翌日、めぐは常識を身につけるための一環として、"生活力"の向上のためDOLLCHESTRAの3人と淳平と一緒に街に来ていた。
慈「さてさて、まずは生活力から。蓮ノ空で生活力と言えば―――。DOLLCHESTRAの歩くお弁当箱!村野さやかさん!」
綴理・小鈴「「わ〜」」
2人が拍手する。
さやか「なんですかその二つ名は!?」
淳平「このノリはついて行けない……」
さやかちゃんと俺が2人で息の合ったため息を吐くと、
慈「まぁまぁ、今回はどうぞよろしくお願いします!村野せんぱい!」
めぐは教えてもう立場だからか、さやかちゃんを先輩と呼ぶ。うん。意図は分かるんだが……言い方が軽い。
さやか「もう、調子が狂ってしまうので!慈先輩は、普段通りにしていてください」
慈「へへへ」
まったく………。
淳平「ごめんね、さやかちゃん」
さやか「いえ……」
ハァ〜……と、再び大きな溜め息。
小鈴「それで、どのようにいたしますか?」
綴理「せいかつりょくって、なんだろうね?」
淳平「ポイントは、親が安心できるかという点だと思う」
さやか「そうですね。ひとり暮らしを希望している娘が、ちゃんと生活できるかどうか、と」
慈「生活できますぅ〜」
さやか「………例えば、洗濯なんかは蓮ノ空ではみんなランドリーを使っていますし、お掃除は慈先輩もやってますよね?」
慈「もちろんやってるよ!いつもピッカピカ!……配信画面に映る範囲だけは」
おい、今聞き捨てならない事聞こえた。今度めぐの部屋に乗り込んで大掃除させたほうがいいか?
さやか「……となると、やっぱり三食バランスのいい食事を摂れるかどうか、ではないでしょうか。あと金銭感覚とか」
あ〜……めぐの金銭感覚は―――、
慈「はー?そんなの三食外食すればいいじゃん!出前だってあるんだし!」
さやか「………………」
ほら!さやかちゃんがジト目になって睨んでる!!目が全然笑ってねぇ!!
慈「じゃあ、さやかちゃんがお嫁に来てくれたら解決☆ 一緒に暮らそ☆」
コイツ………!
淳平「めぐはどうやら俺と別れたいみたいだな。叔母さんにあんな事言われてもその様子って……なら――」
慈「わー!!ごめんごめんちゃんとやるからあっ!!」
ったく……、
淳平「次ふざけたらさやかちゃんの所行くからな?」
さやか「!? 本当ですか!!」
嬉しそうなさやかちゃん。
さやか「コホン。さて、慈先輩、教わりたいならちゃんと教えますけど、いつでもふざけてくれて良いですからね?これで淳平先輩は私のもの……」
慈「させないからね!?」
淳平「じゃあ真剣にやれ!!」
慈「はい!!!」
そして、連れてこられたのはスーパーマーケット。
さやか「それでは、スーパーで買い物をしつつ、最初は一汁三菜など気にせず、なるべく健康バランスに気を配るのがいいと思います。一日の献立を考えてみましょうか」
慈「りょ!」
さやか「ちなみに、なにか作りたいものなど、ありますか?」
慈「卵かけご飯!」
さやか「……朝時間が無いときは良いですよね。昼と夜は何にしましょうか?」
慈「ネギトロ丼!あとは、おなか減ったらなんか適当にお菓子!」
小鈴「わ〜、いいな〜。徒町、ラムネもほしいです〜!」
さやか「淳平先輩、今またふざけましたよね?」
慈「ごめん。この程度じゃこいつの場合ふざけた内に入らないんだ……」
ホント目に余る……
さやか「―――やっぱり、こちらでメニューを指定しますね!」
そして、材料を買って蓮ノ空に戻ってきた俺たちは、
綴理「さやの、3分クッキング〜」
さやか「すみません、もうちょっとかかるかと………」
さやか「では慈先輩。今回はしょうが焼きを一緒に作ってみましょう。ごはんとお味噌汁に、キャベツを千切り。後は豚ロース肉を焼いてタレを絡めるだけの、簡単で定番の料理です」
さやか「ではまず、買ったお肉に下ごしらえを……って」
指示を出そうとしたさやかの手が止まる。
淳平「どうした?」
さやか「慈先輩、そのお肉………なんですか?」
慈「ん?豚ロースだけど」
俺がめぐの肉を見ると……
淳平「おまっ!!それ、ロースはロースでも……!」
さやか「リブロースですよね!?しかも最高級の!?」
慈「でも1000円ぐらいだったよ?ステーキってもっと高くない?」
さやか「100グラムでそのお値段も、じゅうぶんお高いんです!」
買ってしまったものは仕方ない。仕方なくリブロースで生姜焼きを作り……
綴理「うん、めぐのおいしい」
小鈴「すごい!舌の上でとろけるみたいです!徒町ポイント差し上げます!」
綴理「つづたんポイントも」
淳平「肉が良いだけだろ……」
さやか「ホントですよ……」
慈「なんでプンプンしてるの?さやかちゃん」
さやか「今度スーパーのチラシを持ってきますから、ちゃんと値段も覚えてくださいね。慈先輩は、まず金銭感覚を直すべきです!」
慈「えー!?さらに課題が増えた!?くぅ……………お金お金って、さやかちゃんまでるりちゃんみたいなこと言いやがってー!」
さやか・淳平「「瑠璃乃さん(るりちゃん)に言われていたんだったら、直すべきなんですよ(だよ)それは!!」」
めぐ……本当にしっかりしてほしい…。
― つづく ―
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