蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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今回からあとがきの方でまたアンケート(完全版)がありますので、よろしければご解答ください。

では、始まります!!


第十一章 スクールアイドルクラブのために!(?)
第54話:温泉旅館でお手伝い?!


夏休みも明け、授業が始まって数日後の朝。慈はスクールアイドルクラブの部室に向かっていた。

 

えな「あっ!藤島先輩だ!!」

 

慈「んー?」

 

びわこ「わわ!こないだのライブ、すごく素敵でした!」

 

慈「ふふっ、ありがとっ♪」

 

しいな「これから練習ですか?頑張ってくださいね!」

 

慈「うん、まっかせて♪今月のライブも、いっぱい盛り上げちゃうから♪」

 

そして、応援してくれた花帆のクラスメイト3人が去っていくと、

 

慈「んー……やっぱり、こうでなくっちゃ。私ってば、かわいくて、かっこよくて、ほんと完璧☆」

 

また踊れるようになった途端に、失ってた自信を取り戻し調子に乗る慈。

 

だが、

 

慈「……スクールアイドルに復帰できて、ほんとによかった。……嬉しいな」

 

心の内では、コレ以上ないくらいの喜びに満ち溢れていた。

 

慈「た・だ・し、ここで満足してちゃ意味ないからね。もっともっと、がんばらなくっちゃ!そのためにも!ふっふっふ……。この話をしたら、みんな驚くだろうな〜」

 

ー スクールアイドルクラブ部室 ー

 

慈「おはよー!みんな!あれ?梢だけ?」

 

梢「おはよう、慈」

 

慈「あ、それもしかして今度のライブの?」

 

梢「ええ。せっかく3ユニット揃ったことだし、そろそろ大きなライブを開きたいと思ってて。市内の会場を貸してもらえることになったの」

 

慈「おお〜、いいね!」

 

梢「またみんなで特訓しなくっちゃね」

 

すると、席に座り、梢を見つめていた慈は……

 

慈「やっぱり、梢が部長でよかったんだろうな……」

 

梢「え?」

 

慈「なんかそういうの、自然にできちゃうじゃん。私はムリだなーって。キャラじゃないし」

 

苦笑する慈。だが、梢は少し意見が違った。

 

梢「私みたいな部長にはなれなくても、慈はいい部長になれていたと思うわ。お互い、立場が違えばきっとね」

 

慈「い、いいんだよそんなたらればの話は!それよりみんなまだかなー?遅くないかー?」

 

梢「ああ、淳は先生にお手伝いで捕まってるそうよ?さっき連絡があったわ」

 

慈「ふ〜ん。ジュンはそういう報連相はしっかりとやってるからそこは評価できるよね〜?もう少し人の感情の機微に敏感なら言うことないんだけど……」

 

梢「フフッ、確かにね」

 

すると、

 

さやか「すみません!遅れました!!」

 

綴理「やっ」

 

少し遅刻してさやかと綴理が部室に入って来た。

 

梢「おはよう。今日はどうしたの?」

 

さやか「いや、それが……」

 

綴理「いい雲があって」

 

梢「……雲?さやかさんも?」

 

さやか「天気も良くポカポカしていたので、一緒にベンチに座っていたら、つい……。あ、でもすごくふわふわしてそうで!」

 

綴理「あれはマシュマロより柔らかかった!」

 

さやか「ですよね!絶対!!」

 

梢「……そう(さやかさん、だいぶ染まってきてるわね……)」

 

慈「ちょっとキミたち……!!」

 

慈がさやかと綴理に一言物申そうとしたら、扉が開いて花帆が入って来た。

 

花帆「すみません遅れました!」

 

梢「……花帆さんも、雲を見ていたの?」

 

花帆「へ?雲……?それより、今日は新刊が購買部に入荷した日だったんですよ!帰ったら読もうって思ってたのに、気がついたら読み終わっちゃってました!今回もすっごく面白くて!」

 

梢「そう……。よかったわね」

 

苦笑する梢。だが慈はご立腹だ。

 

慈「ちょ、ちょっと練習前にそんな――」

 

さやか「あの、あと瑠璃乃さんが……」

 

慈「るりちゃんが?」

 

さやか「充電が切れたので、練習は『いつかいく』と……」

 

梢「……………そう」

 

慈「っ!私が連れてきてやるからーーっ!!」

 

慈は走って女子寮に向かっていった。

 

 

 

――― ――― ――― ――― ―――

 

めぐが戻ってきたとき、俺も先生のお手伝いを終えて部室に顔を出していた。

 

慈「まったくもう!まったく!」

 

瑠璃乃「みゅー……。めぐちゃんは、心配性なんだからにゃあ」

 

瑠璃乃が席に座ると、慈は花帆、さやか、綴理、瑠璃乃に説教を始めた。

 

慈「甘いよみんな、甘い、甘すぎる………。夏休みボケか!?ひがし茶屋街の棒茶スイーツより甘い!」

 

綴理「あ、前にジュンと2人で食べに行った」

 

淳平「言われてみればそうだな……」

 

さやか「ええ!?綴理先輩ズルいですよ!」

 

花帆「淳兄ぃ、梢センパイ!あたしたちも今度3人で……」

 

慈「ええい!スイーツの話題を膨らませるなあっ!!あと、ジュンは今度私とも行くこと!」

 

淳平「別にいいけど……」

 

慈「よしっ!……じゃなくて!3ユニットになったんだから、今はしっかりと地固めする時期だよ!?完璧なダンス、歌、パフォーマンスを見せつけて、ちゃんとひとりひとり応援してくれる人の心をぐっと掴むべき!」

 

瑠璃乃「大丈夫だよ、めぐちゃん。めぐちゃんには、ルリとジュン兄ぃがいるよ」

 

淳平「いや、そういう話じゃないと思うけどな……」

 

慈「ジュンの言う通り!そういう話じゃない!くっ……。だめだこいつら、私が空気を引き締めてやらないと……。……でも、このメンバーで今まででやってきたんだよね。今更私がでしゃばるのも……」

 

すると、

 

梢「いいえ、慈の言う通りよ。みんな」

 

慈「梢!!」

 

慈は期待に満ちた瞳を梢に向ける。梢はコホンとひとつ咳払いをすると、

 

梢「各々、気を緩めず、しっかりと自分を律するように。特に、花帆さん」

 

花帆「えっ、は、はい」

 

慈「言ってやれ、言ってやれ!」

 

梢「その、遅れる時はなるべく連絡するようにね。なにかあったのかしらって、心配してしまうから」

 

花帆「わっ、分かりました!」

 

慈「ってちょっと梢!?それだけ!?」

 

梢「え?」

 

慈「他にもっとこう、なにか!」

 

梢「でも花帆さんは、入ったばかりの頃とは違って、今はちゃんと朝練も頑張っているし……。たまに気晴らしするぐらいは」

 

花帆「センパイ……っ!」

 

梢「ほどほどにするのよ。今度やったら叱りますからね」

 

花帆「はーい!」

 

慈「梢まで目尻下げて、孫が遊びに来たおばあちゃんみたいになっちゃってる……。やっぱり、私が言わなくっちゃ!」

 

そして、慈は話題を切り出す。

 

慈「ああもう、キミたち!こうなったら――。――温泉旅館に、お手伝いに行くよ!」

 

花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・淳平「「「「「「温泉旅館?」」」」」」

 

慈は自分のスマホのアカウントのDM(ダイレクトメッセージ)を開いて見せる。

 

慈「実はこないだ、メッセージをもらったんだ」

 

瑠璃乃「『拝啓、蓮ノ空スクールアイドルクラブ様。よろしければ、当旅館の広報活動をお手伝いしてもらえませんか?』だって」

 

さやか「今までも商店街や屋台は手伝ったことがありますけれど……。この規模のものはいいんですか?」

 

淳平「もちろん、学校に確認はいるな。けど……」

 

梢「ええ。スクールアイドルクラブの前身となった芸楽部は、地域の活性化や町おこし、奉仕活動に重きを置いていたから、基本的には問題ないはずよ」

 

慈「しかも二泊三日でミニライブまでやらせてもらえるんだよ」

 

花帆「市内のライブの前に、またライブできるんですか!?」

 

慈「そーゆーこと!というわけで、近々、温泉旅館のお手伝いね!もう了承の返事は送っておいたから」

 

淳平「はあ?!そんな勝手に……!」

 

梢「忘れてたわ……。慈がこういう子だって」

 

さやか「しかもこれ、市内ライブの前日ですね……」

 

瑠璃乃「さすがめぐちゃん!自己チューギリギリ3ミリ手前!」

 

いや、余裕でオーバーしてるだろ……。

 

慈「そう!ん?まあ、そう!ステージの経験を積んで、来てくれた人に最高のライブをお届けできるように頑張るんだよ!」

 

梢「……分かりました。スケジュールを入れておきましょう」

 

やれやれ……。

 

慈「ふっふっふ。釣かった……!ここで仲良しこよしクラブは卒業……!全員に競争心を思い出させてやるんだから……この私が……!」

 

淳平(めぐのやつ、またなんか悪だくみしてんなあ……。まあ、めぐのことだから、"みんなのために"の考えだろうけど)

 

そして朝の集まりを解散し教室。

 

淳平「めぐ、なんか企んでる?」

 

慈「べっつに〜? ちょ〜っとみんなに喝をいれようかな〜?、ってだけだよ?」

 

淳平「あ〜最近の雰囲気か?めぐやルリが入って、楽しそうな雰囲気になるのはいいけど、"緩みすぎ"って言いたいのか?」

 

慈「………なんでそういうことはすぐに分かるのに人の気持ちは分からないわけ?」

 

淳平「は?」

 

慈「なんでもない、その通りだよ。あと、このお手伝いの初めに私みんなにちょっとスパイスとしてあることを言うから合わせてね?」

 

淳平「……みんなに競争心を思い出させるとか?」

 

慈「だからなんでそんなのはすぐに分かるのにコイツは……!」ゲシッ!

 

淳平「痛てっ!どうして蹴る!?」

 

慈「ふんっ!」プイッ

 

結局、慈がどうして怒ったのか分からぬまま、お手伝いの当日を迎えた。

 

ー つづく ー




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