DOLLCHESTRAとのお出かけの翌日、俺とみらくらぱーくの3人は県内の能美市にある、手取フィッシュランドという遊園地に来ていた。
姫芽「うお〜!かわい〜!世界一かわい〜!」カシャ カシャッ!
慈「いえーい!んーまっ♡ピース!」
シャッターチャンスとばかりに撮影しまくる姫芽ちゃんに、ポージングや投げキッスなどサービス精神旺盛なめぐ。
瑠璃乃「ひめっち、めちゃめちゃごっついカメラ借りてきたね………」
姫芽「んふふふ…………。この日のために、写真部で修行してきました〜。るりめぐの思い出を写すためとなれば、このぐらいは…………!」
淳平(昨日2日居なかったって聞いたけど、そこまでしてたのか………)
姫芽「ほらほら、るりちゃんせんぱいも淳平せんぱいも、めぐちゃんせんぱいのお隣に!カメラマンなら、アタシに任せてくださいね〜!」
淳平「俺も良いの?」
姫芽「はい!淳平せんぱいは特別です〜!」
瑠璃乃「ひょっとしてひめっち、きょう写る気なかったりする?」
姫芽「ぎく。い、いえ、そんなことはぁ………。で、でも仕方ないですよね〜!このカメラ、すっごく操作が複雑で〜!修行しないと使いこなせませんからね〜!アタシしかできませんね〜!」
瑠璃乃・淳平「「この子、自分が写らない理由を作るために、そこまですんの!?」」
俺とルリちゃんの声がハモる。すると――、
慈「じゃ、スマホで撮ろうっと。はいチーズ♡」
めぐがスマホのシャッターをきり、姫芽ちゃん含めたみんなを収めた。
姫芽「あっ。し、しかし〜!せっかくいいカメラを借りてきたのに〜………!」
慈「甘いね、ツマヨウ寺ちゃん。めぐちゃんは………どんなカメラでも!かわいい!」
姫芽「そっ……!それは確かに………!」
慈「いくよ、ジュン、るりちゃん、姫芽ちゃん!きょうはこの遊園地を、みらくらぱーく!が制覇するのだ!」
姫芽「うう……やはりまだまだめぐちゃんせんぱいには及びません〜〜………」
慈「あはは!先回りして私たちのスマホをぶっ壊しておく、ぐらいのことはしてみせるんだね!」
瑠璃乃・淳平「「困るよ!?」」
瑠璃乃「まったくも〜……。いつも通りのみらくらばーく! だし。これじゃただ遊びに来ただけみたいじゃん」
ルリちゃんは「よし!」と何かスイッチをいれると、
瑠璃乃「ふたりとも!実はあっちの方に、ナイスフォトスポットがあってね――」
ルリちゃんの案内でそのフォトスポットとやらに行く俺たち。そのスポットで写真を撮ると、
淳平「ルリちゃん、この遊園地よく来るの?」
瑠璃乃「うん。なんと釣り堀がありますからね!」
慈「てか、ゲーセンもあるし。なんかすっごく私たちにぴったりって感じしない?」
姫芽「まさに石川県のみらくらぱーく!ですね〜」
瑠璃乃・淳平「「それはただのみらくらぱーく!なんよ」」
またしても一言一句違わずハモるルリちゃんと俺。
そして、次はどのアトラクションに乗るか相談する。
瑠璃乃「ほら、めぐちゃん、ジュン兄ぃ、次はどこに行きたい?乗り物乗る?」
慈「あら。ワタクシたちがすべて決めてよろしいのかしら?」
淳平「いいのか?」
瑠璃乃「当たり前じゃん。だってきょうは、ふたりとの思い出を作りに来たんだから。ふたりに楽しんでもらうのが、いちばんだよ。ね、ひめっち」
姫芽「ハッ。コホン。もちろんですよ、お嬢様、坊ちゃま〜。あなたたちの願いを、叶えさせてくださいませ〜」
ふーん
慈「そこまで言うなら、仕方ありませんわね!じゃあ、このワガママプリンセス藤島慈と執事のジュンが、ふたりのこと、思いっきり振り回しちゃうんだよ!」
淳平「誰が執事だよ………」
瑠璃乃「ふふっ。めぐちゃんが楽しんでるところ、はしゃいでるところ。かわいいところ。いっぱい撮るからね。ルリたちに任せて」
慈「う///」
姫芽「シャッターチャンス………!」カシャッ!
めぐが照れた一瞬を狙ってシャッターをきる姫芽ちゃん。
慈「ちょ、今のはダメ!」
姫芽「うぇへへへ〜!最高にかわいい写真が撮れました〜!」
慈「顔作ってなかったから!もう一回もう一回!こらー!姫芽一!」
姫芽ちゃんを追いかけ回すめぐを見ている俺とルリちゃんは、
淳平「やれやれ………」
瑠璃乃「ふふ。あれがめぐちゃんだよね。それじゃあ、めぐちゃんのために楽しもっか!写真もたくさん忘れずに!」
そして、釣り堀にゲームセンターと、時間をかけて堪能した俺たち。釣り堀ではルリちゃんの竿に結構なアタリが来ておりめぐはなかなか来なかった。暇になったのかルリちゃんの肩に頭を乗っけて居眠りするめぐがかわいかった。
ゲームセンターでは姫芽ちゃんもめぐもルリちゃんも競い合ったり協力プレーで楽しそう。対戦ゲームではやはり姫芽ちゃんには誰もかなわなかった。
―――そして、夕暮れ時になり俺たちは観覧車に乗っていた。
姫芽「夕焼けのめぐちゃん……きれいです〜……。淳平せんぱいも絵になりますね〜」
慈「ふふ、ありがと」
淳平「ありがと」
姫芽「るりちゃんせんぱいもぜひ一緒に、一緒に〜………」
瑠璃乃「はいはい。………………今日は、楽しかったね」
姫芽「はい、心から。めぐちゃんせんぱいたちも……今日はしっかり、楽しめましたか〜?」
淳平「うん、すごく楽しかったよ」
慈「姫芽ちゃんは、私たちと一緒にいるといつも誰よりも楽しそうだからね、そりゃ私だってつられちゃうっていうかさ」
姫芽「ふへへ〜。自分が今すっごく楽しんでるってことは、一緒にいる人に伝えられるんだって知りましたからね〜。広がれ熱!ってやつです〜」
淳平「ルリちゃんはルリちゃんで、きょうも姫芽ちゃんがちょっと疲れたりおなかすいたりしたらすぐ気付いてくれたしね。最近は充電回数も減ってきたし、一緒にいる人に寄り添うって意識がもう根付いてる感じする」
瑠璃乃「そうかな。…………そうかも。みんなのおかげかな」
姫芽「はぁ、至福のときです〜……………。本当に……ほんとに……………………………」
瑠璃乃「ひめっち?」
姫芽「あ、いえ〜…………」
すると、姫芽ちゃんの目に涙がこぼれる。
姫芽「…………あっ、もぉ〜……ごめんなさい〜…………きょうは一日、楽しもうと、思ったんですけど〜……」
慈「いいんだよ、姫芽ちゃん」
淳平「俺は嬉しいよ。姫芽ちゃんが泣いてくれて」
姫芽「アタシ、チームが解散したときも、泣かないようにって自分に言い聞かせてたんで。だって、これは別れじゃなくて、旅立ちだから……みんな、次の夢に向かうんだから、って………」
姫芽「―――でも、でも。もうるりめぐが一緒にスクールアイドルしてるところが、見れなくなるの……やっぱり、悲しいです〜…………。ごめんなさい。こんなこと言っても、先輩たちを困らせるだけだって、わかってるのに……………」
俺とめぐ、ルリちゃんは顔を見合わせる。
瑠璃乃「ぎゅ」
姫芽「るりちゃんせんぱい……」
慈「ぎゅ〜」
姫芽「めぐちゃんせんぱい…………」
淳平「よしよし」
姫芽「淳平せんぱい……」
慈「じゃあ、約束してよ。来年、今度はふたりが、私たちの背中を押してくれるって」
姫芽「るりちゃんせんぱいと、アタシで………?」
慈「あのねえ。ジュンが居るとはいえ、私たちだけで外国行くんだよ?ステージの上の藤島慈が無敵なのは当たり前だけどでも、ちょっとはビビるっての。そんなときさ。ふたりが蓮ノ空でがんばってるのを見たら、たぶん、元気出てくるから。もし立ち止まりそうになったときでも、くじけず、がんばれるから」
慈「――どこまでも、走っていけるから!………できる?約束」
姫芽「で―――。できます!!」
慈「良いお返事。それでこそ、みらくらぱーく!それでこそ、私の弟子!」
姫芽「えへへ………」
瑠璃乃「………うん」
瑠璃乃「みらくらぱーく!はいつだって、世界中を夢中にするんだよ。来年も、もっともっと進化し続ける。約束する。遠い空の下のめぐちゃんたちのことだって、夢中にするに決まってるんだから」
瑠璃乃「楽しみにしててよね!」
慈・淳平「「うん、めちゃくちゃ楽しみにしてる!」」
― つづく ―