蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第55話:3ユニットお手伝い勝負!!

あれから数日後、俺たちはお手伝いをする予定の温泉旅館、〈ゆのくに天祥〉さんにやって来た。

 

綴理「おっきい」

 

さやか「立派ですね……!」

 

瑠璃乃「あめーじんぐじゃん!」

 

花帆「まさかこれも梢センパイの所有する物件ですか!?」

 

梢「違うわ」

 

淳平「すげー………」

 

慈「ふっふっふ、すごいでしょー!」

 

めぐは自慢げに胸を張る。おお、デカい……

 

慈「……ジュンの視線が気になるけど、ゆのくに天祥さんは数多くの賞を受賞してる、とびっきりの温泉旅館なんだから!」

 

そして、めぐを先頭に俺たちは旅館に入って行き女将さんに来たことを伝える。すると女将さんは俺たちを部屋に通してくれた。

 

それはいいのだが、

 

淳平「…めぐ、聞き間違いか?部屋を3部屋しか取ってないって」

 

慈「え?間違いじゃないよ〜?」

 

淳平「各ユニットごとに1部屋だからそれで3部屋だよな?俺の部屋は?」

 

慈「え?私とるりちゃんと同じ部屋だよ?」

 

淳平「………は?」

 

それを聞いたみんなは口々に文句を言う。言ってやれと思ったが、その内容はズルい!、と何故か自分たちも一緒がいいという内容。どういうこと!?

 

慈「煩いよ!このお手伝いの話を取ってきたのは私なんだから!ジュンだって、昔よく3人で一緒にお風呂入ったじゃん!」

 

花帆「え!?」

 

さやか「っ!?」

 

1年生が愕然とした表情をいやいや……、

 

淳平「いつの話してんだ!小学生の1年生よりも前の話じゃねえか!」

 

それを聞いた2人は一安心したのか表情が戻る。なんで?

 

梢「慈……?年頃の男女が一緒に寝るなんてそんなこと……」

 

慈「あれ〜?羨ましいのかな〜?」

 

梢「っ///う、羨ましいとかではなくてね?!」

 

え?羨ましいの?

 

慈「まあとにかく、それぞれ荷物を置いてきて?」

 

4人がブツブツと文句を言いながらそれぞれの部屋に荷物を置いてくる。そして慈に今回の内容を聞くために戻ってくる。

 

慈「ちなみに夕食のメニューは、こちら」

 

花帆「極撰国産牛自家焼!」

 

さやか「海の幸五種盛り……!」

 

瑠璃乃「アワビの踊り焼き!!」

 

梢「みんな……淳のことは良いの?」

 

花帆「良く考えたら、淳兄ぃに変なことする度胸も甲斐性もないですよ」

 

淳平「おい!なんでそういうこと言うんだ!」

 

梢「……言われてみればそれもそうね」

 

淳平「……帰っていい?」

 

慈「だめだよ!まあ、この料理は全部旅館の方のご厚意だけどね!ただ、ミニライブの様子はちゃんと動画に編集して、旅館の宣伝をするっていう条件付き。ま、そこは私が頑張るからさ!」

 

花帆「あたし、慈センパイのこと少しだけ見直しました!」

 

慈「お?」

 

花帆「前はちょっと意地悪だなーって、思ったこともあったけど、ほんとは優しい人だったんですね!!」

 

慈「……そうだよ、花帆ちゃん!私はね、大好きなみんなに、お返しをしたかったんだ。本当に、心から感謝しているんだよ。だって私を復帰させるために、るりちゃんだけじゃなくて、みんなも頑張ってくれたんだから……。――なんて、言うとでも思ったかー!」

 

花帆「ええっ!?」

 

慈「残念でした!豪華な食事を堪能できるユニットは、3組中たった1組だけ!ライブができるのも、その1組のみです!」

 

さやか「ええっ!?」

 

慈「旅館のお手伝いをして、もっとも貢献したユニットだけでーす!」

 

花帆「じゃあ、それ以外のユニットは……」

 

慈「白米とお味噌汁と〜、たくあんくらいは出してくれるかも?」

 

花帆「やだ〜っ!!国産牛がいい〜っ!!」

 

さやか「わ、わたしたちを謀ったんですか!?」

 

瑠璃乃「なにこのバラエティみたいなノリ!!」

 

慈「あっはははははっ!」

 

淳平(ああこれか。めぐの言ってたスパイスって……ってことは……)

 

梢「ふふっ、随分楽しそうね、慈。でも、さすがにちょっとやりすぎじゃないかしら」

 

綴理「つまり、どういうこと??」

 

そして各自旅館の従業員の制服に着替えたみんな。俺もフロントマンのスーツを着た。

 

さやか「着替え終わりました……けど」

 

梢「……それで?慈」

 

慈「それじゃあ、ルールを説明するよ!今からお手伝いをスタート。期限は今日の夜17時まで。その結果次第で、勝利ユニットが決まるからね。お手伝い内容までは決めてないから、そこは旅館の人と要相談で。以上!」

 

綴理「分かった」

 

さやか「え?! いいんですか綴理先輩!そんなあっさりと……ライブと、高級料理が賭かってるんですよ!?」

 

綴理「ボクはね、常々から思っていたんだ。さやの料理の腕は、プロ級だって。是非、料亭『さや処』を作って、もっと色んな人にさやの料理を食べてほしい、って。その腕を振るう機会が、やってきたんだよ」

 

さやか「わたし毎朝のお弁当作ってるだけですけど!」

 

綴理「大丈夫だよ。あんなに美味しい煮物食べたの、初めてだったから。煮物食べたのも初めてだったんだけど」

 

さやか「誰がその大丈夫を信じられるっていうんですか!」

 

花帆「お手伝いは楽しそうですし、着物姿の梢センパイはとっても美人ですけど……。さやかちゃんは強敵っぽいですよね。慈センパイだって妙に自信満々だし……」

 

梢「そうね。私も特段、こういう事が得意というわけではないから……」

 

慈「じゃあスリーズブーケは不戦敗ってことで良いかな?」

 

花帆「え!」

 

慈「まあ梢ができるのは、学校のお勉強だけだもんね〜?いいよいいよ?私は鬼じゃないからさ?」

 

花帆「ぐぬぬ〜!やってやりましょう梢センパイ!!」

 

梢「花帆さん!?」

 

花帆「慈センパイのことギャフンと言わせてやりましょう!なに言ってるんですか!あたしの梢センパイが世界最強なんですから!!国産牛は、全部あたしたちのものですよ!」

 

梢「ちょっと花帆さん!」

 

梢は、行ってしまった花帆を追いかけていった。

 

綴理「じゃあさやも。いざ、厨房に乗り込もう!」

 

さやか「そんな!素人がお邪魔しちゃったら!!」

 

綴理「大丈夫だよ。さやはもうプロだから。ボクが保証する」

 

さやか「綴理先輩に保証されたから何だって言うんですか〜!!」

 

そして、さやかちゃんも綴理に引きづられて厨房に向かって行った。

 

慈「よしよし、これで全て私の手のひらの上だよ……!」

 

瑠璃乃「……………」

 

慈「じゃあるりちゃん、ジュン、私たちも行こっか!」

 

瑠璃乃「………………」

 

慈「るりちゃん?」

 

瑠璃乃「でも、めぐちゃん……」

 

慈「あ、お手伝いのこと、心配してる?へーきへーき!なんたって私、お仕事で1日女将やったことあるからね!最初からこれは私たちが圧倒的に有利で……そう!負けるはずがない勝負なんだよ!」

 

うわぁ……ゲスいなぁ……。

 

慈「私とるりちゃんで、あいつらボコボコにしてやろうぜ!」

 

瑠璃乃「そうじゃなくて……だったら、尚更っていうか。食事もだし、ライブだって1組しか出られない勝負で、しかもルリたちが勝てるって決まってるんだったら、なんかこー……。胸の中がもにゃもにゃ〜って……」

 

慈「る、るりちゃん?」

 

瑠璃乃「ごめんね、なんか空気ビミョーにしちゃって。でも、ルリ、めぐちゃんのこと大好きだけど、スクールアイドルクラブのみんなのことも好きだし……できるんだったらみんなで楽しい方が……」

 

するとめぐは、ルリの頭をよしよしと撫で、優しく話しかける。

 

慈「えっと、その……るりちゃんの言うことも、分かるんだけど……、詳しくは後で説明するから!今は手伝ってほしいなー……なんて!」

 

瑠璃乃「……めぐちゃん、何か悪だくみ中?」

 

慈「べっつに〜?」

 

瑠璃乃「分かった。なら今はなにも聞かずに協力したげるよ」

 

慈「ん、ありがとう……」

 

瑠璃乃「仕方ないな〜……めぐちゃんはもう……」

 

今度はルリがめぐの頭を撫でる。

 

俺も少し撫でてやると、めぐはいきなり張り切りだし、

 

慈「じゃあ行こうるりちゃん、ジュン!スリーズブーケとDOLLCHESTRAに、もう二度と温泉旅館に泊まれないくらい敗北感を刻みつけてやろっか!」

 

瑠璃乃・淳平「「そこまでする気はないけどね(な)!!」」

 

ー つづく ー




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