第120話:歴史に遺す
プレーオフまで2週間あるので、俺達はいったん金沢に帰ってきた。蓮ノ空の生徒たちからは「プレーオフ頑張ってね」。「皆なら優勝できる!」と、応援を貰い、学校にもOGから応援のメッセージが届いているらしい。
淳平「これは………」
梢「身が引き締まるわね」
淳平「ああ……」
――すると、俺のスマホが鳴った。知らない番号だ。
淳平「悪い。少し出てくる……」
慈「?」
そして部室から出て電話に出ると……
淳平「もしもし………」
泉『やあ?桂城泉だ』
…………とりあえず、
淳平「なんで俺の番号知ってる?」
泉『ラブライブ!の運営に聞いたんだ。記入欄に代表者連絡先ってあっただろ?』
なるほど……
淳平「で?なに?」
泉『少し会えないかな?瑞河に来てくれ』
淳平「………………」
泉「やあ、来てくれてありがとう」
淳平「要件は?」
結局、皆には説明して瑞河にやって来た。なにがあったかは包み隠さずに話すことを条件に……。
セラス「……………泉」
泉「実はね、セラスがもうラブライブ!なんかどうでもいいと言い出してね」
は?
淳平「なんで?」
泉「順を追って話すよ……」
話を聞かせてもらう。聞けば、瑞河は生徒数の減少で廃校の危機にあったらしい。そして、今回のララブライブ!で優勝して生徒数を確保できなければ瑞河は廃校になる。そういう状況だったらしい。
そして、ラブライブ!の結果はプレーオフ。判断を下す期日に間に合わず、廃校が決まったという。
淳平「……………」
セラス「小さい頃の私に夢を与えてくれた、瑞河のおねえさんたちと同じスクールアイドルになれないなら……もう………」
泉「とまあ、こういうわけさ。私は生憎ラブライブ!の歴史には疎くてね。似たような境遇の学校はなかったのかと思ってね。あるならその話を聞いてみたくて……」
淳平「…………セラスさん」
セラス「なに……」
淳平「この学校は、君にとってなにより大切な場所なんだね?」
セラス「当たり前……失うなんて、絶対に嫌………」
泉「そうは言うけどね………」
ふむ。後で謝れば良いか。
淳平「じゃあ、参考になるかは分からないけど1つ話してあげようか。ラブライブ!が、まだ年に夏冬の2回開催だった頃の、第5回冬大会で優勝した、静岡県代表のスクールアイドルの話を」
泉「! 是非」
淳平「その学校のある地域は本当に田舎で、生徒数も、毎年のように一学年1クラスしかないみたいな状況だったんだ。そんな状況じゃあ、運営もまともにできない。とある生徒の親が資本家で、多額の寄付をしてたらしいんだけど、それでも限界があった」
セラス「………」
淳平「そんなとき、とある生徒が第一回冬大会で優勝した伝説のスクールアイドル、μ'sに憧れてスクールアイドルを始めた。ラブライブ!で優勝して、学校を有名にして生徒を集めるために」
泉「私たちと同じだね」
淳平「結局、夏はダメで、ラストチャンスの冬、東海大会の結果で規定人数が揃わなければ廃校が決まる状況。結果は東海大会優勝。にも関わらず人数が揃わずに廃校が決まっしまった」
セラス「勝ったのに………?」
淳平「リーダーの女の子は、ラブライブ!に出てももう目的は達成できない。なら出ても意味が無い。そう思ったらしい」
泉「今のセラスと同じだね……」
淳平「でも、そんな時にグループをささえたのは学校の生徒達だった。『たとえ廃校になるとしても、学校の名前を、ラブライブ!の歴史に遺してくれ……』と」
セラス「っ!!」
淳平「『ラブライブ!に優勝した、そんな学校がここにあったんだと言う記録を、永遠に遺して欲しい――そうすれば、誰からも忘れられることは無い』ってね。そこからの彼女たちは強かった。立直ってラブライブ!に優勝し、今でもたまに語り継がれている。その学校の名前も………」
セラス「その、学校って……?」
淳平「静岡県沼津市、内浦と言う土地にあった、私立浦の星女学院。そしてそのスクールアイドル、『Aqours』。セラスさん、君の友達や仲間たちは、諦めることを望んでるのかな?」
セラス「っ!!」
すると、部屋の扉が開いた。
セラス「っ!みんな……」
瑞河生徒A「その人の言う通りだよ!!廃校は変えられない……でも、私たちの学校が、誰からも忘れられるなんて嫌だ!!」
瑞河生徒B「だったら、ラブライブ!の歴史に、瑞河女子の名前を遺して来て欲しい!!忘れられないように!」
セラス「っ!!」
淳平「………だってさ?」
セラス「………分かった。絶対に勝って、この学校の名前と思い出を、永遠にラブライブ!の記録に遺してくる!!」
セラスさんの目は、決意に燃えていた。もう大丈夫そうだな。
淳平「じゃ、俺は帰りますかね……」
セラス「待ってください!! なんで、ライバルの私たちにその話をしてくれたんですか?」
泉「いい話が聞けたのは良かったけど、素直に話してくれるとは思ってなかったからね……」
他の生徒たちも「なんで……?」という目で見てくる。
淳平「大切なもののために必死に頑張ってる人を気にかけてやらないほど俺は善性捨てちゃいないさ……それに―――」
淳平「どっちにしろ、勝つのは
そして、俺は蓮ノ空に戻っていった。
セラス「泉……ぜったいに勝つよ!!」
泉「ああ!」
帰った後、なにがあったか話た俺は……
梢「なんでよりによってAqoursの話なんかするのよーー!!」
瑠璃乃「ぜったいめちゃくちゃ強くなるじゃんー!!」
淳平「で、でも、あんな顔してる子をほうっては……」
さやか「そういうところは嫌いじゃないですけど、時と場合を考えてください!」
淳平「ごめんなさいーーー!!」
その後、皆にめちゃくちゃシバかれた。
ー つづく ー
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