あのあと、花帆と吟子ちゃんはみんなを部室に集めて、ラブライブ!優勝当時の部長が遺したと言うスカーフをみんなに見せた。
花帆「じゃーん!」
さやか「かつてのスクールアイドルクラブの部長が遺したスカーフ………ですか」
花帆「うん!『いまを頑張ることが楽しい』あたしたち、今までずっとそうやってきたから!」
笑顔でそう話す花帆。
花帆「あたしたちもこれ、やろうよ!スカーフに書いて、ステージで身に付けるの!」
姫芽「いいですね〜!こういうの、チームの一体感が高まってとてもいいと思います〜!」
梢「それはいいけれど………私たちは別に、制服のままステージに立つわけではないでしょう?」
瑠璃乃「それは確かに…………」
淳平「そこは吟子ちゃんがアイディアあるらしいよ」
俺の言葉に、皆が吟子ちゃんを見る。
吟子「はい。その……、全国大会に出場する衣装に、リボンをつけませんか?」
綴理「できるの?」
吟子「はい。いくつか考えていた改良案のひとつに、リボンつきのものがあります。蓮ノ空の制服を参考にしようと思ってて」
綴理「おお〜……………百万点」
吟子「あ、ありがとうございます」
慈「だったらさ、それにジュエリーアクセサリーをつけたり、できないかな?実はママが早速、みんなの分の宝石を送ってくれるって言ってて」
瑠璃乃「ほ、宝石!?」
慈「イミテーション。つまり偽物だけどね。さすがに」
瑠璃乃「よ、よかった。めぐちゃんがまた散財したのかと……」
だとしても、本物の宝石を人数分揃えるだけの金はさすがに持ってないと思う。
慈「本物の宝石のほうが0.01%でも優勝確率が高くなるんだったら、それもありかな…………」
瑠璃乃「やめよ!?ね!?」
花帆「ね、どうかな、小鈴ちゃん。たぶんこれが、あたしの答え」
小鈴「花帆先輩……………」
花帆「がんばるってつらいことだけど、でも、がんばることが楽しければ……きっとね、どんなステージだって『楽しい』に変わると思うんだよ」
花帆「ねえ、小鈴ちゃん。最高のステージが、待ってるんだよ。みんなに気持ちを、届けようよ!」
小鈴「徒町は…………。徒町は、失敗することばかりを恐れていました……………。でも今までどんなライブだって、失敗したかったことは、一度もありません!いつだって、全力で…………」
小鈴「だから今回も……がんばりたいです!うまくできなくたって!今の徒町にできることを、精一杯!」
花帆「できるよ、この10人なら!ううん、この10人だから!」
花帆「小鈴ちゃんが『情熱』を、あたしたちにくれた」
花帆「姫芽ちゃんが『憧れ』を―――」
花帆「吟子ちゃんが『愛情』を―――」
花帆「瑠璃乃ちゃんが『優しさ』を―――」
花帆「さやかちゃんが『強さ』を―――!」
花帆「梢センパイと、綴理センパイと、慈センパイと、淳兄ぃが支えていた………。そして、沙知センパイが守ってくれたスクールアイドルクラブに、こんなにも素敵なものが集まったんだから。
花帆「あとはこの気持ちを、届けるだけだよ!」
梢「ふふ。あなたの『笑顔』も一緒に、ね」
みんなが笑い合う。
淳平「それじゃあ、みんな。ラブライブ! 決勝大会まであと少し。大切な日々を全力で、楽しんで過ごそう!」
全員『おー!!』
そして、その日は解散し、寮まで帰る時、3年生は4人一緒にいた。
慈「いよいよ明日から、ラブライブ! 決勝大会に向かうのかあ」
淳平「長いようで、あっというまだったな」
慈「ホントにね。きょうは早めに寝よっと」
綴理「ボクも」
梢「ねえ、3人とも。ひとつだけ、いいかしら」
梢・綴理・慈・淳平「「「「ありがとう」」」」
梢「…………あなたたち?」
綴理「ありがとう、こず、めぐ。ボクにスクールアイドルを教えてくれて」
慈「ありがと、梢、綴理。あんたたちが一緒だったから、私の高校生活、楽しかったよ」
淳平「ありがとう。梢、綴理、めぐ。男の俺を、スクールアイドルクラブの仲間だと認めてくれて。めぐは大丈夫だったけど、梢と綴理は最初警戒してたから……」
梢「まあ、ね……」
綴理「うん」
慈「で、梢は?」
梢「………ありがとう、3人とも。私の……友達に、なってくれて」
4人が、お互いに笑い合う。
綴理「ラブライブ!、優勝しよう」
慈「ん」
淳平「とーぜん!」
梢「ええ!」
『蓮ノ大三角と太陽』と呼ばれる4人は、決勝に向けて覚悟を決め合った。
――その頃。
セラス「ね。見て、泉」
泉「これは?」
セラス「今まであなたがコンテストで戦ってきたスクールアイドルのみんなが、応援メッセージを送ってくれたの」
泉「へえ……こんなに。私にとっては、自分が強くなるための大会。――ただ、それだけのつもりだったんだけどね」
セラス「きっと、伝わってたんだよ。どんな対戦相手にも決して手を抜かず、勝負に敬意を払う泉の態度が」
泉「面映ゆいね。ただ、悪くはない気分だ」
セラス「……気になることが、あるとすれば」
泉「うん?」
セラス「泉のステージを見た花ちゃんは、すっかり自信を失ってるみたいだったけど。でも、それだけで終わる花ちゃんじゃないから。きっと乗り越えて、前よりずっとすごいライブを見せてくる」
セラス「昔から、いつもそうだった。花ちゃんは落ち込んでも、すぐ明るく笑って、わたしの手を引いてくれてたから」
泉「……………へえ、ずいぶん信頼しているんだね。少し、妬けちゃうな」
セラス「――だから、その上で。勝つのは、わたしの泉だよ。そうでしょう?」
泉「ああ」
セラス「瑞河のお姉さんたちが目指した……、夢に見たラブライブ!の舞台。こんな形で来ることになるとは思わなかったな」
泉「ほう、以前にも瑞河は挑戦したことがあるんだね。その時の結果は?」
セラス「決勝大会には、出られなかったよ。あの時はわたしも泣いたなあ」
泉「ならば私はその夢も預かろう。あなたが私に夢を託してくれる限り、私は飛ぶよ。どこまでも。それが私の存在理由なんだから」
セラス「うん……………。行こ、最高の舞台へ」
泉「最高の舞台へ」
歪な、従者と主人の関係の2人も、決勝大会に向かおうとしていた。
― つづく ―
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