第62話:風邪!?
季節は秋。ラブライブ地区予選も迫る中、来週はもう1つイベントがある。それは……、
蓮ノ空の三大文化祭のひとつ、
この蓮ノ空は、学校の特色として文化系に突出している分、文化祭と呼べるイベントが年に3回あるのだ。1つ目は春頃の蓮空祭。そして2回目がこの竜胆祭。3回目は……また今度の説明にしよう。
〜スクールアイドルクラブ部室〜
部室では、部員たちに向けて梢が竜胆祭に向けて話しているが、いつになくやる気に満ち溢れている。
梢「――来週はついに、蓮ノ空三大文化祭のひとつ……竜胆祭よ」
瑠璃乃「な、なんて物々しいふいんきだ…」
慈「雰囲気、ね。るりちゃん」
おお、めぐがちゃんと正しく言葉を教えられてる。成長したな!
綴理「「ふん」と「いき」って両方口から出てる音っぽいよね」
淳平「今それ関係ある?」
綴理「……たぶん無い」
さやか「綴理先輩、今は真面目なところですからね?」
さやかちゃんに注意される綴理。やれやれ……、
梢は呆れたように額に手をあて、
梢「……はぁ、なんというかいつも通りね。もっとみんな気を張ってるものかと思ったけれど」
花帆「梢センパイ、竜胆祭ってなにか特別なことがあるんですか?」
梢「いえ、基本的には蓮空祭と似た感じなのだけれど、この時期に大きなステージを使ってライブできる分、スクールアイドルクラブとしてはこの竜胆祭のステージ動画でラブライブ地区予選にエントリーしたいところだわ」
さやか「そういえば、今回のラブライブはそれぞれの学校のスクールアイドルがライブの動画を公式サイトにアップロードして、それを見たファンの投票で北陸大会に進むスクールアイドルが決まるんでしたっけ?」
淳平「そうだ。だからこそ一層雰囲気の出る竜胆祭は絶好のアピールチャンスってわけだ」
梢「そう。まずいちばん大きな前提として、ラブライブは地区予選、地方予選、全国大会の三段階。今さやかさんと淳平が言ったように、いちばん最初の地区予選には動画で応募することになるの」
綴理「スクールアイドルはたくさんいるし、会場も限りがあるからね。だからオンライン応募なんだよ」
慈「ただ楽しいだけのお祭りと思ってると予選で敗退だからね?まっっったく甘くないから!!」
花帆「そうなんですか?」
慈「うん。私も、たとえ去年怪我してなかったとしても、確実に突破できてたなんて言えないよ!」
瑠璃乃「め、めぐちゃんでも……?」
慈「私でも!だよ?」
淳平「めぐの言う通り、地区予選は甘くないし、正直な話どこか1つのユニットが突破すれば蓮ノ空は北陸大会には進める。けど……」
花帆「どうせなら、全ユニット突破したいですよね!!」
さやか「はい!」
瑠璃乃「それいがいないっしょ!」
俺が言ってほしかった事を全員揃って言ってくれた。頼もしい後輩だよな本当に……。
慈「そうだよ! それ以外あり得ないんだから!!」
綴理「ぜったいに、全員で突破する」
梢「……そうね。みんな同じ想いで安心したわ」
するとさやかちゃんが手を挙げて、
さやか「あっ、でも。北陸大会以降ってどうなるんですか?」
淳平「そん時は……、同じユニットのメンバー以外は例えスクールアイドルクラブの仲間でも優勝を争うライバルになるな」
さやか「そうなんですね……」
花帆「あたし勝てるかな……」
瑠璃乃「それを言うならルリだって。特訓しないと!!」
梢「まあオーバーワークにならない範囲で2年生が1年生を見ながら一緒に特訓するから、心配しないで?」
花帆・さやか・瑠璃乃「「「はい!!」」」
淳平「まあとにかくだ!1年生もだと思うけど、2年生は特に何としても予選を突破したい。そこでこの竜胆祭なんだよ」
梢「そう。竜胆祭という大舞台に臨むこの熱を最大限に活かしたライブをして、その想いを最大火力で予選に叩きつけたい!そういうことよ!」
瑠璃乃「おおーー!じゃあこの時期に文化祭がある蓮ノ空すげー有利じゃん!竜胆祭に遊びに来た人たちみんな会場に連れてくる!?」
花帆「それいいね! よーし、一緒に全力で集めようね!」
瑠璃乃「うん!……うん?あれ?そんなことしたらルリ、その頃にはライブで使い物にならなくなってるな!でも言い出しっぺだから責任取る!」
淳平「俺もサポートするからやれる範囲で頑張ろうな?」
瑠璃乃「うん!だからめぐちゃん、ステージにダンボール置いておいてね!!」
慈「甘くないって言ったばっかだよね?私、藤島慈feat.ダンボールでライブする気ないからね?」
綴理「……賑やか」
さやか「あ、あはは………」
梢「そこ、寛がない!みんな注目!」
ここで梢がビシッ!と声をかけて雰囲気を引き締める。
梢「瑠璃乃さんに限らず、竜胆祭に向けて体力はきちんと管理すること!今日からしっかり練習して、完璧なライブをするために!」
梢は全員を見渡す。
梢「ん、大丈夫そうね。全ユニットでの予選突破……最高の竜胆祭ライブ、必ず成功させましょう!そろそろ寒い時期になってくるから、体調管理には気をつけるようにね?」
花帆・さやか・瑠璃乃・綴理・慈「「「「「おおー!」」」」」
梢「絶対に、風邪なんか引いたらダメよ!」
花帆・さやか・瑠璃乃・綴理・慈「「「「「おおー!」」」」」
みんなで誓った2日後……
淳平「で、なんでこうなった?」
梢「う、うぅ……本当に、ごめんなさい」
結論を言うと、言い出しっぺの梢が風邪を引いてしまった。説得力皆無になっちまったじゃんかよ……。でもまあ、しっかりしててパワーもあるけど、梢も普通の人間、ただの高校生の女の子なんだよな。仕方ないか……
淳平「大丈夫だから……一応さっきみんなで話をして、花帆のことはめぐや綴理たちが片手間だけど練習見てくれてるから。その間俺は梢の看病してろってさ」
梢「ごめんなさい……」
淳平「良いって。俺にはいくら移したところで影響ないんだからさ。大人しく看病されてろ」
梢「またそういう事を言う……」
梢は不機嫌になったようにベッドに横になって布団に包まる。
淳平「どうした?」
梢「私だって、あなたに移したくないわよ……」
淳平「そっか。なら、早く治して貰わないとな」
梢「ええ……」
淳平「で、原因は?隠れてひたすら練習でもしてたか?」
梢「いえ、練習"は"いつもどおりよ?」
淳平「練習"は"ってことはそれ以外になにか増えたのか?」
梢「ええ。竜胆祭に向けての部長業務や、曲作りや振り付けを見直してたら……」
淳平「それで疲れが溜まったと。なんで相談しないんだよ?何のための俺だと思ってんだ?」
梢「……ごめんなさい」
すると体温計が鳴った。
淳平「失礼、何度かな…39℃……」
梢「40℃ではないのね。ならセーフ……」
淳平「いやいやアウトだから!大人しく寝てろ!!」
俺は梢を無理やり寝かせると、
淳平「ったく、」
俺は梢の手を握ってやって。
梢「!?////」
淳平「体調崩してると人恋しくなるからな。寝るまではこうしててやるよ」
梢「…ありがとう/// くっ……自分が、許せない……!!(でも、ある意味役得かもしれないわね。みんなに怒られちゃうけど)」
ー つづく ー
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