人がいるのかと呆気にとられる3人。
姫芽「アタシたち、目指すはアレだね〜」
小鈴「んしっ。じゃあ、パート切り替えの部分を重点的に特訓っ。やろ〜!」
そして、スマホを三脚に固定して撮影しながらダンスを一通り踊る3人。一曲終わり撮影したものを見る。
吟子「撮ったの再生するよ」
吟子ちゃんが再生すると……、
姫芽「ん〜……」
吟子「………なんかやっぱり、うまくないね」
姫芽「せっかく三年生のせんぱいとバトったのににゃあ……」
小鈴「で、でも、ふたりとも表情が真剣で、ばっちり決まってるよ!」
吟子「いや、こんなときにまで良かった探ししてくれなくていいから、小鈴。やっぱり、お互いのパフォーマンスの特徴を頭に入れないとダメってことかな?」
すると、
?「おっ、分かってたのか。問題は、お互いのストロングポイントを把握していないことだって」
吟子・小鈴・姫芽「「「え!!?」」」
突然背後から声をかけられて驚く3人。3人の後ろから、さっきのダンスが上手かったグループの、大学生くらいの見た目のお姉さんが立っていた。
?「やあ」
小鈴「あっ、さっきのダンス上手なおねえさん!」
?「っふふ。褒めてくれていたね。どうもありがとう」
姫芽「めちゃめちゃすごい連携でした〜!いいチームですね〜!」
?「チーム?ああ、確かにいい子たちだったけどね。でも、きょう会ったばかりだよ」
小鈴「え!?」
?「ちょっと暇していたから、混ぜてもらっていたのさ。おかげで、いい汗が流せた」
小鈴「会ったばかりで、あんなに複雑なフォーメーションを……?徒町、仰天です!」
小鈴が驚いていると、吟子が、
吟子「……あの」
?「うん?」
吟子「どういうことですか?問題は、って」
?「おっと、ごめんごめん。余計な口出しをしちゃったね」
銀河は慌てて否定する。
吟子「あ、じゃなくて!私たち、どうしてもこの曲を仕上げなきゃいけなくて。気づいたことがあれば、言ってほしいんです。どんな些細なことでも」
?「ふむふむ。なるほど、なにか事情があるみたいだね。それじゃあ、お姉さんからはひとつだけ。お互いの長所と弱点。つまり、ストロングポイントとウィークポイントを知ることだ」
小鈴「それって、淳平先輩が言ってたお互いのパフォーマンスの特徴ってやつですか?」
?「おっ、いい先輩が居るみたいだね。そのとおりだ」
?「理解が深まれば、おのずとお互いを活かす動きが意識できるようになるんだよ。例えば、ひとつの劇のように……」
?「舞台上には役割をもった様々な演者がいる。自分がどの配役を演じることがもっとも劇団にとって貢献できるのか。長所も弱点もわからなければ、決めることは難しいだろう?」
小鈴「はい。そうだと思います!」
?「ステージも一緒だよ。皆で作り上げる物語に変わりないと、私は思っているよ」
すると、お姉さんのスマホが鳴り、
?「ああ、ごめん。呼ばれちゃったから行くね。応援しているよ、がんばって」
そしてお姉さんは行ってしまった。
吟子「お互いのストロングポイントと、ウィークポイント……」
姫芽「ね〜……」
小鈴「お芝居に例えてくれたの、徒町はすっごくわかりやすかった!そうだよね、やっぱり綴理先輩にはかっこいい役をやってほしいし、さやか先輩は大人っぽい役が似合うもんね!」
吟子「私はあの映画のとき、かわいい役をやらされたんだけど…………」
小鈴「でもなんだか、姫芽ちゃんの言ってることとも近かったよね。淳平先輩はそのままだったし」
吟子「あ、確かに。あらゆる武器を駆使してって、それってつまり自分たちの持っている武器。ストロングポイントってことだもんね」
姫芽「ん〜、なるほど〜……………。つまり、勝負するにしても、どこをどのように意識するかによって、伸び方がぜんぜん変わってくるってことで〜……」
姫芽「よーしふたりとも〜!明日からまた、バトルの続きやろ〜!」
姫芽「お互いのストロングポイントを、把握して、ばっちり活かせるように猛特訓だ〜!」
吟子「う、やっぱりそうなっちゃうんだ」
小鈴「徒町も賛成だよ!でも、ウィークポイントすらも逆に活かすことができたら、もっとすごくなりそうじゃない!?」
吟子と姫芽は顔を見合わせる。
姫芽「そだね〜。でもとりあえず今は、あがくしかないっしょ〜?」
吟子「…………それは、そう。あ、でもちょっとレベルは下げようね!三年生は、強すぎるっていうか!」
姫芽「ふっふっふ、おっけ〜。ストロングポイントを発揮する前に負けちゃ、意味ないもんね〜。………よっしゃ〜〜〜!バチバチに火花、散らしちゃお〜〜〜!!」
吟子「…………やっぱりこれ、ただ戦いたいだけじゃ?」
小鈴「あ〜……………そうかも?」
苦笑いする二人だった。
ー つづく ー
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