蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第十章 ルリめぐ・ファンファーレ
第46話:藤島慈


〜7年前〜

 

慈『ありがとうね、るりちゃん。すごくかわいいよ、この靴』

 

瑠璃乃『あのね、めぐちゃん……。ルリもね、ちょっとずつ友達、増えたよ。頑張ってるんだ。めぐちゃんとジュン兄ぃにも、いつか笑顔を届けられるように』

 

慈『ふふーん。でも私、どんどん先に行っちゃうよー?るりちゃんのくれた靴なら、どこだって走っていけるもん!』

 

瑠璃乃『そ、それは……。その、だったら!外国とか行って、すっごくビッグになって、いっきにめぐちゃんたちに追いつく!飛行機で!』

 

慈『ん。そしたら、また3人で楽しいことができるね』

 

瑠璃乃『そうだよ!また一緒に3人でやろうよ!必ず追いつくから!』

 

慈『うん。待ってる!』

 

 

 

 

 

ー 現在 ー

 

俺たちは部室で慈のチャンネル、"ハロめぐチャンネル"を花帆たちと見ていた。

 

慈『ハロめぐ〜!全国五千万人のめぐ党さん、藤島慈だよ。今日も元気だった?どう?慈ちゃんに会えなくて寂しかった〜?』

 

花帆「あっ、この人!」

 

さやか「淳平先輩の幼馴染って梢先輩が言ってた……去年スクールアイドル部に居たっていう……」

 

花帆「それに、梢センパイのお見舞いにも来てた!」

 

瑠璃乃「めぐちゃんとジュン兄ぃの2人は、ルリのお姉ちゃんとお兄ちゃんなんだ。前からね、誘ってもらってたんだ。スクールアイドル楽しいから、一緒にやろうよ、って」

 

さやか「でも……確か……」

 

花帆「部活では一度も見たことないし、確か怪我したって……」

 

瑠璃乃「え、めぐちゃんが怪我!?どういうこと?」

 

ルリちゃんは花帆に詰め寄る。

 

花帆「ちょっ、近い!梢センパイ説明してあげてください!!」

 

梢「そうね……瑠璃乃さんには、話しておいた方がいいでしょうね。慈は、藤島慈さんは、きっともう、スクールアイドルクラブには戻ってこないわ」

 

瑠璃乃「えっ?」

 

梢「花帆さんたちには言ったけど、彼女は去年のラブライブ地区予選に向けての練習中に怪我をした。でも、怪我自体は、もうとっくに完治してるの」

 

瑠璃乃「え?じゃあなんで……」

 

淳平「慈は、その時の事が相当ショックだったらしくて精神に異常をきたしてな。普段は大丈夫だけど、ステージに上がると、その時の事が脳裏にフラッシュバックして、足が竦んで踊れなくなってしまったんだ」

 

さやか「!! まさか……イップス?」

 

淳平「さすが、スポーツをやってるさやかちゃんは知ってたか。医者からそう言われた。踊れないと知った慈は、スクールアイドルであることを……辞めてしまったんだ……」

 

瑠璃乃「っ!! ルリ、めぐちゃんに会いに行かなくちゃ!!」

 

ルリは走って寮に行ってしまった。

 

花帆「瑠璃乃ちゃん!? さやかちゃん、あたしたちも行こう!」

 

さやか「は、はい!!」

 

そして、1年生3人は女子寮の慈の部屋に向かっていった。

 

梢「あの子たち……また、奇跡を起こしてくれないかしら……」

 

淳平「さすがに、希望的観測すぎるけど……でも、」

 

綴理「うん、ボクとこずを助けてくれたみんななら……もしかしたら……」

 

淳平「ま、俺たちも必要なことはやるけど…」

 

梢「そうね……」

 

 

〜 女子寮 〜

 

花帆「ここ、慈センパイのお部屋?」

 

さやか「瑠璃乃さん、とっくに調べていたんですね………」

 

瑠璃乃「うん……」

 

瑠璃乃は扉をノックする。

 

瑠璃乃「めぐちゃん、開けて。るりだよ?」

 

ガチャ

 

扉が開いた。

 

慈「久しぶり、るりちゃん……。ごめんね、日本に帰ってきたのに。お迎えにも行けなくて」

 

瑠璃乃「そんなこと、別に、いいよ。……どうして、怪我して踊れなくなったって!なんで!なんで言ってくれなかったの!?一緒にスクールアイドルやろうって言ったじゃん!なのに、どうしてずっと!」

 

慈「……。こんなところで大きな声を出したら、迷惑だよ、るりちゃん」

 

瑠璃乃「め、めぐちゃん……?」

 

慈「ごめんね、今週ちょっと作業詰め込んでて疲れてるの。花帆ちゃん、さやかちゃん」

 

花帆「あっ、はい」

 

さやか「な、なんですか?」

 

慈「こないだの蓮空祭のステージ、よかったよ。じゃあね、また」

 

瑠璃乃「め、めぐちゃん!ルリと、一緒に……」

 

そして、扉は閉まってしまった。

 

慈「……………………」

 

扉の向こうで、慈は自身の足を気にしていた。

 

 

 

 

瑠璃乃は夕暮れのベンチで座りながら花帆とさやかに話していた。

 

瑠璃乃「めぐちゃんは昔から、ルリの憧れだったんだ……それでたまに失敗すると、いつもジュン兄ぃがフォローしてくれて、ルリもめぐちゃんもジュン兄ぃも3人でいつも一緒にいた……。いつだって先に新しいことを始めて、真っ先に走っていくのはめぐちゃんだった……。不思議とね、ジュン兄ぃとめぐちゃんと居るときだけは、充電切れなかったんだ……。そんなめぐちゃんが、一緒にスクールアイドルやろうよって誘ってくれて、嬉しかった。また2人と、楽しいことができるんだって。だけど……」

 

花帆「だ、だからって!あんな言い方ないよ!せっかく瑠璃乃ちゃんが会いに来たのに、あんな追い返すみたいな!久々の再会なんでしょ!?ひどいよ!」

 

 

瑠璃乃「うん……。でも、急に押し掛けたのは、ルリもそうだから………」

 

花帆「でも、でも!……ううー……ごめん……」

 

瑠璃乃「めぐちゃん、もう、スクールアイドル好きじゃなくなったのかなぁ……」

 

さやか「……それは、どうでしょう」

 

瑠璃乃「さやかちゃん?」

 

さやか「さきほど、慈先輩の新しい動画がアップロードされていました。それに慈先輩は、わたしと花帆さんのことも、ちゃんと知っていました」

 

花帆「……応援、してくれてるってこと?」

 

さやか「本当にスクールアイドルクラブが嫌いになったなら、手間ひまをかけて、こんな動画を作ったりはしないと……わたしは思います」

 

瑠璃乃「めぐちゃん……。あ、あのさ。事故のショックが原因だってジュン兄ぃ言ってたよね。怪我はもう治ってるって」

 

さやか「え、ええ……」

 

瑠璃乃「それって、めぐちゃんがやる気になったら。また、踊れるようになるかもしれないって、ことだよね?だったらルリ、やりたい!ルリ、これくらいで諦めたりなんてしない!もう部活辞めるなんて言わないよ!絶対、めぐちゃんをスクールアイドルに復帰させてやる!」

 

花帆「でも、どうやって……?」

 

瑠璃乃「それはね、いい考えがあるんだ!」

 

果たして、瑠璃乃の考えとは?

 

 

ー つづく ー




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