蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第60話:スクールアイドルクラブのために!(?)

みんなと分かれ、ライブ会場に到着した慈。衣装に着替え、ライブの本来の開始時刻になったためステージに出ていく。

 

観客は慈1人しか出てこないことにざわめき出す。

 

慈「……っ。ハロめぐー!蓮ノ空学院スクールアイドルクラブの、藤島慈だよー☆ ごめんなさい、ちょっとしたトラブルで、他のメンバーはまだ会場に到着していなくて。それまで、みんなで私のことを独り占めにしていてね☆ でもでも、今日はせっかくのステージなんだから、いつもと違うことをしたいよねー」

 

すると慈は観客席を見渡し、1人子供を見つけて呼びかける。

 

慈「というわけで、はい、前列二番目にいる、緑のスカートのキミ!日頃からめぐちゃんに聞きたいことがありそうな顔をしているね?」

 

すると慈は質問を自分で作って一人芝居を始める。

 

慈「えーとなになに、めぐちゃんはどうしてそんなにかわいいのか、って? え、言ってない? いいの!お答えします! ええー、それはね、毎日メチャメチャ美容に気を遣ったりして努力を重ねて……るんじゃなくて☆ 私は最初からカワイイから、カワイイんだよ☆」

 

今の返答にお客さんの間に笑いが起こる。掴みはオッケーだ。

 

慈「はい次! 後ろの、すっごい後ろの、そう、赤のペンラ持ってるキミ! 赤ってことは綴理推しかー? 分かるよ、いいよね綴理。『え?ボクの美しさは罪、ってこと……?』言わないか!まあいいや!」

 

そして二度目の質問コーナーの一人芝居。

 

慈「聞きたいことはー。めぐちゃんってそんなにかわいいのに、かっこいいところもあるとか、無敵じゃないですか!?だってー!? そうなんだよ……。実はここだけの話、私って無敵だったのかもしんない☆」

 

そして次のお客さんを探す。

 

慈「さて、他に質問はー……。って、わあ、みんな手を挙げてくれるじゃん☆ じゃあほんとに質問してもらおっかな。ほんとにってなんだ!」

 

自分のボケに自分で突っ込み笑いに包まれる。

 

慈(掴みはOKだったけど、さすがに……。何十分も引き延ばすのは、しんどいなあ……)

 

慈「そうそう、1度行ってみたいところどころ言えば、やっぱり私は――」

 

慈(今はまだ、みんなも付き合ってくれてるけど……。でも、いつ帰ってもおかしくない感じだし……)

 

慈「好きな動物だったら、断然イヌでしょ!私ね、実はおっきなシェパードを飼ってて――」

 

慈(私がやるってみんなに言ったのに……。こうなったらもう、頭を下げてでも引き留めて――)

 

慈「………」

 

慈(――いいや)

 

慈「あのね、みんな。実は、朝にあげた動画なんだけど……あれがめちゃめちゃバズっちゃって。温泉旅館に予約が殺到しちゃってね。今、メンバーのみんなが手伝ってるんだ」

 

慈(そんなの、私らしくない。みんなみたいに、私は私のやり方で――)

 

慈「ほんとは、私が残るって言ったんだけど。でも、みんなが私のことを、このステージに送り出してくれたの。……私ね、怪我のせいで、1年間もスクールアイドルとして活動ができなかったでしょ? だから、焦ってたんだと思う。私ならもっともっとなんでもできるのに、って」

 

慈は一呼吸おいて言葉を続ける。

 

慈「なんでも全力で走り続けるのが、私のいいところ!でも、たまに周りが見えなくなって、やりすぎちゃうのは悪いところだよね。今回は、それをみんなに教えてもらったな……。そう、つまり――」

 

慈(――楽しくやらなくっちゃ)

 

慈「めぐちゃんは等身大のまんまで、じゅうぶんかわいくて、かっこいいんだってこと!」

 

すると、

 

瑠璃乃「めぐちゃ〜〜〜ん!!」

 

慈「!! ということで、お待たせしてほんとにごめんね!ここからは、スクールアイドルクラブみんなのライブが始まるよ!みんなのこと、もーっと夢中にさせちゃうからね☆」

 

 

そして、スクールアイドルクラブのライブが始まり、ライブは大成功で幕を閉じた。

 

 

その日の夜、

 

蓮ノ空女子寮・大浴場〜

 

花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈「「「「「「はあ〜〜〜………」」」」」」

 

慈「やりきったねえ」

 

瑠璃乃「ばってりー…えんぷてぃー……」

 

花帆「でも、ライブ盛り上がってよかったですねえ〜……」

 

梢「慈が頑張ってくれたおかげね」

 

慈「ま、私にかかればこんなもんよぉ〜……」

 

さやか「さすがに皆さん、疲れ果ててますね……。ふぁ……わたしも、ですけど……」

 

綴理 コックリコクリ

 

さやか「綴理先輩!お風呂で寝たらだめですよ!」

 

すると、

 

慈「あのさ……今回のこと、反省してる。何でもかんでも自分でやろうとして、空回りしちゃって。いろいろと迷惑かけて……その……。ごめんなさい」

 

花帆「わあ、慈センパイが、謝ってる……!」

 

さやか「こんなに素直な慈先輩、初めて見ました……」

 

慈「っ……。だ、だめだめ、さすがに今回は私が悪いんだから……。ここで逆ギレとかしちゃあ……!」

 

そう言いつつ、手が震えている慈。

 

梢「……わかったわ、慈。せめて電話にはちゃんと出るようにね」

 

慈「うん……。……………え?終わり!?」

 

梢「え? だって、反省しているのでしょう?だったら、これ以上言うことは、特には」

 

慈「いやいや!甘すぎるでしょ!金沢駅の和スイーツカフェより甘い!部長なんだから、もっとびしっと言わなきゃだめだよ! 自分勝手だ!とか、お前みたいなのはチームの和を乱す!とか、1年も休んでたくせに大きな顔しやがって!とかさ!!」

 

梢 クスッ「そうかもしれないわね。でも、人から言われて自分を曲げるような人じゃないでしょう。あなたは。自分のやりたいことしかしないんだから」

 

慈「そ、それは……」

 

梢「それに。今回だって、自分がどうにかしないといけないと思ったから、私たちのために行動してくれたんでしょう?」

 

花帆「それは、確かに……。あたしが誘惑に負けて練習に遅れちゃったから……」

 

さやか「わたしも改めて反省しました。もっと、綴理先輩のお世話を上手にできるようにがんばりますね!」

 

綴理「……すぅ、すぅ……。……ん?」

 

瑠璃乃「べっつにルリは、これからもいつも通りだけど〜。んふふ、でも充電切れてたところに、めぐちゃんが迎えに来てくれたのは、嬉しかったかな〜」

 

梢「やり方はともかくね。一応、感謝はしているのよ。私も、部長として」

 

慈「ぐぐぐ……。いいよいいよ!そこまで言うなら、わかったよ! だったら!また誰かが怠け出した頃には、私がビシッッッと言ってやるんだからね! せいぜい覚悟しておくんだよ!」

 

花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理「「「「「は〜〜い!」」」」」

 

花帆「それで話は変わるんですけど、瑠璃乃ちゃんと慈センパイ、旅館で淳兄ぃと一緒にお風呂入ったんですよね?どんな感じでした?」

 

瑠璃乃「ん〜……ジュン兄ぃがタオルお湯に漬けて良いから大事なところ隠して背中合わせで入れって言うから仕方なくそうしたんだけど……」

 

慈「ジュンの体、筋肉でがっしりしてて腹筋もシックスパックに割れてて……男の人って感じだったなあ……」ウットリ

 

さやか「ちょっ、それ詳しく!」

 

そして女の子たちの夜はふけていった。その頃、

 

淳平 ヘックシュン!「湯冷めでもしたか……?」

 

 

ー つづく ー




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