それから数日が経った夕暮れ時、部活動終了時刻が近づき、3年生は部室を閉めるところだった。
梢「戸締りしていくから、ちょっと待っていてね」
梢が分室の窓を閉めて、扉に鍵を掛ける。すると、外から声が聞こえてきた。
綴理「あ、今、かほの声」
慈「え?聞こえた?」
綴理「うん。だいはちばとる一、って」
淳平「あいつら、まだやってんのか……」
もうすぐ終了時刻なんだけどな……。まあ、やらせてやりたい気もするけど……。
梢「お待たせ。……なにか話してた?」
慈「ねえねえ、梢。私たちが今みたいに言い合えるようになったのって、いつからだっけ?」
めぐの問いかけに、梢は素直に言いたくないのか、
梢「……………覚えていないわね、そんな大昔のこと」
慈「はぁ、これだよスリーズブーケ。素直なのは花帆ちゃんひとりかー」
梢「なんなの……。だいたい、私たちが一年生の頃より。今の一年生たちのほうがよっぽど仲良しさんでしょう」
淳平「そりゃあそうだな。俺は誰かさんから敵視されてたし……」
淳平が梢にいたずらを仕掛けると、
梢「あんまり言わないでよ……」
慌てる梢。
やり過ぎたかな……?
淳平「悪い。冗談だ……」
梢「もう………」
綴理「でも、こずとめぐは、声の大きさでは負けてなかったよ?」
慈「仲良しの基準は、ボリュームじゃあないんだよ」
綴理「そうなんだ」
すると、
梢「でも……そうね。親密な関係にはほど遠かったけれど、違う関係性はあったかもしれないわね。綴理も、その実力に関しては、疑いようもなかったから。ステージの上では、心強かったわ」
淳平「たしかにな」
慈「……………」
めぐがジッと梢を見つめる。
梢「………なに」
慈「やればできるじゃん「」
梢「〜〜っ!なぜ上から目線なのかしら!」
綴理「すずもぎんもひめも、もう少しビッグボイス選手権を開いた方がいいんじゃないかな。こずとめぐを見習って」
淳平「綴理?こういうのは、反面教師って言うんだぞ?」
慈「まー、確かにちょっといい子過ぎるかなー、って思うときはあるけどね」
梢「私たちの代に比べたら、みんなそうでしょう……」
綴理「こずはがんばってたよ」
梢「あなたたちも含まれているのよ!はぁ、まったく……ふふ。もう。先輩になったって、いつまでも変わらないんだから。あなたたちは…………」
淳平「……楽しみだな、竜胆祭」
慈「そのあとの、ラブライブ!予選大会もね!」
そんな話をしていると、外から……
花帆『じゃあじゃあ、だいきゅうばとるー!』
慈「お、今のは」
綴理「ね、見にいく?」
梢「というか、もう下校の時間ね。せっかくだから声をかけていきましょうか」
淳平「そうだな」
淳平は近くの窓を開けて花帆たちに呼びかける。
淳平「お前らー!続きは明日!!帰る時間だぞ!!」
吟子・小鈴・姫芽・花帆・さやか・瑠璃乃『はーーい!!!』
慈「あの子たちにとっては、初めての竜胆祭。余計なプレッシャーとか感じずに、楽しんでくれたらいいんだけど、そーゆーわけにもいかないかな」
綴理「………ボク、余計なこと言っちゃったかな」
梢「なに言ってるの。あなたは、あの子たちならできると信じてるから、ああ言ったんでしょ」
慈「そだね。期待される側は、案外嬉しいもんだよ。知ってるでしょ?」
綴理「うん…………。うん、ありがと、めぐ。こず」
綴理「竜胆祭、楽しみだね」
ー つづく ー
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