あれから数日後、めぐは歌を完成させ、いよいよ今日は北陸予選。各県の予選を勝ち上がったスクールアイドルがパフォーマンスする中、次は石川県予選を1位で勝ち上がった、俺たち蓮ノ空学院。
歌の前に、めぐがお客さん……ひいては見に来ているであろう母親にメッセージを伝えるため、言葉を紡ぐ。
慈「この歌は、私が、私の仲間たちが、スクールアイドルとして過ごしてきたその軌跡を描いた歌なんだ」
慈「今までいろんなことがあったよ。楽しかったことも。……苦しかったことも」
慈「それもぜんぶ……このかけがえのないぜんぶを抱きしめて、私たちは先へと進むから。どんなことがあっても、後ろを振り向かず。私たちを愛してくれた人たちの想いと、これからもずっと、一緒に!」
慈「この9人でラブライブ!大会に挑む最後の年。“夢”を掴み取るために、全力で!走っていくからね!―――それでは、聞いてください」
慈「スリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!3ユニットで繋ぐ、 私たちの決意の曲!」
蓮ノ空『KEY of Like!』
そして、蓮ノ空のパフォーマンスは1番の盛り上がりを見せた。
これなら、全国大会に進めるだろう。
――そして、結果が発表される。全国大会進出グループは蓮ノ空学院。2年連続での全国大会進出となった。
そして、大会のあと学校に戻ってきた俺たちは、
―――蓮ノ空・屋上
慈「うん、ママ。見に来てくれて、ありがと。それに今までも………ありがと」
めぐはお母さんと電話している。それを俺は側で聞いていた。
慈ママ『でもね、慈ちゃん。あなたは、ひとつだけ勘違いしています』
慈「え?」
慈ママ『ママは、自分を犠牲にしたなんて、これっぽっちも思ってないよ。まぁ、部署異動は悩んで決めたことだったけど……それでも、慈ちゃんがカメラの中で笑っているのを見たら、これでよかったんだ、って心から思えたの』
慈ママ『ママはずっと、慈ちゃんに夢中だから』
慈「ママ……!!」
慈ママ『ジュンくんが居ないと、自発的に勉強はしてくれなかったみたいだけど………』
慈「ゔ……」
慈ママ『フフ。でも、いい3年間だったんだね。幸せになるための道のりは、ひとつだけじゃないよ。私は、デザインを諦めたけど……、あなたのおかげでまた違う幸せを見つけられたから』
慈「ママ」
慈ママ『…………ま、それはそうとして。また別の幸せに挑戦するのも、自由よね』
慈「………………それって?」
慈ママ『長いブランクがあるから、簡単にはいかないかもだけど。でも、もう一度、デザインの勉強をやり直そうかなーって。誰かさんが立派になってくれて、手がかからなくなったものでして』
慈「ママ!」
慈ママ『ふふっ。慈ちゃんに、負けてらんないもん!』
慈「私だって!」
慈ママ『あ、そうそう。側にジュンくんいる?』
慈「ん?いるよ〜」
慈ママ『代わってくれる?』
慈「分かった」
そして、電話を代わる俺。
慈ママ『ジュンくん?』
淳平「はい。なんでしょう」
何言われんだろ……。
慈ママ『慈ちゃんのこと、手のかかる子だけど、これからもよろしくね?』
淳平「!!はい!!」
めぐはスマホを無理やり取ると、
慈「ママが追い付けないぐらい、全力で、走っていっちゃうんだからね!」
そして、めぐのお母さんからの試験にお母さんの望む形ではなかったが、ちゃんと成長していることが認められ、めぐは試験に合格した。
―― 部室 ――
慈「というわけで、北陸大会突破!今年も全国大会に、進出決定!」
姫芽「やった〜〜〜〜!!!」
慈「そしてママにも完全勝利!圧勝!」
瑠璃乃「言い方ぁ!」
慈「これで私の道を阻むものは、もういなーい!私の予想外のミライは、今こそ完全に開けたのだ!」
花帆「す、すっごい元気……………!」
さやか「なんだか、しおれていた間の慈先輩が、少し恋しくなってきますね………これはこれで、かわいらしい方だとは思いますが」
姫芽「あっ、というか、めぐちゃんせんぱい〜!きょう、事務所との面接じゃ〜!?」
瑠璃乃「そうじゃん!早くいかなくっちゃ!」
淳平「あ〜、それなんどけどな……」
慈「ふっふっふ。面接なら、断ったよ」
花帆・さやか・瑠璃乃・吟子・小鈴・姫芽「「「「「「断った!?」」」」」」
慈「私、タレントに戻ろうとしたけど………やっぱ辞める!」
吟子「なんで………?」
小鈴「慈大先輩の、夢だったんじゃ!?」
ん~~と、
淳平「少し違うんだよな……」
吟子「え?」
慈「そのとーり!小鈴ちゃん、勘違いしてるね。私の夢は『世界中を夢中にする』こと。そこに続く道は、ひとつだけじゃないんだよ?ていうか、今までさんざん好き勝手してきたのに!今さら誰かの敷いたレールの上を歩くなんて、まっぴらだから!」
花帆「じゃあ、どうするんですか!?」
慈「外国に行くよ。そこで、パフォーマンスの修業をする」
姫芽「え、え〜〜〜!?聞いてました!?るりちゃんせんぱい!」
瑠璃乃「いや、初耳……」
慈「そして、音楽チャートのランキングを埋め尽くしてやるんだ!やだ☆私の歌に、世界中が恋しちゃう☆」
綴理「めぐ、ちょーおもしろい」
慈「でしょ?」
綴理「すごいね、めぐ」
梢「私のせいじゃないわよね、これ」
慈「ふふ」
梢「っていうか、じゃああなた、ジュンはどうするの?」
淳平「ん~~と、俺も少し悩んだけど、おばさんにも頼まれたし、推薦入学決まってんのを蹴っ飛ばして、めぐに付いてくよ。1人にしたら何するか分かんないし……」
梢・花帆「「そこまでするの!?」」
慈「やだ♡そーしそーあい?」
淳平「まあ、一緒にいたいのもあるから悔しいけどそうかも」
慈「ッ////」
梢「ハァ………せめて卒業まで、英語を学んでから行きましょうね?私たちが教えてあげるから…………」
慈「えー?いらなーい。ジュンがいるもーん。ねー?」
淳平「丸投げはやめろよ?最低限の言葉がわかるくらいには勉強させるからな?」
慈「ええ!?」
淳平「当たり前だろ!!」
瑠璃乃「めぐちゃん本気なの?!」
慈「Just do it.もう、決めたからね。今度は、後ろ向きな理由じゃないよ。世界中を夢中にさせるために、世界に羽ばたくのは当たり前でしょ?」
慈「――そのためには、全力で最短距離を突っ走らなきゃ!」
慈「止まらないんだから。 藤島慈はね!!」
―― つづく ――
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