蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第81話:ふと思う……

それから数日が経った夕暮れ時、部活動終了時刻が近づき、3年生は部室を閉めるところだった。

 

梢「戸締りしていくから、ちょっと待っていてね」

 

梢が分室の窓を閉めて、扉に鍵を掛ける。すると、外から声が聞こえてきた。

 

綴理「あ、今、かほの声」

 

慈「え?聞こえた?」

 

綴理「うん。だいはちばとる一、って」

 

淳平「あいつら、まだやってんのか……」

 

もうすぐ終了時刻なんだけどな……。まあ、やらせてやりたい気もするけど……。

 

梢「お待たせ。……なにか話してた?」

 

慈「ねえねえ、梢。私たちが今みたいに言い合えるようになったのって、いつからだっけ?」

 

めぐの問いかけに、梢は素直に言いたくないのか、

 

梢「……………覚えていないわね、そんな大昔のこと」

 

慈「はぁ、これだよスリーズブーケ。素直なのは花帆ちゃんひとりかー」

 

梢「なんなの……。だいたい、私たちが一年生の頃より。今の一年生たちのほうがよっぽど仲良しさんでしょう」

 

淳平「そりゃあそうだな。俺は誰かさんから敵視されてたし……」

 

淳平が梢にいたずらを仕掛けると、

 

梢「あんまり言わないでよ……」

 

慌てる梢。

 

やり過ぎたかな……?

 

淳平「悪い。冗談だ……」

 

梢「もう………」

 

綴理「でも、こずとめぐは、声の大きさでは負けてなかったよ?」

 

慈「仲良しの基準は、ボリュームじゃあないんだよ」

 

綴理「そうなんだ」

 

すると、

 

梢「でも……そうね。親密な関係にはほど遠かったけれど、違う関係性はあったかもしれないわね。綴理も、その実力に関しては、疑いようもなかったから。ステージの上では、心強かったわ」

 

淳平「たしかにな」

 

慈「……………」

 

めぐがジッと梢を見つめる。

 

梢「………なに」

 

慈「やればできるじゃん「」

 

梢「〜〜っ!なぜ上から目線なのかしら!」

 

綴理「すずもぎんもひめも、もう少しビッグボイス選手権を開いた方がいいんじゃないかな。こずとめぐを見習って」

 

淳平「綴理?こういうのは、反面教師って言うんだぞ?」

 

慈「まー、確かにちょっといい子過ぎるかなー、って思うときはあるけどね」

 

梢「私たちの代に比べたら、みんなそうでしょう……」

 

綴理「こずはがんばってたよ」

 

梢「あなたたちも含まれているのよ!はぁ、まったく……ふふ。もう。先輩になったって、いつまでも変わらないんだから。あなたたちは…………」

 

淳平「……楽しみだな、竜胆祭」

 

慈「そのあとの、ラブライブ!予選大会もね!」

 

そんな話をしていると、外から……

 

花帆『じゃあじゃあ、だいきゅうばとるー!』

 

慈「お、今のは」

 

綴理「ね、見にいく?」

 

梢「というか、もう下校の時間ね。せっかくだから声をかけていきましょうか」

 

淳平「そうだな」

 

淳平は近くの窓を開けて花帆たちに呼びかける。

 

淳平「お前らー!続きは明日!!帰る時間だぞ!!」

 

吟子・小鈴・姫芽・花帆・さやか・瑠璃乃『はーーい!!!』

 

慈「あの子たちにとっては、初めての竜胆祭。余計なプレッシャーとか感じずに、楽しんでくれたらいいんだけど、そーゆーわけにもいかないかな」

 

綴理「………ボク、余計なこと言っちゃったかな」

 

梢「なに言ってるの。あなたは、あの子たちならできると信じてるから、ああ言ったんでしょ」

 

慈「そだね。期待される側は、案外嬉しいもんだよ。知ってるでしょ?」

 

綴理「うん…………。うん、ありがと、めぐ。こず」

 

綴理「竜胆祭、楽しみだね」

 

 

ー つづく ー




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