翌日、スクールアイドル部室。
瑠璃乃「ルリ、夏休み中にすっげーライブをします!」
淳平「えっ?」
瑠璃乃「めぐちゃん、蓮ノ空スクールアイドルクラブの大きなステージは、欠かさず見てるみたいだから!だったら、めぐちゃんをその気にさせるために、まずルリが頑張ることにしたんだ!めぐちゃんの心に火をつけるような、メラメラのスペシャルサマーライブやっちゃえばいいじゃん!って!」
花帆「瑠璃乃ちゃん……、いいね!それすっごく良いと思う!」
瑠璃乃「だしょだしょ!」
梢「そう、ライブ……。いいわね。ただ、入部早々ライブをやり切るのは、いくら瑠璃乃さんでも大変よ?人の心を動かすものなら、なおさら」
瑠璃乃「そこは先輩方に、どーんっと特訓してもらって!」
梢「へえ……どーんと……」
花帆「だめだよ瑠璃乃ちゃん!気軽に梢センパイにそんなこと言っちゃ!ミイラにされちゃうよ!?」
花帆がそう言うと梢は少し怒った口調で、
梢「花帆さんのドライフラワーは、さぞかし綺麗でしょうね」
花帆「ヒィっ!淳兄ぃ助けて!!」
淳平「自業自得だろ……」
花帆「そんなーーっ!?」
すると、
綴理「はい」
さやか「どうしたんですか?綴理先輩。おねむですか?」
綴理「いや、違、ボクなんなの。じゃなくて、合宿したい」
淳平「合宿かあ……」
綴理「去年、海に行こうかって話があって」
花帆「海!?」
梢「そういえば、あったわね。なんだかんだで立ち消えになっちゃったけれど、よく覚えていたこと」
綴理「うん。『今日は海に行くのかな。どうかな』って毎日思ってた」
梢「そう……」
さやか「サンタさんからのお手紙を待っている子みたいですね……」
花帆「え!?海!海行きたいです!ね、瑠璃乃ちゃん!ね、ね!」
瑠璃乃「うん。いつも波が荒くて、ひとっこひとりいないような冬の海とか、最高だよね」
花帆「あたしの思う海と違う!?」
瑠璃乃「くっ……、うっ……。でもでも、たとえめちゃくちゃ人ばっかりの海水浴場だとしても……合宿は行きたい!」
さやか「えっと、大丈夫ですか?その、普段よりも一緒に過ごす時間が長くなると思うんですけど、充電とか……」
瑠璃乃「絶対だめだと思う!」
さやか「え!?」
瑠璃乃「でも、全部めぐちゃんをその気にさせるためだから。それにジュン兄ぃもいるし、なんとかなるなる!」
淳平「あ、俺も行くのね……」
梢「当たり前でしょ…?」
瑠璃乃「もしかしたら、またご迷惑かけてしまうかもしれませんけど……、できる限りミジンコにならないように頑張りますので……。先輩方、なにとぞーよろしくお願いします!ルリのこと、鍛えてください!」
梢「ええ、分かったわ。任せて?それじゃあ、今年の夏はみんなで合宿しましょう」
花帆「やったー!うーみー!!」
綴理「うん」
さやか「よ、良かったですね、綴理先輩。1年待っていたかいがありましたね……。……あれ、合宿ってことはもしかしてわたし、24時間綴理先輩のお世話を……?」
そして話は纏まり、練習時間……
瑠璃乃「合宿ーーっ!」
花帆「海ーーっ!」
さやか「お、お世話ー……」
その様子を眺める、ひとりの人影が……
慈「………………っ。ん、私だって、練習ならできるのにな……」
淳平「慈」
慈「ジュン。それに……げ、梢、綴理も」
梢「いくらなんでも『げ』はないでしょう。この間のライブだって、見に来てくれていたのよね。気になる?瑠璃乃さんのこと」
慈「……ぜんぜん。私はもうスクールアイドルクラブとは関係ないし。あの子がやることに、いちいち口出す筋合いもないし」
綴理「るり、今度ひとりでライブををするんだよ」
慈「えっ!?早くない!?さすがにまだ身体できてないんだし、もうちょっと基礎練に力を入れたほうが!は!ま、まあ、私には関係ないけど!」
淳平「ルリちゃんがさ、ど〜しても!ライブを見せてやりたい相手がいるんだってさ?」
慈「……ふぅーーーん」
綴理「ねえ、めぐ。ボクとこずは、一緒のステージに立ったよ」
慈「……そうみたいだね」
綴理「ラブライブ!の全国大会を辞退しようって、4人で話し合って決めた時に、約束したよね。もう、ボクとこずとめぐの3人はお互いに関わらないようにしようって。めぐも、自分のリハビリに付き合わせて、ボクたちの時間を使わせたくないからって」
慈「うん。誰もそんなこと言ってないけど」
綴理「え?言ったよ?」
慈「くっ……えぇと」
綴理「言ったよね?こず。めぐは泣きそうなのに笑って、もう私のリハビリに――」
慈「ああもう!なんなの!?こいつなんとかしてよ、ジュン!梢!」
淳平「お前がいなくなってから、俺たち2人に負担が来たんだけど?特に梢が」
梢「そうね。大変だったわ……」
慈「それはごめんだけど!じゃなくて!謝る義理とかないし!つまり、3人とも何が言いたいわけ!?」
梢「ええと、つまりね……。あれから1年経って、4人の約束は、もう破られてしまったってこと」
慈「んっ……そんなの勝手すぎ。どっちみち、ムリだよ。だって、私はまだ……」
梢「ねえ慈、いつかみんなで海に合宿に行こうって話したわよね」
慈「あ~覚えてる。結局立ち消えになったやつ、懐かし〜」
梢「それ、来週行きましょう?」
慈「……………。はあー!?!?」
そして迎えた合宿当日。俺たちは梢の実家が所有する別荘を借りる事になった。
花帆「晴れ渡る青空!透き通る海!うーみー!」
さやか「すみません梢先輩。宿泊場所を提供していただいて」
梢「いいのよ。使うための別荘だもの」
瑠璃乃「梢先輩、お金持ちだったんだ。どーりでなんか、雰囲気がピカピカしてますなー……!」
花帆「ふふっ、梢センパイのすごさはこんなものじゃないんだよ」
瑠璃乃「この上さらに!?」
花帆「こんな感じの別荘が、たぶんあと300個くらいあるんだから!」
瑠璃乃「すっげー!」
梢「ないわ……」
綴理「でも、さやもすごいよ。煮物を美味しく作れる」
さやか「そのレベルで私を同じ土俵にあげるのやめてもらえませんか!?さ、荷物を中に運びますよ!皆さん!」
花帆・瑠璃乃・梢・綴理・淳平「「「「「はーい!」」」」」
そして荷物を別荘の中に運んだ俺たち。あまりに豪華な内装に、俺たちは驚いていた。
淳平「で、俺は夜どこで寝れば良いんだ?」
梢「?みんなで寝ればいいじゃない」
は!?
淳平「いやいやダメだろ!年頃の女の子と男が一緒に寝たら!間違いがあったらどうする!」
梢「あってもいいのだけれど……」ボソッ
淳平「?なんか言った?」
梢「いいえ別に」
淳平「とにかく、俺は違う部屋で寝させてもらい……」
花帆「一緒に寝てくれないと淳兄ぃにお風呂覗かれたって言いふらすけど良い?」
淳平「!?」
ヤバい……そんなことされたら社会的に死ぬ!!
淳平「ひ、卑怯だぞ花帆!!」
花帆「ふっふー!なんとでも言いなさい!」
淳平「くっ……みんなは嫌だろ?」
俺が最後の頼みの綱とばかりにさやかちゃんたちに聞くと、
さやか「わ、わたしはむしろ嬉しいです」
綴理「一緒に寝たい」
瑠璃乃「久々にルリと寝よう!!」
梢「わたしは伝えたとおりよ」
淳平「あれ!?」
みんなの貞操観念はどうなってんだ!?心配になってくるぞ……
花帆「さあどうするの?一緒に寝るか、社会的に死ぬか!」
くっ、背に腹は代えられない!!
淳平「分かったよ……」
いつか覚えてろよ……
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理「「「「「やったーー!!」」」」」
淳平「じゃあ、着替えて練しゅ……」
瑠璃乃「あ、花帆ちゃん水着で飛び出してったよ?」
淳平「は!?」
花帆「海だーー!遊ぶぞー!!」
アイツ……。
梢「はあ、いいわ。今から練習という雰囲気でもないし、まずは海に遊びに行きましょう?」
そして、女子たちは部屋に入って着替え、俺も別の部屋に入って着替える。そして花帆を追って海へと向かった。
ー つづく ー
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