蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第73話:乙宗梢編

翌日、学校で授業を受け昼休みになると俺は部室に足を運んだ。扉を開けると、中で梢が作曲作業をしていた。

 

梢「あら、淳」

 

淳平「おう、梢……今度のラブライブ!北陸地区予選に向けてか? 県大会は突破したらしいからな」

 

そう、今日の朝パソコンでチェックしたらスリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!の3ユニットは揃って県大会を突破していたのだ。

 

梢「ええ。ここからは綴理や慈とも優勝を争うライバルになるけど、私は負けるつもりは無いわ。ラブライブ!を戦うスクールアイドルとしても、あなたを争う女としてもね?」

 

淳平「っ!………………////」

 

梢……………

 

淳平「梢、昨日の夜花帆にも聞いたんだけどさ……梢はなんで俺のことが好きになったんだ?キッカケとかあったのか?」

 

梢「キッカケ……ね。まあ、こんな状況なら気になるかしらね」

 

淳平「ああ………」

 

そこは理解してくれてて助かる。

 

梢「実をいうとね、去年、私たちが蓮ノ空に入学して、スクールアイドルクラブに入部したとき、私はあなたのことが嫌いだったの」

 

淳平「あ〜、なんとなく嫌われてるなとは感じてた。けど、俺梢に何かしたっけ?」

 

梢「ほら私、あの時からスクールアイドルの理想がすごい高いというか、堅いというか、高潔なイメージを持ってたでしょ?」

 

ああ、確かに……

 

梢「だから私はあの時、男の子でスクールアイドルにマネージャーとして関わろうとするあなたを、立場を利用してスクールアイドルに近付く不届き者だと思ってたの。今考えると馬鹿な話だけど……」

 

淳平「それでか……言われれば納得できる話だった。けど、それがなんで変わったんだ?」

 

梢「ほら、あなたの入部について、沙知先輩が課題を出したでしょ?私もあの時の課題は、「女の子目当ての男にはムリだと思えるレベル」に思えたのよ。でも、あなたはクリアした。真剣に、真摯に向き合って。その姿を見ていたら、「ああこの人は違うんだ」って思うようになったの。あなたが正式入部してからは、私が困ってたらいつも助けてくれて……、そこからは好意を抱くのに時間はかからなかったわ……」

 

淳平「そ、そっか………」

 

深いキッカケはなさそうだけど、まあ、そんなの人それぞれだし、些細なことがキッカケだったりするしな。

 

梢「慈が怪我してスクールアイドルクラブを離れて、沙知先輩がいなくなった時も、私は新しい部長に選ばれたにも関わらず何もできなかった。でも、それでもあなたは私を支えてくれて、私が悩みを話したら、あなたは私が必要だと言ってくれた。不安に襲われてた私を……。そんなことされたらときめいても仕方ないわよ」

 

淳平「そ、そっか……///」

 

するとチャイムが鳴り、午後の授業開始10分前となる。

 

梢「じゃあ、そろそろ教室に戻りましょうか?」

 

淳平「おう」

 

俺がドアノブに手をかけると、

 

梢「淳……っ!」

 

淳平「っ!!」

 

チュッ!

 

梢は、淳平の頬に手を添えて唇にキス。軽いものではあったが、梢の気持ちは伝わってくる。

 

梢はラブライブ!で優勝したいという夢がある。それには応援してくれるファンは必要不可欠。それなのにこんな色恋沙汰が発覚すれば、炎上は避けられない。そうなればラブライブ!優勝の夢は断たれる事になるだろう。

 

それでもこんな事をするということは、それだけ本気で俺のことが好きだということなのだろう。

 

淳平(………………梢っ)

 

梢「プハッ」

 

唇を離した梢。すると俺に微笑みかけ、

 

梢「私は、私の勝利を信じて待ってるわ。けど、だからといってあなたの考えを縛る気は無いから、あなたは真剣に考えて答えを出して?」

 

淳平「ああ……」

 

そして、俺と梢はそれぞれ教室に戻った。

 

教室に戻った俺は……

 

淳平「ハァ……」

 

慈(? ジュン……?)

 

 

ー つづく ー




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