蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第6話:スクールアイドルコネクト

部室で花帆の言った言葉を聞いた俺と梢は呆気にとられていた。

 

淳平「い、今なんて言った?一週間借りてきたって言ったか?」

 

花帆「うん!!」

 

淳平「なんでそんなに借りてんの?!」

 

ああ、頭痛がしてくる……。

 

花帆「これで、明日から毎日ライブできるよ!!」

 

梢「はい?! 明日から!?」

 

花帆「はい!」

 

梢「あ、明日からで……1週間……?そんなにずっとライブするの?」

 

花帆「はい!」

 

いや、はい!じゃなくて!!

 

梢「どうして1週間も……?」

 

花帆「それはもちろん!楽しそうだからです!」

 

そして次の日、練習も詰んで無い状態で、花帆の一週間のライブ期間が始まった。

 

確かに初めてにしては上手いとこの間は思ったけど、梢のフォローが無ければ今の状態では全然実力が足りない。

観客はいるし、見ていて楽しそうではあるのだが……、

 

淳平(せめて練習詰んでからやれよ……)

 

俺はそれを見ながら呆れていた。だが、

 

淳平(まだ2回目なのに、ステージで緊張してないんだよな……。普通だったら緊張するものなんだけどな。舞台度胸があるんだな、花帆は……。いや、失敗したときをまったく考えてないだけか?)

 

まぁ恐らくは後者の気はするが……。するとそこへ、

 

梢「ライブが『いっぱいやりたい』って言うのは、とにかくいっぱいやりたいって、そのままの意味だったのね……」

 

淳平「梢……。大丈夫か?」

 

梢「……どう指導したものかしらね。私とはまったくタイプが違うみたいだから、私のやり方では合わない可能性も……」

 

淳平「梢、お前の考える通りにやればいいさ。たとえそれで合わなくても、あいつならお前が考えてそうしてることくらいはわかるから。考えなしだけど、そういうのには敏感なんだよ。言う事聞かないこともあるけどな」

 

梢「……頭が痛くなってくるわね」

 

淳平「同感だ。けどさ、楽しそうだろ?あいつ……」

 

梢「ええ。本当にね……」

 

 

そして、とあるひの放課後……

 

さやか「うーん…、うーん……?」

 

花帆「さーやかちゃん。部活行こっ」

 

さやか「あ、はい。すみません、今準備しますね」

 

花帆「どうかした?」

 

さやか「いえ……あ、そうだ、花帆さん。わたしのスマホで、写真を一枚撮ってもらえますか?」

 

花帆「え?うん、いいけど」

 

花帆はさやかからスマホを受け取る。

 

花帆「はい、笑って笑って。フラワー!」パシャッ!

 

そしてスマホをさやかに返す。

 

さやか「ありがとうございます。うん、いいですね。プロフィール写真は、これにしようと思います」

 

花帆「プロフィール?なんの?」

 

さやか「はい、スクールアイドルのアプリの、なんですが」

 

花帆「スクールアイドルのアプリ?」

 

さやか「わたしも、夕霧先輩に言われて、自分のチャンネルを作ったんですよ。でも、そこに載せる写真がなかなかうまく撮れず。そもそも自分の写真を撮るのに、あまり慣れていないものでして……」

 

花帆「ま、待って!チャンネルってなに?」

 

さやか「え?ええと、こういうのです」

 

花帆「これって、さやかちゃんのチャンネル……?え、誰でも作れるの?あたしでも?」

 

さやか「たぶん。詳しくは知らないんですが、主に配信活動をするためのアプリだそうです。ライブを配信したり、雑談や練習風景を配信して、多くの人に自分を知ってもらえるそうで。スクールアイドルを始めたばかりのわたしにとっては、いい機会だと思って、始めてみようかと」

 

花帆「なにそれ!楽しそう!やりたい!やっていい!?」

 

さやか「きょ、興味があるなら、乙宗先輩にやり方を聞いてみると、いいのではないでしょうか……!」

 

花帆「分かった!さやかちゃんありがとう!いってくるね!」

 

そして、花帆は教室を飛び出していった。

 

さやか「暴走特急……」

 

 

その頃、部室では……

 

梢「どの紅茶にしようかしら。今日もこの後ライブだから、喉に良いものがいいわね」

 

淳平「ん? 花帆にか?」

 

梢「ええ。少しリラックスさせようかと思って……」

 

淳平「優しいな……やっぱり」

 

梢「そ…っ//そうかしら……?///」

 

すると、

 

花帆「梢センパイ!スクールアイドルのアプリってなんですか!?」

 

淳平「うおっ?!」

 

花帆が弾丸のように飛び込んできた。

 

梢「きゃっ。ど、どうしたの?そんな勢いで」

 

花帆「さやかちゃんにちょっと聞いたんですけど、なんだか楽しそうだったので、始めてみたいなーって思って!」

 

淳平「…ハァ、知っちまったか」

 

梢「そ、そう。でも、花帆さんはまだライブを始めたばかりだから、もう少し後で教えようかと思っていたのだけれど……」

 

花帆「えっ、やめたほうがいいですか…………?」

 

花帆が悲しそうな顔をする。この顔は梢には一撃必殺だ。

 

梢「い、いえ、そういうわけじゃないのだけれど。……そうね、自分のライブを見直せば、なにか新しい発見があるかもしれないわねえ。わかったわ。ライブまではまだ時間があるから、今説明してあげる」

 

花帆「やった!ありがとうございます!」

 

梢「……その前に、お茶をいれても構わないかしら?」

 

花帆「はい、どうぞ!じゃなくて、あたしも手伝いますよー!」

 

そして、綴理とさやかちゃんも揃ったところで、梢はアプリの説明を始める。

 

梢「というわけで、これが"スクールアイドルコネクト"。みんなは通称として、スクコネとも呼ぶわ。主にはスクールアイドルが、配信をするためのアプリね。本当は、花帆さんがもう少し慣れた頃にお話ししようと思っていたのよ。インストールしたら、スマホを貸してもらえる?」

 

花帆「はい!」

 

梢「……ええと……」

 

花帆「……梢センパイ?」

 

梢「ちょっと待っていてね、操作が複雑で……」

 

花帆「えっ、梢センパイが手こずるようなものなんですか!?」

 

淳平「……梢は機械苦手なんだよ」

 

花帆「えっ、そうなんですか!?」

 

梢「ちょっ、後輩に間違ったことを教えないように、淳!私に苦手なことなんてないわ。これは得意になる途中なの!」

 

花帆「梢センパイ…カワイイ」

 

梢「花帆さん?!違うって言ってるでしょ!」

 

綴理「そして、認めようとしないんだ。ほら、かほ、登録したよ」

 

花帆「綴理センパイのほうが機械苦手そうなのに!」

 

さやか「それは失礼じゃないですか花帆さん!?」

 

花帆「確かに!すみません!」

 

綴理「ううん、いいよ。できることはできるんだ、ボク。できないことはぜんぜんまったくできないんだけどね」

 

梢「……ありがとうね、綴理。コホン……では、少し手こずってしまったけれど、これで使えるようになったわ。スクコネはね、近隣のライブや、イベントもチェックできるのだけれど、メインはさっきも言った通り、配信機能よ。」

 

さやか「配信は、まだわたしもやったことないんですよね。なんだか大変そうで……」

 

梢「大丈夫よ、そんなに難しいものじゃないわ。そうね、だったら花帆さん、試しに動画を撮ってみましょう」

 

花帆・さやか「「ええっ!?」」

 

花帆「あたし、なにをすれば!?」

 

梢「簡単な自己紹介で構わないわ」

 

淳平「それじゃあ俺が撮影してやるから。行くぞ?」

 

そして、アプリを立ち上げてスマホのカメラを起動する。

 

淳平「3、2、1、スタート!」

 

花帆『あのっ、初めまして!蓮ノ空学院、日野下花帆です!まだスクールアイドルを始めたばっかりの新一年生ですけど、みんなを笑顔でいーっぱいにしてみせちゃうから、応援よろしくお願いします!ぴーすぴーす、みんなで一緒に花咲こうねっ!』

 

そして、撮影は終わった。

 

綴理「おー……」パチパチ

 

淳平「花帆…、すごいなお前。可愛かった……///」

 

花帆「えっ!そ、そうかな……?///」

 

さやか「はい!花帆さんすごいです!とってもかわいかったです!」

 

綴理・梢((!! 淳(ジュン)、デレデレしてる))

 

淳平「痛てっ! 何二人して足踏んでんだ!?」

 

梢・綴理「「ふんっ!」」プイッ!

 

淳平「何で!?」

 

何で急に怒ったんだ?!訳がわからん!!

 

花帆「へへっ、こんな感じで大丈夫ですか?梢センパイ!」

 

梢「驚いたわ。ライブのときもそうだったけれど、あなたは本当に物怖じしないのね」

 

花帆「えへへ、そうなんです!あたし、楽しいと思ったことはなんでもできちゃうんです。それ以外はなんにもできないんですけど!」

 

梢「そ、そう。なるほど、モチベーションの管理が、いちばん大事なのね……」

 

淳平「みたいだな…」

 

花帆「淳兄ぃ?」

 

淳平「いや、こっちの話。花帆は配信向いてそうだな」

 

花帆「えーへへ。そうかも!あたし、配信向いてるのかも!」

 

淳平「ほら、すぐそうやって調子に乗らない!」

 

花帆「うっ、はい……」

 

まったく……。

 

綴理「スクコネのことで質問があったら、なんでもボクに聞いてね?」

 

梢「大丈夫よ、ちゃんと答えられるから。私だって先輩からしっかりと教わったもの」

 

綴理「確かに、みっちりとメモ取っていたよね。勉強熱心で偉いなあ……」

 

梢「……あなたの言葉が皮肉じゃないことはわかってるけれど、なんだか釈然としないわ。って淳、なにを笑っているのかしら?」

 

淳平「い、いや……、www」プルプル

 

梢「……今度淳には私のトレーニングに付き合ってもらおうかしら?」

 

淳平「すみませんでした」

 

さやか「あはは……」

 

花帆「あたし、もしかして学校だけじゃなくて……。全世界で笑顔を咲かせることができちゃうってこと!?」

 

淳平「とりあえずは、学校のみんなを笑顔にできるようにがんばろうな?」

 

花帆「うん!!私、ライブ頑張ってくるよ!!」

 

そして、花帆は今日のライブ会場に向けて飛び出していった。

 

ー つづく ー




名前 藤島(ふじしま) (めぐみ)(めぐ)
以下は公式プロフィール参照してください

今作の主人公である淳平の、同い年の幼馴染。同じ日に、同じ病院で産まれ、そして家も隣という産まれたときからのお隣さん。
幼馴染にはひとつ下に瑠璃乃がいるが、2人で正々堂々淳平を奪い合おうと誓いを立てている。
後にスクールアイドルクラブに復帰することになる。時々腹黒い策略をみせるが、その根本にあるのは全て仲間や応援してくれる人のため。
本当は心の優しい女の子。


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