第78話:距離感
あれから2日後、俺達スクールアイドルクラブは蓮ノ空の中庭に集まっていた。
花帆・さやか・瑠璃乃「「「………………!」」」
綴理・慈・淳平「「「………………」」」
梢「それでは、改めまして……!! 蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ、3ユニット揃って、石川県予選を突破しました!!」
花帆・瑠璃乃「「!! やったーー!!」」
花帆と瑠璃乃が抱き合って喜びを爆発させる。結果が出てからは何日か経ってるけど、こうして実感すると感慨深いな。
花帆「はぁ~……嬉しいなぁ!! 合格発表のときみたい!!」
さやか「それは、高校の……ということでしょうか? 確かに、自分のやってきた事が評価された、ということならその通りかもしれませんね!!」
慈「こらー!! せっかくいい気分なのにそんな気分が重くなる事に例えるなーー!!」
めぐ………。
瑠璃乃「めぐちゃん……、普通はそんなに悪い思い出ばかりじゃないんだよ?」
淳平「まあめぐの頭じゃな」
慈「煩いよそこの2人!!」
俺達が笑い合っているのを、綴理と梢が2人で見ていた。
綴理「……こず?」
梢「本当に…良かったわ。去年リベンジ、絶対に果たしたいもの!」
綴理「うん。それに、そう思えるのは、スクールアイドルクラブが誰も欠けずにいられるからだ。今年は、めぐも復帰して、さやたちもいる。負ける気がしない……」
梢「ふふっ、自信満々ね。まあ、わかる気がするけど……」
綴理「うん。それに……」
ふたりは視線を淳平に向ける。
慈「学力テストなんて人類の敵でしょ!?」
花帆「つまり、それを作っている人は人類の敵ってこと!?」
瑠璃乃「これ何の話? ジュン兄ぃ」
淳平「知らないよ……」
さやか「あははは…………はあ、」
こうしてなんでもない会話を普通にできるだけでも、凄い幸せだな……。
そして放課後、練習を始める前の部室。
花帆「しつれいしまーす!」
瑠璃乃「しつれいしゃーす!」
…
さやか「し、失礼します!」
梢「あら、3人とも早いわね?」
綴理「やる気十分……」
慈「まあ、そうでないとね!!」
淳平「だな!」
まあ、早いと言っても2年生はすでに全員来ていたのだが。
梢「じゃあ、私はオープンキャンパスに向けての書類を片づけてしまうから」
淳平「ああ、今年から学校説明会がオープンキャンパスになったんだっけ?」
梢「ええ」
すると、
さやか「あっ、梢先輩。こちら必要書類のリストになります。作っておきました。どうぞ!」
そしてさやかちゃんは梢にリストを渡す。
梢「あ、ありがとう……。私の仕事だったから、凄く助かるわ」
さやか「いえ、1度梢先輩の立場を経験して、大変さも分かりましたし、作業内容が分かったものもあるので、これからは是非手伝わせてください!!」
梢・花帆「「!!」」
凄い………
慈「あっ、そう言えば地区予選のために提出する書類があるんだった!! 梢、みらくらぱーく!のもやってくれてたりする?」
淳平「めぐ………」
梢「慈もなの? 綴理もやってないって言ってたし、仕方ないから私がやっておくわ」
すると、
さやか「あっ、なら私がやりましょうか?DOLLCHESTRAの分はわたしがやっておいたので、やり方は分かりますし。梢先輩は忙しいでしょうから」
慈・梢「「!!」」
綴理「あっ、さや。そう言えばれいかさんから連絡が来てたんだけど……」
さやか「ああ、れいかさんが今度また、わたしと綴理先輩でまた近江町市場に来てくれないかって。綴理先輩の予定を聞いてから返事しようと思ってたんですけど」
綴理「ん、今日で良いよ」
さやか「はい。き、今日ですか?! 分かりました……」
梢「さやかさん、その調整もあなたがやったの?」
さやか「え、はい。でも、やったという程のことでは……」
梢「………………」
瑠璃乃「さやかちゃん、凄い!!」
花帆「ほんと……」
さやか「え!? いや、そんな事は……」
するとめぐが綴理に近づき、
慈「ちょっと、お宅のさやかちゃん最近凄すぎません?」
綴理「ん。誇らしい!」
慈「まぁ、気持ちは分かるけど……。このままじゃあ、さやかちゃんが6人居れば良いって言われちゃう」
綴理「……? なにかダメ?」
慈「ことの重大さを分かってないなコイツ。このままじゃあ蓮ノ空はさやかちゃん6人グループで良いってことになっちゃうよ!!」
綴理「っ!! さやが6人は良いけど、ボクが0人は……ダメ」
さやか「綴理先輩、連絡取れました。今日で大丈夫だそうです。行きましょう」
そしてさやかちゃんは部屋を出ていこうとする。
さやか「? 綴理先輩? 置いていきますよ?」
綴理「!! 置いていかれるのはやだ!!」
すると綴理は突然必死の態度になりさやかちゃんにしがみついた。
淳平(綴理……?)
他のみんなもなにか違和感を感じたようだが、二人は近江町市場に向かっていった。
その日の夜、
寮で夕飯を食べたあと、外に出てきた俺と梢とめぐは、3人で今日の綴理の様子について話していた。
淳平「……なんか今日、綴理おかしかったよな?」
梢「ええ……」
慈「私が「このままじゃあ蓮ノ空はさやかちゃん6人グループで良いってことになっちゃう!」って言ってからおかしくなったけど……」
……色々と突っ込みたいことはあるけど。
淳平「じゃあ、折を見て俺とめぐで聞いておくよ。梢は仕事に集中してくれ」
梢「分かったわ。なにか分かったら連絡をちょうだい」
慈「分かった!」
淳平「了解。じゃあ、戻るか……」
そして戻ろうとすると、
梢「淳、お休みなさいっ!」チュッ
淳平「ッ////」
梢が不意をついて頬にキスしてきた。
淳平「こ、梢?!」
梢「〜〜♪」
本人は素知らぬ顔で女子寮に戻っていった。
慈「む〜〜っ!!ジュン!!」
淳平「は、はい!!」
俺が身構えると、
慈「ハミュッ……チュッ、チュウッ……ハァッ///、ハムッ、レロォ……」
めぐは負けじと俺の顔を押さえてキスしてきた。しかもディープなやつ。俺は顔が真っ赤になる。
するとめぐは唇を離し、
慈「お休みっ!!/////」
めぐは逃げるように女子寮の中に入っていった。
淳平「梢もめぐも、不意打ちは反則だろ………///」
ー つづく ー
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