あれから数日後、いよいよ今日は竜胆祭の当日。続々とおきゃくさんが入ってきており、俺と花帆は来ると言っていた花帆の家族迎えに校門まで来ていた。
淳平「あっ、来たぞ花帆」
花帆「うん!ふたば〜!みのり〜!」
花帆が妹を呼ぶと、2人は走ってこっちに来た。
すると、
ふたば・みのり「「淳兄ぃ!!」」
花帆を素通りして俺の方に抱きついてくる2人。
花帆「………………」
花帆が微妙な顔をしている……。
淳平「久しぶりだな、二人とも。ほら、お姉ちゃんは良いのか?」
みのり「わかってる〜」
ふたば「チョットからかった」
いたずらっぽく笑う2人。
花帆「もう!……よく来たね。ふたば、みのり。ここがお姉ちゃんとお母さん、淳兄ぃの母校だよ!」
ふたば「ほんとに山の中にあるんだね!」
みのり「まわり……なんにもないね」
花帆「でもいいところなの!ね?」
淳平「ああ。いい学校だよ?」
2人は「へ〜」と興味津々。
すると、
みのり「そういえば、お姉ちゃんフラれたんだっけ?」
ふたば「みのり……」
花帆「うぐっ!?」
2人の容赦ない言葉に花帆は大ダメージを受ける。
花帆「うん……。淳兄ぃの幼馴染の人に取られちゃった」
ふたば「そっか〜」
みのり「幼馴染……強敵だったんだね」
淳平「ごめんね。花帆が嫌いなわけじゃないんだけどね」
ふたば「ううん。それは仕方ないって分かってるし」
みのり「むしろ、あのメンバーとお姉ちゃんが対等に戦ってたのがビックリ……」
スクールアイドルクラブのメンバーを知っているということは、2人は配信を観てくれているらしい。
花帆「酷くない!?」
中々辛辣だな……。
まったく、
淳平「じゃあ二人とも、今日は楽しんでいってね?」
ふたば・みのり「「うん!行ってくるね!」」
そして、2人はおばさんと一緒に校舎に入って行った。
花帆「もう、2人は……。さてと、久しぶりだね、せっちゃん!」
花帆は、二人と来ていたもう一人の女の子に声を掛ける。
せっちゃん「うん、久しぶり。200年ぶり……ぐらい?」
花帆「2年ぶりかな!?」
中々面白い子だな……。
花帆「来てくれてありがとう。来年高校生だっけ?大きくなったよねえ。あとあと、元気になった!あたしも嬉しいなあ」
せっちゃん「わたしも。おばさまに、花ちゃんの学校の文化祭に行くから、どう?って誘ってもらって。つい、のこのこと来ちゃった……」
花帆「いや、来てくれていいんだよ!?誘われたんだから!」
すると、
せっちゃん「ふたばちゃんとみのりちゃんね、この日をずっと楽しみにしてたみたいなんだよ。将来、自分たちもいつか蓮ノ空に入るんだー、なんて言っちゃって」
花帆「ふっふっふ。つまり、お姉ちゃんがいかに勉強をがんばったのか、わかるってことだね!」
せっちゃん「ふふふ、そうかも。 ね、花ちゃん。文化祭、案内してくれる?」
花帆「もっちろん!きょうは、せっちゃんの笑顔を、いーっぱい咲かせちゃうんだから!」
そして、花帆とせっちゃんと呼ばれた女の子も、一緒に校舎に入って行った。
その頃―――、
姫芽「んふふふふふふ…………!」
姫芽「ついにこの日がやってきました…………竜胆祭、本番ステージ……けど、その前に〜!」
小鈴「模擬店やるぞ〜!」
吟子「やる気だね、ふたりとも……」
スクールアイドルクラブ1年生の模擬店は、"あんみつ屋"だ。
小鈴「うんっ。だって吟子ちゃんとは別のクラスなのに、こうして一緒にお手伝いできるの、楽しみ!」
姫芽「それにそれに〜、きょうが二年生との第二十バトル目―――、最終試合だからね〜!」
吟子「いっぱいやったなあ、私たち………」
染み染みと呟く吟子。
姫芽「こっちはあんみつ屋さん。そして向こうはクレープ屋さん。集客勝負で、勝った方が勝ち〜!」
小鈴「そのために、3人で同じ時間帯にシフトかぶらせてもらったんだから!」
姫芽「これまでの修業の成果を発揮する日が、やってきたのだ〜!」
吟子「うん。1回ぐらい、勝ちたいもんね。よし!」
気合い十分な3人。
吟子「私は調理担当。小鈴が接客で……姫芽は列整理をしつつ、全体を見て、うまく回ってないところを手伝う。これが私たちで決めたフォーメーション」
吟子「実際に試したことはないから、あくまでも反省会の内容を反映させただけだけど…………。たぶん、穴はない……はず!」
姫芽「ストロングポイント押しで、やっちゃろ〜」
小鈴「二年生とのバトルチャレンジ………完結編。いざ開戦だよ!」
吟子・姫芽「「お〜!!」」
その様子を見ていた2年生は、
瑠璃乃「おーおー、あっち盛り上がってんねえ」
さやか「これまで二年生組が、なんだかんだ勝ち続けていますからね。危ういところは多々ありましたが、せっかくなので、このまま全勝を目指しましょう」
瑠璃乃「…………さやかちゃんって、意外と勝負事にキビしーよね」
さやか「えっ、そ、そうですか?ですが、向こうが本気で来る以上。こちらも本気でお返しするのが礼儀というか……………」
瑠璃乃「ウンウン、そーだね。獅子は我が子を千尋の谷にドーンするって言うもんね!がおー!」
ライオンの威嚇のマネをする瑠璃乃。
さやか「こわい例えをしないでください!」
ヤレヤレ……と、首をふるさやか。そしてら
さやか「もう。そろそろこちらも、仕込みを始めますよ。まだ花帆さんが、戻ってきてませんけど」
瑠璃乃「あ、そう言ってたら、きたきた」
花帆「…………セーフ!間に合った!?」
花帆が到着した。
花帆「急がせちゃってごめんね、せっちゃん」
せっちゃん「ううん、楽しかったよ。面白い展示がいっぱいあった。さすが芸術の学校」
さやか「ああ、そちらの方が先日おっしゃっていた?」
花帆「うん、あたしの昔からのお友達、せっちゃん!」
せっちゃん「どうも、本物のせっちゃんです」
花帆「偽物とかいないからね!」
さやか「ふふ。面白い方ですね」
花帆「でしょ〜?大切な友達なんだ!」
せっちゃん「あと、どちらかというと、病院友達だから……院友」
さやか「ふふっ。耳馴染みのない言葉ですね…………」
せっちゃん「花ちゃんはわたしの、いちばんの院友だったよ。あの頃はよく、ふたりでいろんな話をしたよね」
花帆「うん。あたしが昔よく入院してた頃、隣の病室にいたのがせっちゃんなんだ。………ふふふ。懐かしいなー」
思い出にふける花帆。すると状況を思い出し、
花帆「あ、それでごめんね!ここからあたし、お店のお手伝いがあって!」
せっちゃん「ううん、大丈夫。てきとうにぶらぶらも、たのしい」
せっちゃん「お隣のあんみつ屋も、気になるし」
花帆「む、ライバル店……………!」
花帆「あ、だったらついでに、お店の様子を見てきてくれないかな。隣の子たちね、あたしたちの後輩なんだ。うまくやってるかなーって」
せっちゃん「ん……らじゃ」
花帆「あ!あとあと!うちのお店のクレープも、あとで食べてね〜!よろしくね〜!」
そして、せっちゃんが行くのをみおくる花帆たち。
瑠璃乃「さてさて。そいじゃ、クレープ屋の担当どーするー?」
花帆「それはね、ズバリ……。キッチンさやかちゃん!それ以外あたしたち!以上!」
瑠璃乃「うーん、しんぷるいずべすと!それっきゃないよね!」
さやか「うっ、なかなか責任重大ですね………!」
少しプレッシャーを感じるさやか。
花帆「だいじょうぶだいじょうぶ!だって、さやかちゃんだもん!」
瑠璃乃「クレープさや処・竜胆祭支店、開店営業だ〜!」
さやか「その名前はどうかと!」
ー つづく ー
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