蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第142話:最後の思い出(DOLLCHESTRA)

次の日、DOLLCHESTRAの3人に淳平が合流し――、

 

綴理「………さあ、それじゃあなにしよっか?」

 

さやか「綴理先輩たちには、やりたいことがあると聞きましたが………」

 

俺と綴理は顔を見合わせてクスッと笑い、

 

綴理「ボクたちは……ふたりがやりたいことを、やってほしいんだ」

 

さやか「わたしたちですか?」

 

淳平「うん。それを見れば、未来のDOLLCHESTRAはどんな風になるのか、そういう想像ができるし」

 

小鈴「うう、先輩……」

 

さやか「分かりました。改めて寂しくはありますが……先輩たちがそう言うのでしたら。わたしたちが綴理先輩と淳平先輩に、最高の未来をお見せしましょう!」

 

小鈴「はい!お任せください!かたっぱしから考えます!今回の思い出作りのブランを作る、徒町チャレンジです!」

 

そして、小鈴ちゃんは行ってしまった。

 

さやか「あれ!?小鈴さん、どこへ―――」

 

綴理「ふふ。せっかくだから任せてみよう」

 

さやか「そ、そうですね。小鈴さんのことですから、てんこ盛りにしてしまいそうですが………。現実的なプランに落とし込むのは、わたしの仕事か…………」

 

淳平「小鈴ちゃんとさやかちゃん、ふたりで頑張ってみて」

 

そして、さやかは「ふふっ」と笑って小鈴の元へ行こうとする。

 

綴理「……………」

 

カシャッ!

 

綴理がカメラのシャッターをきった。

 

さやか「?」

 

綴理「……………ボク、これで完成でもいいくらいだ」

 

さやか「肝心のあなたや淳平先輩が入ってないじゃないですか!」

 

――すると、

 

小鈴「徒町、考えてきました!!」

 

綴理「うかがおう」

 

小鈴「3人で登山して!春の海も見に行って!新幹線に乗って!近江町市場も見たいです!あと蓮ノ湖にピクニックもいきたいです!」

 

さやか「やっぱりてんこ盛り!」

 

綴理・淳平「「よし、全部行こう」」

 

さやか「全部!?!?!?」

 

小鈴「はい!全部を動画に収めます!さやか先輩!映画の時のカメラ、貸してください!」

 

さやか「ええ!?」

 

それからの行動は早かった。近場の山に登り、堪能したら急いで降りて新幹線に乗り福井へ行き海を見る。そしたらまた新幹線で金沢まで戻って近江町市場へ。

 

 

 

― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ―

 

 

カシャッ!

 

れいかさん「はいおっけー!」

 

綴理「ありがと、れいかさん」

 

淳平「ありがとうございます」

 

れいかさん「それにしても………寂しくなるわね。綴理ちゃんも淳平くんも、卒業かあ」

 

さやか「みなさん、先輩方が大変お世話になりました」

 

れいかさん「そうねえ……本当に、みんなでお世話したわ……もちろん、良い意味でね。立派になってくれて、我が子のように嬉しいって、店長たちも言ってたわよ」

 

淳平「本当にお世話になりました」

 

綴理「うん。みんなとも、最後に写真撮れて良かった」

 

れいかさん「大学に行っても、元気でね!」

 

綴理「たまに来るよ。その時はもう、スクールアイドルではないけれど………ボクは、ボクだ」

 

淳平「俺はめぐといっしょに海外に行きますけど、日本に帰ってきたら必ず来ます」

 

さやか&・れいかさん「「綴理先輩(ちゃん)、淳平先輩(くん)…………」」

 

 

――すると、

 

 

さやか「……………ねぇ、綴理先輩。少し、わがまま良いですか?」

 

綴理「なんでも」

 

淳平「仰せのままに」

 

さやか「今日は小鈴さんとわたしのやりたいことを見たいと、あなたたちはそう言ってくれました。だったら今、わたしにはやりたいことがあります。それは未来のDOLLCHESTRAとは、関係がないかもしれませんが………」

 

綴理「分かった……いいよ。じゃあ、今のDOLLCHESTRAをやろう。……みんなで。ジュンも、踊ろう」

 

淳平「うまくできるかは分からないけども……分かった!」

 

小鈴「じ、淳平先輩も!み、みんなでというと!」

 

綴理「もちろん――この市場のみんな。ここが、今のDOLLCHESTRAだ。一緒に、踊ろう」

 

さやか「あはは。…………はい!」

 

 

そして、近江町市場でパフォーマンスを披露し、俺たちは蓮ノ空に戻ってきた。

 

時刻は夕方。蓮ノ空の敷地内にある湖、蓮ノ湖の水面に紅に染まる太陽が映っている。

 

さやか「たくさん、撮りましたね」

 

小鈴「はい!徒町も、さやか先輩も……それから、綴理先輩と淳平先輩も撮ってくれました!」

 

さやか「ふふ、小鈴さんのおかげですよ。本当に、一日で小鈴さんのプランを完遂してしまいました」

 

小鈴「チャレンジ成功です!」

 

さやか「どうでしょうか、綴理先輩、淳平先輩。おふたりのやりたいこと……できましたか?」

 

淳平「うん。十分すぎるほどに、良い思い出になったよ」

 

綴理「ボクは今日撮ったどの写真を見ても………きっと、思い返す度に幸せな気持ちになれるはずだ」

 

さやか「なによりです」

 

小鈴「この徒町としましても、思い出は増えるに越したことはないといいますか!それから、一年生で作っている映像のためにも、撮ったものが増えたのは嬉しいです!」

 

淳平「うん、小鈴ちゃんにとっても良い機会で、良かった」

 

綴理「でも……そうだなあ。どうしてあの時、みんなで踊ろうって思ったの?」

 

さやか「そう言ったのは綴理先輩ですよ?」

 

綴理「ううん?ボクは分かったよ。さやがもとからああしたかったんだって」

 

さやか「……それは、確かにそうですが」

 

さやかちゃんは観念したのか、

 

さやか「お見通しですね。わたしはただ……未来のDOLLCHESTRAになるには、まだ早いと思っただけです。せっかく綴理先輩たちが居るのだから、綴理先輩たちが居る間に、今のDOLLCHESTRAをやっておきたい」

 

綴理「ボクたちは、寂しそうに見えた?」

 

さやか「いえ。えっと……」

 

さやかちゃんが口ごもる。

 

小鈴「はっ。徒町分かっちゃいました!」

 

さやか「へっ?」

 

小鈴「これは、徒町がそうだからというのもありますけど!さやか先輩は―――」

 

さやか「わー、待ってください待ってください!自分で言いますから!」

 

暴露しそうになった小鈴ちゃんをさやかちゃんが急いで止める。

 

綴理「?」

 

淳平「ふふ」

 

さやか「難しい話じゃないんです、綴理先輩。あまり口にしたくはなかったんですけど」

 

さやか「ただ………わたしが寂しかっただけですよ」

 

淳平・綴理「「……………」」

 

カシャッ!

 

俺と綴理は2人同時にシャッターをきった。

 

さやか「ちょっと!?」

 

小鈴「あはは、合ってました!」

 

さやか「何を笑ってるんですか、もー!」

 

綴理「じゃあ、寂しくないようにしよう」

 

淳平「ほら、さやかちゃん」

 

俺たちと小鈴ちゃんがさやかちゃんの周りに集まり構える。

 

さやか「……………」

 

カシャッ!!!

 

さやかは、自身のカメラのシャッターをきった。

 

 

― つづく ―

 




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