蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第六章 わがまま on the ICE!!
第24話:さやかの大切なもの


さやかちゃんの欲しかったものが見つかり、その翌日早朝……

 

さやか「ん……んう。えっと、今日は朝練でしたっけ……。あっ、そっか。週末、大会があるんだ。……そうだよね。今日こそ、行かなきゃ」

 

そして女子寮ではスクールアイドルクラブの皆は朝ごはんを食べ、それぞれの練習場所に向かった。

俺も寮で朝ごはんを食べたあと、部室に行き練習の準備をした後、それぞれみんなが練習している場所を見に行った。

 

さやか「今日も頑張りましょう!よろしくお願いします、夕霧先輩!」

 

綴理「ん。いい気合。びっくり」

 

さやか「そりゃあもう。なんだか最近、身体が軽いんです。もっとこんな風にしたらどうか、こうやってみたらどうか。やりたいこと、見せたいことがいろいろ浮かぶといいますか」

 

綴理「うんうん、素晴らしいスクールアイドルだね」

 

2人の仲はすこぶる良好。俺は大丈夫だと判断し、声をかけてから飲み物を分かる場所において花帆たちの方へと向かった。

 

綴理「ジュン、ありがとー」

 

さやか「淳平先輩、ありがとうございます!」

 

そして花帆たちの方へと向かった俺は梢のシゴキに堪えて頑張る花帆の姿を見ていた。

 

梢「花帆さんあと少し!!」

 

花帆「なんのこれしき!うおおー!!」

 

そして体幹トレーニングをやりきり、息は荒いが、上がっている訳ではなく、明らかに体力が向上していた。

 

淳平「驚いたな……花帆、凄い成長してる…」

 

梢「ええ。本当よ……」

 

花帆「本当ですか!? えへへ〜頑張ったかいがありました!」

 

梢「オーバーワークもしてないみたいだし、これは素晴らしいことよ」

 

花帆「ありがとうございます!……もう、あんなことになるのはご免ですから」

 

梢「花帆さん……」

 

あの以前の出来事は、花帆の心に教訓としてしっかりと根付いていた。もう、二度とあんな無茶をすることは無いだろう。

 

淳平「あっ、梢、そろそろ時間だぞ?」

 

梢「そうね。朝練はここまでにして、授業の準備に行きましょうか」

 

花帆「はい!じゃあ、また放課後に!」

 

そして、花帆は走っていってしまった。

 

梢「本当に……成長したわね」

 

2年生の教室では、亮が俺に話しかけてきた。

 

亮「なあ淳平、今日の数学の宿題分からないところあってさ、教えてくんね?」

 

淳平「ああ、良いよ?どこだ?」

 

亮「んっと……」

 

すると、

 

慈「ジュン、私にも教えてー!」

 

淳平「ん、良いよ。どこ?」

 

亮「俺はここだ」

 

慈「えっ、私もここ」

 

淳平「同じところか……じゃあ一緒に解説するぞ」

 

亮・慈「「お願いします淳平(ジュン)様!!」」

 

やれやれ……

 

そして解説を終えると、

 

亮「なるほどな……すんなり分かったわ。淳平に授業教えてもらいたいくらいだ」

 

慈「ホントだよね?先生の授業分からない上につまらないんだもん!」

 

淳平「こら!真面目に授業受けろって……。もうすぐ先生来るぞ?」

 

亮「おう。今度飲み物でも奢るわ」

 

慈「ありがとジュン」

 

淳平「おう」

 

そしてお昼休み、俺は食堂でさやかちゃんを見つけた。

 

淳平「お、さやかちゃん。どこの席も空いてなくてさ……相席良い?」

 

さやか「ええ。どうぞ?」

 

淳平「悪いね、ありがとう……」

 

俺が注文した蕎麦を食べていると、

 

さやか「あっ、淳平先輩……今日わたし練習出れないので伝えておきますね」

 

淳平「ん?なにか予定?」

 

さやか「はい。わたし、フィギュアスケートやってるって言ったじゃないですか?その大会が、週末にあって……わたしもでるのでリンクに行って練習したくて……」

 

淳平「あ〜なるほどね。……俺も見に行って良い?少し興味あるんだけど……」

 

さやか「見てても面白くないと思いますけど……いいですよ」

 

淳平「よっしゃ~!」

 

さやか「そんなに嬉しいですか……」

 

そしてその後も他愛もない話しをして昼休みが終わり、放課後になった。

 

 

この日は梢に部活関係の会議があり、部活はお休みになったのだが、花帆は自主練しようと場所を探していた。

 

花帆「練習場所、全然空いてないや……このあとどうしようかなー。…あれ?……!さやかちゃーん!」

 

さやか「むぎゅ!か、花帆さん!なんですか急に!」

 

花帆「あはは、一人でいる所見つけたから珍しいなーって」

 

さやか「この後予定があって、待ち合わせしてるんです」

 

花帆「予定?」

 

さやか「はい。実は……」

 

淳平「さやかちゃ〜ん、お待たせ!」

 

さやか「あっ、淳平先輩……」

 

すると、

 

花帆「えっ!?まさか……デート!!さやかちゃんは安全だと思ってたのに!!すぐに皆に知らせないと!!」

 

そして花帆はスマホを取り出す。だが、

 

さやか「はい、ストップ!デートじゃありませんよ」

 

花帆「じゃあなんなの!!」

 

さやか「そうですね……花帆さんも一緒に来ますか?」

 

花帆「え?」

 

そしてさやか、花帆、淳平が一緒にやって来たのは、市内のスケートリンクだった。

 

花帆「スケート場?」

 

淳平「さやかちゃん、週末スケートの大会があるんだってさ。今日はその練習を見せてもらいたくて付いてきたんだよ」

 

花帆「そうだったんだね……ってズルい!あたしも見たい!!」

 

淳平「もう付いてきたんだから見れるだろ?」

 

花帆「あっ、そっか……へへ」

 

さやか「そんな所で話してないで行きますよ?」

 

そして、俺たちはリンクの中に入っていった。

 

すると、

 

花帆「あたしもスケートしてみたいなぁ」

 

さやか「えっと、靴を借りればできますよ?」

 

花帆「ホントに!?淳兄ぃ一緒にやろうよ!」

 

淳平「分かったよ……」

 

そしてスケート靴を借りた花帆はさやかに靴を履かせてもらっていた。けっこう普通の靴と違うからな。

 

花帆「さやかちゃんって、ずっとスケートやってるんだよね?」

 

さやか「はい。もう10年になりますか……」

 

花帆「10年!ベテランだね」

 

さやか「そんなに珍しい話じゃないですよ。フィギュアスケーターは物心ついた時にはリンクの上だった……なんてことだってよくあるみたいですから」

 

さやかちゃんは花帆の靴をセッティングしながら花帆の質問に答えてやる。

 

花帆「へー。さやかちゃんはどうだったの?」

 

さやか「……わたしの場合は、たぶん……お姉ちゃんがやってたからです。あんまり覚えてないですけどね」

 

花帆「あ、そっか。お姉ちゃん居るって言ってたもんねぇ。さやかちゃんのお姉ちゃんって、なんか真面目そうな感じがする!」

 

さやか「お姉ちゃんが真面目……ふふっ。むしろ、花帆さんに似ているかもしれません。元気で、明るくて、気づいたらとんでもないところまで行ってしまうような」

 

花帆「さやかちゃんの中のあたしってどーなってるの……?」

 

さやか「ごめんなさい。でも、あたしとは全然似ていませんよ。自由で、綺麗で……お姉ちゃんの演技は、皆を夢中にする」

 

花帆「さやかちゃん、お姉ちゃんのこと好きなんだねえ」

 

さやか「へ?な、なんですか急に!」

 

花帆「お話してる時、凄く優しい顔してたからさ。ねぇ、さやかちゃん」

 

さやか「はい……?」

 

花帆「ありがとね、来て良いって言ってくれて」

 

さやか「えっ?いえ、それは全然。……どうして今そんなことを?」

 

花帆「や、なんだろ。ここに来るの、久しぶりなんでしょ?」

 

さやか「はい」

 

花帆「改めて、ここはさやかちゃんの大事な場所なんだなーと思ってさ。ついてきて良かったなーって思ったのと、つれてきてくれてありがとーって」

 

さやか「…………」

 

花帆「さやかちゃん?」

 

さやか「あ、いえ……。そうですね、大事な場所……。今日来られたのは、スクールアイドルを頑張れたからです。だから、花帆さんのおかげでもあるかもしれませんよ。それと、淳平先輩の……」

 

淳平「俺も?」

 

花帆「あたし?」

 

さやか「さて、どうですか。きつかったり……特に指先が痛かったりしたらサイズを調整してみましょう」

 

花帆「え、あ、うん!平気平気!」

 

すると花帆は立ち上がり、

 

花帆「おっとっと!」

 

よろける。まぁスケート靴は刃の上に立ってるような物だしな。

 

花帆「あ、ありがと」

 

さやか「いえ。淳平先輩は……立ててますね」

 

淳平「え?ああ……なんかいけた(笑)」

 

さやか「まあ、普通は慣れるまでは大変なんですけどね。では、準備できましたので、行きましょう、スケートリンクへ……」

 

花帆「さやかちゃん!」

 

さやか「あ、はい……?」

 

花帆「楽しいスケート、教えてね!」

 

さやか「そうですね。楽しいスケートにしましょう」

 

 

ー つづく ー




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