ゆのくに天祥さんでのお手伝い期間が終わり、帰って市内ライブを行う日の朝。慈は早朝からパソコンでライブ映像を編集して旅館のPR動画を作っていた。
瑠璃乃「んゅ〜……」
慈「あ、ごめん。起こしちゃった?」
瑠璃乃「めぐちゃん、なにしてるの〜……?ジュン兄ぃもいないし……」
慈「ジュンは大浴場に朝風呂に行ってる」
瑠璃乃「そっか……、ミニライブの動画か〜。昨日もずっと編集してたのに……」
慈「ん、早いうちに完成させたくって。午前中に宣伝したら、午後から温泉のお客さん増えるかもだし」
瑠璃乃「めぐちゃんは頑張りやさんだねえ……。でも、あんまり頑張りすぎると、充電無くなっちゃうよ?」
慈「……。1年も充電してたんだもん。これ以上、のんびりしてらんないよ。梢だって綴理だってジュンだって、やれることをがんばってた。だったら私も、私のできることで、蓮ノ空に貢献しなくっちゃ」
瑠璃乃「貢献……貢献かあ……」
慈「うん?」
瑠璃乃「……ううん、なんでもない。おいしょ、と」
ルリはめぐの対面に座る。
慈「?なんで向かいに座るの?寝直すなら、お布団に」
瑠璃乃「だったらルリも、今ルリにできることをするのだー。って言っても、話し相手になることぐらいだけどねぇ〜」
慈「ん……。ありがと、るりちゃん」
瑠璃乃「あ、それともずっとめぐちゃんのこと応援しててあげる?フレッ、フレッ、めぐちゃんっ。がんばれがんばれ、めぐちゃんっ。世界でいちばんかわいいっ、めぐちゃんっ!」
慈「うん。嬉しいけど、今は邪魔かな?」
しばらくして淳平も戻ってきてスクールアイドルクラブのみんなで食事場で朝食をいただきその後部屋に戻る。この後は荷物を持ってロビーに行って旅館の人にご挨拶したのち旅館を出ることになる。
慈「よっしゃー!終わったー!アップロード、と!」
淳平「お疲れ様……」
慈「うん!ってうわ!もうチェックアウトの時間!?旅館の人にもご挨拶しなきゃだし、早くお部屋を出る準備しなきゃ!」
淳平「そう思って、もうやってあるよ。めぐの着替えはルリが用意してくれてるし」
慈「ジュン、るりちゃん大好き♡」
そしてロビーに来た俺たち。すでに梢や綴理たちは来て待っていた。
慈「ごめんごめん、遅れちゃって☆」
梢「いいのよ、ギリギリまで編集お疲れ様」
慈「む……なぜそれを……。るりちゃんだな!?」
瑠璃乃「そうとは限らないと思います!今回はルリだけど」
慈「っておい!」
綴理「さっき見たよ。とても良かった」
花帆「女将さんも宣伝になるって、すっごく喜んでました!」
さやか「是非また来てくださいね、って」
慈「そ、そお?まあ、私はちょちょいのちょいってやっただけだけとね!」
瑠璃乃「ほんとは昨日から〜」
慈「はい余計なことはお口チャック!次言ったらるりちゃんの小学校時代の恥ずかしい思いでバラすからね!」
瑠璃乃「なにそれ!そんなのお互い様じゃん!ルリだってめぐちゃんの過去メガ盛り知ってるし〜」
慈「ぐぬぬぬ……」
花帆 クスッ「いいですね。幼馴染って」
綴理「ボクも作ろうかな、幼馴染」
さやか「実は、そういう事が絶対にできないのが、幼馴染なんですよ?」
綴理「そんな……さやでも………?」
梢「さやかさんでもよ」
さやか「私にできることは、煮物を美味しく作れるぐらいですから……。あ、いえ、さすがに他にも色々ありますけど!」
梢「さ、それじゃあみんな。旅館の方にお礼を言ってから、チェックアウトしましょう。また蓮ノ空の生徒が呼んでもらえるように、最後までキチンとね」
花帆「はーい!」
さやか「それでは!」
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈・淳平「「「「「「「お世話になりました!!!」」」」」」」
そして旅館を出た俺たち。1年生は迎えのバスが来るまで観光。2年生はカフェでのんびりしていた。
慈「1年生は観光。その間私たちはカフェでのんびり。優雅だけど………」
淳平「子供と親みたいだな」
慈「言うなっての。まだ高校2年生なんだから」
梢「戻ったらそのまま市内ライブの会場に向かうんだもの、私たちくらいはゆっくりしていましょう。どうせ、ライブ会場でも色々とやらなければならないことがあるんだから。それに、特にあなたはゆっくりしていてもいいんじゃない?」
慈「んー?」
梢「この二泊三日は、お疲れ様。色々と、手配をしてくれていたのでしょう」
慈「それは……別に、私自身のためだし。誰かのためとかじゃないしね!ラブライブ予選の開始が間近に迫ってるんだから、みんなに気合を入れたかっただけ!私のいる高校で、誰かが予選敗退とか、ありえないんだから!」
梢「ふふふ、そうね。さて、今年はどうなることかしら」
綴理「もちろん、大会優勝に手が届くさ。今回はめぐだって、みんなだっているんだから」
淳平 クスッ「そうだな……その通りだ綴理」
慈「綴理はそういう事サラッと言えちゃうのすごいよね……」
綴理「めぐもすごいよ。カメラの前だとぜんぜん違う」
慈「キャラ演じてるみたいな言い方しない!衣装とかメイクみたいなもんで、あれも私!」
綴理「めぐは普段からかわいいのに」
慈「だったら、かわいい私が更にかわいくしたら、みんなもっと嬉しいでしょ?だからいつでも、かわいくて、かっこよくて、完璧な私を見せてるの☆」
梢「ふふっ、そういえば去年は私たちも指導されたわね。配信でもステージでも、自分の魅せ方について、たっぷりと」
慈「そのたびに梢は、スクールアイドルたるものは――って反発してきたよね」
淳平「それを言うなら、梢は入部当初俺に凄い敵意あったよな?」
梢「そ、そうだったかしら……?」
淳平「おう。まるで親の仇でも見るかのような感じだったぞ?ある日突然丸くなったけど。何があったんだ?」
梢「そ、その話はもういいでしょう!?今の私は、淳を信頼しているのだから……」
淳平「んー、釈然としないけど……まあ良いか」
梢「ふう……」
慈「まあ、今はそれぞれのスクールアイドルの形はなんでもいいと思ってるけどね。どうすれば見ている人を喜ばせることができるか、真剣に考えてやったことなら」
梢「ふふっ、そうかもね。でも、それに気付けたのはどうして?」
慈「まあ、動画を作るためにみんなのライブや配信を1年間も追いかけてたら、嫌でもね。つまんなかったら途中でやめてたし。なんかこう、これを言うと自分が歳をとったみたいで、凄く嫌なんだけど……」
淳平「めぐ、大人になったな……」
慈「それ!だから言うなっての!」
梢「ふふふ。0か1かじゃないのよね。当時あなたの言ってたことも正しい部分はあって、私にも譲れない部分はあって。でも、いいのよ。お互い、相手のいいと思った部分を取り入れて、スクールアイドルとして成長できれば」
淳平「俺は梢のきゃるんっとしたところも見てみたい気もするけどな。人気出そう」
慈「あっ、分かる!」
梢「わ、私は慈みたいには、できないもの!」
慈「えー?綴理はできてたのになー。ねー?」
綴理「はーいハロつづー。かわいいかわいい、みんなのつづちゃんだよー」
梢「棒読みじゃないの!!」
慈「探せば写真の1枚くらいは残っているんじゃないかな……。梢がツインテールにしてリボンつけてたやつ……」
梢「ないわ。ぜったいないわ!」
慈「慈ちゃん見てみたいのに☆」
淳平「俺も見たいのに〜」
綴理「つづちゃんも見てみたいのに〜」
梢「やめなさい!!」
すると、
花帆「せ、センパ〜イ!!」
花帆が走ってきた。
花帆「か、花帆さん!? い、いえ、頼まれてもやりませんからね?」
花帆「え? そんなことより!」
慈「ん?」
花帆「旅館が!大変なんです!!」
ー つづく ー
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