花帆たちと卒業生が一足先に再会。その後、卒業生たちはみんなに連れられて部室へと向かった。
花帆「みんなー! センパイたちが帰ってきたよー!」ガチャ
花帆が部室の扉を開ける。すると、中から皆が出てきた。
吟子「梢先輩、淳平先輩!」
小鈴「綴理大先輩!!」
俺たちを見て顔を輝かせる吟子ちゃんと小鈴ちゃん。――そして、
姫芽「めぐちゃんだあああああああああああッ!! うぉおおおおん!!」
近い間に会ってはいたが、やはり姫芽ちゃんはめぐを見て号泣する。
慈「めぐちゃんだぞ! ハロめぐ〜!」
しっかりとファンサは忘れないめぐ。
姫芽「ペンラ! アタシのペンラは〜!?」
焦って自前のペンライトを探す姫芽ちゃん。淳平、梢は苦笑。綴理は微笑みながら姫芽ちゃんを見ていた。
瑠璃乃「ルリにもこの反応をしてほしかったとかマジ?」
相変わらずだな………。
小鈴「綴理大先輩、お久しぶりです! 徒町です! 徒町小鈴です!」
綴理「すずも、おいで」
小鈴「わーい!!」
喜んで綴理の胸に飛び込む小鈴。綴理は小鈴を撫でながら…。
綴理「いちばん星の匂いがするね」
小鈴「はいっ。徒町はこの一年、がんばりました! ピカピカになれるよう、がんばってきました!」
俺たちもスクコネのみんなの配信でちゃんとチェックしていた。
小鈴ちゃんの成長率は間違いなくNo.1だ。
綴理「わかるよ。おっきくなった」
小鈴「わかりますか!?」
綴理「みんなみんな大きくなった。だけど、すずがいちばんこの一年で、 跳べる高さが増したね。すごいよ。がんばったね」
そしてそれは、綴理もちゃんと感じ取っていた。
小鈴「はいっ!」
DOLLCHESTRAは、小鈴の成長を喜ぶ再会。
吟子「あ、えっと………梢先輩、淳平先輩!」
吟子ちゃんが俺と梢の胸に飛び込んできた。
梢「あら…。あなたから来てくれるなんて」
淳平「自分の気持ちに素直になれたんだね。」
吟子「……こ、これは……その、勢いで……!」
淳平と梢は優しく笑って吟子の頭を撫でる。
淳平「吟子ちゃんもこの1年で、ずいぶんと前に進んだみたいだな。前にあったときとは別人だ」
吟子「はい、いろいろと、その……がんばってきた、つもりです」
ひょっとして……
梢「花帆の影響?」
ボソッと吟子ちゃんに耳打ちして聞く梢。
吟子「………そっ、そうですね……。それは、まあ、はい……」
花帆「?」
聞こえてない花帆。良かった。
吟子「…………。あとでいっぱい話聞いてくださいね、梢先輩、淳平先輩! 私がこの1年、どんなに苦労したのかを」
花帆「えーっ!?」
梢「ふふ、もちろんよ。楽しみにしているわ」
淳平「うん。聞かせてもらうよ」
スリーズブーケは、吟子ちゃんが自分の感情を表に出せるようになり、内面的に素直になったことを梢と淳平が喜び……。
それぞれのメンバーがユニット同士で再会を喜ぶ中、この二人は……
泉「前に帰ってきた時とはわけが違う。感動の再会、だね」
セラス「うん……。泣ける……!」
Edel_Noteの2人は、それを静かに端っこで見守っていた。――すると、
吟子「ってなにふたりとも、観客みたいな顔してるの。ほら、こっち来て」
吟子ちゃんが泉とセラスさんの手を引っ張って連れてくる。
泉「おっと?」
小鈴「泉ちゃんとセラスちゃんも、知らない仲じゃないからね!」
セラス「わ、わ」
姫芽「もう2度もご挨拶しましたけど、 改めて。アタシたちの新しい仲間ですよ〜!」
泉「感動の再会に水を差さないよう、 大人しくしていたんだよ……。お久しぶりです。皆さん、お元気そうで」
セラス「ご無沙汰しております! このたびは一緒のステージに立てることになり、嬉しいです!」
梢「あら……セラスさんは、12月に会ったときはもう少し砕けた様子だったと思うのだけれど」
セラス「すっ、すみません! あのときはイベントの後ということもあって、少々浮かれてました! このたびは粉骨砕身の覚悟で、"Bloom Garden Party"を成功させるために尽力させていただきますので、なにとぞよろしくお願いいたします!」
堅いなあ………。苦笑する淳平と梢。
慈「ちょちょちょーい。なんか私たちが引退したのに帰ってきためんどくさい先輩みたいじゃん! いいっての、気にしないで!」
綴理「そうだよ? ボクたちも、ずっと"Edel_Note"の1年を見てきたんだから。……いずがスクールアイドルになっていくその姿。せらが、光を放ちながらたくさんの人を惹きつけていくその姿を。きみたちも、ボクの大好きなスクールアイドルだ」
綴理の言葉に頷く卒業生一同。
淳平「綴理の言う通りだな。こちとら困った後輩や同級生にも慣れっこだからな」
梢「どういう意味かしら……でも、急にかしこまらなくたっていいのよ。いつも通りで構わないから」
セラス「お、オトナのお姉さん先輩……! 器が、でっけえや……!」
セラスさんはコホンと咳払いすると改まり、
セラス「わかりました………。そう言っていただき、光栄の極み。先輩方のことは、淳平先輩、梢先輩、綴理先輩、慈先輩とお呼びさせていただきます!」
泉「じゃあ、えっと……。部内でいつも通りというと、 私は敬語を取っ払うことになるんだけど」
泉はみんなを見渡す。
姫芽「ん?……なんでみんなを見てるの?」
泉「私が先輩方に馴れ馴れしく話しかけたら、怒られそうな気がして」
姫芽「人をなんだと思ってんだ〜!」
さやか「そうですよ?」
皆が優しく泉に笑いかける。そんな事で怒る皆じゃないだろうに……。
泉「だそうだ。よろしく、淳平」
花帆&さやか&瑠璃乃&梢&綴理&慈『おいコラちょっと待て』
形相が変わった6人。口が悪くなり、背筋が冷えるような殺気を放つ。怖っ!
泉「怖いな!? ……まあ、冗談はさておき。改めてよろしくお願いします。慈先輩、梢先輩、綴理先輩、淳平先輩」
セラス「おなしゃーす!!」
綴理「おなしゃーす」
2人とも改めて挨拶を交わす。
さやか「さて、泉さんにはあとでO☆HA☆NA☆SHIするとして……」
泉「え"?」
焦る泉。
泉(不味い……。先輩方の地雷を踏んでしまったかな)
とうしたものかと考える泉。
梢「配信で見てはいたけれど、面白い子たちね……」
慈「というわけで! 私たちは、蓮ノ空に帰ってきたぞー!」
全員『おかえりなさーい(おかえりなさい)!』
皆が「お帰り」と言ってくれるのを聞くと、帰ってきたという感覚がしてくるな。
綴理「ただいま」
梢「あなたたちの開く、"Bloom Garden Party"に参加するために、こうして金沢に戻ってきたわ」
淳平「本当に、すごいイベントを作ったな。みんな」
綴理「でも、参加するためだけ……じゃないよね」
慈「そうそう、4人で話してたんだよね」
俺たちがそう言うと、首を傾げるみんな。
吟子「というのは?」
慈「私たちは、"Bloom Garden Party"のイベントフィナーレ……つまり、Fes×LIVEを兼ねたステージでは、さすがにユニットでの楽曲を一緒にやるのは、どうかと思ってるわけ」
その言葉を聞いてショックを受けた花帆たち。
花帆「そうなんですかぁ〜!?」
小鈴「今年の、ユニットの集大成になる曲のことですよね? 徒町は、気にしませんけど……」
梢「このライブの主役はあなたたちなのだから、卒業生がそこまで出しゃばるのは、ね。代わりに、全員での曲には喜んで参加させてもらうわ」
淳平「それを踏まえて」
綴理「"Bloom Garden Party"の、オープニングライブを開くのは、どうかな?」
花帆「オープニングライブ……!」
目を輝かせた花帆。"やりたい!モード"に入ったな
梢「そう。せっかくのイベントなのだから、華々しく開幕するのは、どうかしら。もちろん、もうひとつ全員で歌うための新曲を作って、ね?」
慈「最初に一発ドデカい花火をあげて、テンションブチあげるんだよ! そして、それができるのは蓮ノ空学院スクールアイドルクラブだけでしょ!」
瑠璃乃「いいじゃん!」
ほぼ全員が乗り気だ。ただ――、
さやか「なるほど……。いや、しかし…スケジュール………!」
現実的な事で悩むさやかちゃん。やっぱり部長に推薦したのは間違ってなかったな。
――けど、今回は……。
梢「なにを言っているの、さやかさん」
慈「そのために、私たちが帰ってきたんでしょ!」
綴理「曲作りも、一緒にやろう。ボクも久しぶりだけど、でも、きっと大丈夫」
小鈴「おおお……徒町は、ぜひやりたいです!」
感激する小鈴ちゃん。セラスさんも、
セラス「せっちゃんも! せっちゃんもやります!」
乗り気なようだ。
姫芽「せんぱい方となら、なんとかなりそうじゃないですか〜?」
さやか「そう、ですね。どうにもならなかったときは、そのときはそのときです!」
泉「手伝いに来てくれたと思ったら、仕事を増やしに来たとはね………。ふふふふ。 大した先輩方だ」
淳平「そう言いながら、楽しそうじゃん」
泉「実際楽しいからね」
笑い合う淳平と泉
花帆「ふふ」
さやか「嬉しそうですね、花帆さん」
花帆「そりゃね。………こうやって、みんなでまた会えればって思ってたんだ」
瑠璃乃「がんばったね」
花帆「うん。改めて見ると……すごい光景だなあ。みんなが、いる……。これなら、作れるよね?」
作る?
梢「あら。他にも何か作るの?」
花帆「はい! ……センパイたちの…アルバムの続きです!!」
さやか「先輩たちと作る"またいつか"。その時が来ましたから」
瑠璃乃「ね、めぐちゃん!」
みんなの言葉に、微笑む淳平、梢、綴理、慈。
梢「そうね……いつかまた、みんなで」
慈「そのときが来たって思うと、なんかエモいじゃんね」
綴理「進む時計の針は、悪いことだけじゃない。嬉しいことだって、連れてきてくれるんだ」
花帆「そして今度は、新しく加わったふたりのメンバーも加えて! ふたりも、一緒に写ってくれる?」
セラス「もちろん!」
泉「喜んで」
花帆「やったぁ! 一年前のあたし……ちゃんとここまで来たよ」
花帆が取り出したアルバムを見ると、急に顔が硬直した。
花帆「………まずい」
吟子「花帆先輩?」
花帆「一年前のあたしは、バカ………!」
さやか「ど、どうしたんですか!?」
花帆「"Bloom Garden Party"の思い出が、こんなサイズに収まるわけがない!!」
まあ、確かに……
さやか「それは、その……」
花帆「どーしよ!センパイたち、そのアルバムはそれはそれとして、新しくアルバム用意しますね!」
慈「それは感動がなくない!?」
瑠璃乃「完成は完成で、一枚用意した方がいいんじゃ……」
慌てる花帆たち。すると、
綴理「……かほ」
花帆「はい!」
綴理「いっぱいの思い出を、一枚の写真に収めよう。それなら、ボクたちのアルバムも……嬉しい」
淳平「あ、なるほど。綴理、やっぱお前すごいな……」
綴理 ブイ!
花帆「いっぱいの思い出を……そっか! さやかちゃん、瑠璃乃ちゃん、ちょっと付き合って!」
さやか「は、はい!」
瑠璃乃「ほいさー!」
姫芽「いや〜……去年が帰ってきた感じがしますねえ」
皆がしみじみとしていると、
花帆「もどりました〜!」
淳平「あ、お帰……り?」
さやか「重かった……」
瑠璃乃「ふぃ〜……」
3人が持ってきたものとは……
小鈴&姫芽「「これは………」」
吟子「花というより……」
セラス「木?」
花帆「そう。これは木! でもね、写真を……それこそほら、短冊みたいにしてあげることで!」
花帆が木に写真を吊るすと、
花帆「じゃーん! お花が一輪、咲きましたー!」
小鈴「おおー!!」
さやか「……良いですね」
綴理「ふふ。写真たちを、写真に撮ろうとは思ったけど。その写真たちを着飾ってくれるなんて」
吟子「ちょうど部室に飾りもなかったし、いいんじゃないかな」
姫芽「それにこれ、飾るところもいっぱいある、ということは……今からたくさん思い出作りもできますね〜!」
泉「私たちの手で、一輪ずつ花を咲かせていくのか。悪くないね」
セラス「いっぱいいっぱい、笑顔を咲かせちゃおう!」
慈「オープニングライブを開くための準備も、楽しくできそうじゃん」
梢「ええ、本当に」
花帆「名付けて、アルバムツリー! せっかくセンパイ方が帰ってきたことですから! 思い出を作りながら、いろんな準備を進めていきましょう!!」
花帆はみんなを見渡す。
淳平(ホント、素敵な部長になったな……)
花帆「これまでの思い出と、この"Bloom Garden Party"での新しい思い出を、たくさんたくさん乗せて……満開にしようね!!」
― つづく ―
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