吟子「あんなさやか先輩頼みの、適当な分担に、負けんわいね……!」
竜胆祭当日、出店の店番をしながら2年生との勝負に闘志を燃やす吟子。
吟子「手順通りやれば、誰でもおいしく作れるもん。この日のために用意した上等なあんこ、白玉…………。あとは寒天を切って、と……………」
吟子はちゃんと事前確認をして手順をもう一度確認する。
今子「事前準備の時間さえあれば、私だって!」
お店の呼び込みをしていた小鈴は、
小鈴「いらっしゃいませー、いらっしゃいませー!おいしいあんみつですよー!あ、いらっしゃいませー!このあとライブもやりますので、ぜひぜひ来てくださーい!」
小鈴もいい感じにお客様を呼び込めていた。
姫芽「あ、吟子ちゃん盛り付けは手伝うね〜。っとっと、列整理もしなきゃ〜……あれ〜、けっこう忙しいぞ〜?」
姫芽が少し流れに違和感を感じる。
せっちゃん「あの」
小鈴「はい!お客様ですね!あんみつおひとつですか!?メニューの種類とかもいっぱいありますよ!」
せっちゃん「えと……じゃあ、ふつうの」
小鈴「ありがとうございます!少々お待ちください!」
せっちゃん「はい」
あんみつができるまで少し待つせっちゃん。だが、
せっちゃん「あれ?けっこう時間かかってる……かも?」
姫芽「ね、ね、吟子ちゃん〜。ちょ、ちょ〜っとお店が詰まってきちゃったから、手順飛ばしたり、急いでもらったりしても〜?」
吟子「えっ……、手順通りじゃ、なく…?ど、どうすりゃ……」
手順を変えろと言われて詰まる吟子。
姫芽「えっ、あっ、吟子ちゃんが固まっちゃった……!?あっ、お、おっけー!吟子ちゃんは、今のやり方でそのままやってて!」
吟子「わ、わかった!」
姫芽「ちょ、ちょ〜っと小鈴ちゃん〜!中を手伝ってもらっていいかな〜!」
小鈴「わかりました!徒町やりますね!やります!」
せっちゃん「……………(大丈夫かな?)」
姫芽「う、うん、よろしく〜……………。しばらくアタシが接客に回るから…………。って、小鈴ちゃん?なんかぐちゃぐちゃになってない!?」
小鈴「あう………!し、失敗した分は、ちゃんと取り戻しますので……ちぇすと〜!」
姫芽「えっ、えっ!?小鈴ちゃん〜!?」
姫芽「うわ〜、だめだこれ〜…………。アタシじゃ、とめらんない〜………!」
せっちゃん「なんか、ドタバタ?」
その後、なんとかあんみつを受け取ったせっちゃん。食べ終わると、次は花帆たちの屋台に行く。
せっちゃん「おいしいクレープひとつ、くださいな」
花帆「はーい、任せてせっちゃん!さやかちゃんが日本でいちばんおいしいクレープを作ってくれるからね!」
さやか「ハードル上げすぎです!」
せっちゃん「こっちは、平和そうだね」
せっちゃんの言い方が気になった花帆。
花帆「うん? 一年生の方、なにかあったの?」
せっちゃん「なにかってわけじゃないけど……、お店がうまくいってなくて大変そうだった」
花帆「ええっ!?なんで〜!?」
そしてそのまま屋台での店番が終了の時刻になり、結果は………
瑠璃乃「えーっと、勝負はいちおー、ルリたちの勝ち、だけど」
花帆・さやか「「……………」」
吟子「…………なんで」
小鈴「今回こそはって思ったのに……あんまりうまく、いかなかったね……。って、徒町のせいだよね……ごめん…………!」
吟子「いや、それを言うなら、私も途中から。頭真っ白になっちゃって…………」
自分が悪い、いや自分が……と、自分を責める1年生たち。
小鈴「で、でも!この次、竜胆祭ステージもあるから!」
瑠璃乃「そ、そーだね!そもそも模擬店のお手伝いと、ライブはぜんぜん違うし!」
瑠璃乃「終わりよければすべてヨシ!」
吟子「………はい。がんばります」
姫芽「……………」
――そして、各部活のステージでの出し物が始まる。
梢「では、いきましょう。竜胆祭ステージのトップバッター、しっかりと務めましょうね」
淳平「軽音部とか合唱部とか、満場一致でスクールアイドルクラブにトップバッターを譲ってくれたんだから、それに恥じないライブをしないとな!」
綴理・慈「「おー(はーい)!」」
吟子・小鈴・姫芽「「「はい!」」」
そして、ステージに出ていきライブを始めるみんな。だが、1年生の動きはあまり変わっていなかった。
吟子「……あれ?」
――竜胆祭が終わり、現在は後夜祭のキャンプファイヤー。1年生たちは火の前に佇んで落ち込んでいた。
吟子・小鈴・姫芽「「「…………………」」」
そこへ、
淳平「隣、いいか……?」
吟子「あ……………淳平先輩」
慈「せっかくの文化祭なのに、なーにそんな悲しそうな顔してるの」
小鈴「慈先輩……」
梢「失敗した、って思っている?」
吟子「それは……はい
吟子「少しずつ上達を実感して、今度こそうまくいくと、思ってたんです…………。なのに、肝心の本番で、息が合わなくって」
梢「本番は、この後に控えたラブライブ!予選でしょう?」
慈「そうそう。そもそも、みんな喜んでくれてたんだよ?ステージだって、盛り上がってたでしょ?」
だが、表情が暗い1年生。
淳平「……自分たちの出来は、自分たちがいちばんよくわかっている、か。 そうだよな。あんなに練習してたんだし」
梢「……………」
慈「ほらほら、ふたりまでそーんな暗い顔しないんだよ」
梢「し、していません」
淳平「だって……」
慈「だってじゃないの。っふふ。大丈夫、まだまだぜんぜん間に合うからさ」
慈「私たちがついてる。別に踊れなくなったわけじゃないんだから。明日からまたがんばろ?ね?」
吟子・小鈴・姫芽「「「………………」」」
― つづく ―
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