蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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 瑠璃乃の作った"能登大観光!"だが、その出来栄えは……

 そして瑠璃乃たちがやってきたのは!?


『能登はやさしや土までも』②

 

 

 ― スクールアイドルクラブ部室 ―

 

スクールアイドルクラブ『"おいでよ!能登大観光"〜っ!?』

 

 部室で、瑠璃乃の能登をPRする新曲の制作が発表された。

 

 

泉「能登といえば瑠璃乃先輩の故郷だったね。どんな思いを込めたのか、楽しみだよ」

 

吟子「それに、もう嬉しいです。本当は前の"おいでよ!石川大観光"でも、もっとたくさん石川のことを扱いたかったので」

 

姫芽「あの曲を聴いて石川に行ってみたい。って思ってくれた人もたくさんいたしね〜」

 

 そう。"おいでよ!石川大観光"はその反響がすさまじく、金沢への観光客が激増したのだ。

 

瑠璃乃「『だったら同じことをもう 1度しようよ』ということで、さあどうぞ」

 

 どうやら、曲はもうできていたらしい。

 

小鈴「もうできてたんですね!」

 

さやか「では早速聞かせていただきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スクールアイドルクラブ『…………………』

 

瑠璃乃「どうかな? 忖度ない意見をおなシャス!」

 

 みんなの意見は………、

 

さやか「地味ですね」

 

花帆「地味だ」

 

泉「地味だね」

 

セラス「ばっさりと言った!?」

 

 

 バッサリと斬られた瑠璃乃の曲。

 

さやか「あいえ、これは能登が地味ということではなくてですね。曲が地味と言いますか……」

 

瑠璃乃「フォローになってないよ!!」

 

 ジャックナイフ村野で死体蹴りされる瑠璃乃。

 

姫芽「穏やかな曲調でるりちゃん先輩らしいんですけどね」

 

花帆「『能登には美味しい魚も綺麗な海もある。暇だったらちょっと来てみて。嫌だったらいいよ。大丈夫。みんなもみんなの故郷が一番だよね。分かる分かる』地味というか変な遠慮が多い」

 

小鈴「応援ソング……?」

 

瑠璃乃「ッ!! あの小鈴ちゃんが本気で困惑してるってことは相当まずい!!」

 

小鈴「え?」

 

瑠璃乃「よく分からなくても大体はすごいですって言ってくれる子鈴ちゃんが!!」

 

小鈴「徒町なんだと思われてるんだ!!」

 

 憤慨する小鈴。

 

瑠璃乃「吟子ちゃんはどう? "おいでよ!石川大観光"の生みの親として」

 

吟子「私ですか? 生みの親という意味では、あれはみんなで作った曲ですけど……でもそうですね。私はこう思いました。瑠璃乃先輩の好きな能登ってこんなものなの? って。もちろんそうじゃないだろうことは私も分かっています。でもこの曲だけだとそう聞こえてしまいます。みんなの故郷を尊重するのもいいですが、能登に来てほしいと願う以上、能登が魅力的なところだと伝えられないと意味がないです」

 

瑠璃乃「あ…………」

 

 瑠璃乃の口から溢れる気づき。

 

吟子「それとも、瑠璃乃先輩にとってそんなに魅力がないところですか?能登って」

 

瑠璃乃「そっか、そんな風に思われちゃいけないよね。能登は、本当にいいところなんだ!! 吟子ちゃん、手伝ってしいことがある」

 

吟子「何でしょう?」

 

瑠璃乃「一緒に能登に来てほしい。ルリが能登の良さを伝えるから作曲手伝って!」

 

吟子「それは……はい、ぜひに。石川の魅力を発信するために、できることなら何だって」

 

瑠璃乃「このままじゃ声をかけてくれた能登のスクールアイドルにも顔向けできないからね」

 

 奮起する瑠璃乃。作曲のために、能登へと向かうようだ。

 

泉「なるほど。歌の前に瑠璃乃先輩による能登大観光ツアーか」

 

小鈴「徒町も能登行ったことないので行きたいです!!」

 

瑠璃乃「よーし! それじゃあ、最高の能登大観光を作るためにみんなに能登を案内させて!!」

 

 

 そして次の日―――、

 

 瑠璃乃、小鈴、泉、吟子の3人は能登にやってきた。

 

 

瑠璃乃「ルリは能登に帰ってきた!」

 

吟子「………………」

 

 吟子は、背後にある巨大なイカのオブジェを見て、気になって無言になっていた。

 

小鈴「ここが、瑠璃乃先輩の地元なんですね!!」

 

瑠璃乃「どっちかって言うと、この能登町は長期休みに帰る。おばあちゃんちなんだけど。でも、そう。でも、楽しみだなぁ。面白いメンバーになったこともあるしね………」

 

小鈴「そう言われてみると」

 

 中々このメンバーで一緒になることは確かになかったかもしれない。

 

泉「本当は瑠璃乃先輩の思う通り、みんなで来られたら良かったんだけどね」

 

瑠璃乃「え、ルリ言った?」

 

 焦る瑠璃乃。

 

泉「顔には出てた」

 

小鈴「色々やること肩代わりしてくれたさやか先輩たちのためにも、こっちのチームは能登大観光。しっかり完成させましょう!!」

 

瑠璃乃「そうだね。ありがとう」

 

吟子「あの、それもいいんですけど……」

 

 吟子がおずおずと手を挙げる。

 

瑠璃乃「お?」

 

吟子「ずっと気になってたんですけど。これ何ですか?」

 

瑠璃乃「これ? え、イカキングをご存じない!?」

 

吟子「イカキング…聞いたことはあった気がするけど」

 

 吟子も聞いたことはある気がするので、『イカキング』のなまえを頭の隅から引っ張り出しにかかる。

 

 だが、中々思い出せない。

 

瑠璃乃「石川女子、憧れの映えスポットのはず!」

 

吟子「憧れ?」

 

瑠璃乃「吟子ちゃんは金沢しか知らないようだねえ」

 

 得意げな瑠璃乃。

 

吟子「そういう問題なん?」

 

泉「金沢にあらずんば石川にあらずってことかい?」

 

吟子「そんなこと言ってなくない?」

 

 泉にからかわれる吟子。

 

泉「さて、金沢を除く石川女子高生の憧れスポットにやってきたわけだが」

 

吟子「これ以上いじるな」

 

瑠璃乃「吟子ちゃん、こちらはイカキング。ルリの留学中に能登町に爆誕した。大人気格好スポット!」

 

吟子「な、なぜイカ?」

 

瑠璃乃「そもそもイカがここの名産なんだよ。すぐそこで色々食べられるから一緒に行こうね」

 

吟子「え、待ってください。あ、これに見られながら食べるんですか?」

 

 困惑する吟子。

 

瑠璃乃「え、うん」

 

吟子「なんかものすごく責められているような気になりませんか?」

 

瑠璃乃「そう? イカの王様だから寛容だよ。きっと」

 

小鈴「イカキングのコンセプトは、『食うか食われるか』。だって」

 

吟子「寛容じゃない!?」

 

 

― つづく ―




瑠璃乃の故郷である能登は私はまだ蓮ノ空のハの字もない頃。約18年くらい前に行ったきりなのでまた行ってみたいですな。

イカは食べられない(苦手)ですが……
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