蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第91話:蓮ノ空学院 冬のスキー合宿④

スキー合宿2日目。俺とルリちゃんはさっき「今日はいっしょに滑ろう」と約束したので2人でゲレンデに出ていた。

 

……にしてもあの時の皆の「先を越された……」と言わんばかりの唖然とした顔。

 

そんなに……俺に良いところあるのかな?

 

すると、

 

瑠璃乃「ん~?ジュン兄ぃどったの?」

 

淳平「え、ああ……。さっきのみんなを見てさ。「俺ってそんなに良いところあるのかな〜?」って、疑問に思ってさ……」

 

すると、ルリちゃんは「ハァ……」と溜め息をつき、

 

瑠璃乃「何言ってんのさ? 良い所無かったら、いくら幼馴染でも、ルリもめぐちゃんもとっくに疎遠になってるよ……」

 

淳平「そっか。じゃあどういう所が良い所だと思うんだ?」

 

瑠璃乃「そ、それは……/// 恥ずかしくて言いたくない!!」

 

淳平「ええっ!?」

 

瑠璃乃「だって、そんなの…「ジュン兄ぃのこういう所が好きです」って公開告白してるようなもんだよ!?」

 

淳平「あ〜……そっか」

 

確かにそれは恥ずいな……。

 

瑠璃乃「とにかく! みんなジュン兄ぃが好きなのは間違いないから。誰を選ぶかだけ真剣に考えてね?」

 

淳平「分かったよ……」

 

釈然としないけども、言う通りにしとこう。

 

瑠璃乃「うん。じゃあ一緒に滑ろうぜ〜!」

 

淳平「おう!」

 

そしてリフトに乗ってスノーボードコースの滑走開始位置まで上がる。

 

スキーのコースを見ると、遠くに花帆たちが一緒にいるのが見えた。

 

淳平「よし、ルリちゃん行くよ!!」ザッ!

 

瑠璃乃「ラジャー!!」ザッ!

 

そしてスノーボードを昨日同様華麗に操る俺とルリちゃん。ジグザグにコースを滑走し、フィニッシュで板を立てるように体勢を変えて雪との圧でスピードを殺してフィニッシュする。

 

瑠璃乃「ほいっしょ!」ザザァッ!!

 

淳平「やっぱりルリちゃん上手いね?」

 

瑠璃乃「まあね。引っ越す前はよくめぐちゃんの家族も一緒に冬になると来てたし。引っ越してからも冬になるとスキー授業あったから練習してたんだあ」

 

淳平「そっか。転向した小学校や中学もスキー授業あったんだ?」

 

瑠璃乃「うん」

 

淳平「よし、じゃあもう一回行く?」

 

瑠璃乃「オッケー!!」

 

そしてリフト乗り場へ行こうとすると、

 

?「グスッ、お母さんドコー!?」

 

淳平「ん?」

 

瑠璃乃「子供?」

 

声のした方を見ると、小さい子供が泣いていた。見るからに迷子のようだ。

 

淳平「……悪いルリちゃん。行ってくる」

 

瑠璃乃「うん。ルリも行くよ!」

 

そして俺とルリちゃんはその子供に声をかけた。

 

淳平「キミ? 大丈夫?」

 

子供「えっ……誰?」

 

怯える子供。無理もないか……

 

淳平「俺は日野下淳平。こっちは………」

 

瑠璃乃「大沢瑠璃乃だよー?」

 

子供「あっ、えっと……上村春です」

 

淳平「春くんか。お父さんたちと逸れちゃったのかな?」

 

春「あっ、うん……」

 

そっか。

 

瑠璃乃「淳兄ぃ、確かスキー場の入口に迷子センターあったはず!」

 

淳平「じゃあそこまで行ってみるか。春くん、迷子センター行ってみよう? もしかしたら春くんが居ないことに気付いてお父さんたち向かってるかもしれない」

 

春「ホントですか……?」

 

淳平「うん。連れて行くから一緒に来てくれる?」

 

春くんは迷っていると、このままでも不味いと分かったのか、

 

春「……分かりました」

 

そう言ってくれた。

 

淳平「良かった。ルリちゃん、入口ってことは迷子センターってあっちだよね?」

 

瑠璃乃「そだよ?」

 

淳平「よし、じゃあ行こうか?」

 

そして、俺とルリちゃんは春くんの手を繋いで迷子センターまで歩いた。途中で色々な話を春くんとしたが、なんと、春くんは、春ちゃん(・・・)だったのだ。

知った時、俺が必死で謝ると、春ちゃんは許してくれた。優しい子で良かった……。

 

ルリちゃんもスクールアイドルをやっていることを伝えると、「今度お姉ちゃんのライブ見てみるね!」と、元気よく答え、ルリちゃんは、「カワイイファンができちまったなー!」と、ご満悦。

 

そして迷子センターに着くと、大人の男女が受付の人と話していた。

 

春「あっ! パパ!ママ!」

 

男性「春!!」

 

春ちゃんの両親は春ちゃんの事を抱きしめて「良かった……!」と安心した顔。うん。良かった良かった。

 

すると、

 

春「パパ、ママ。お姉ちゃんとお兄ちゃんがここまで連れてきてくれたの!」

 

春父「そうですか……ありがとうございました!」

 

春母「本当になんとお礼を言えば良いか……」

 

淳平「いえいえ。見つかって良かったです。それじゃ俺達はこれで。お腹も空いてきたのでお昼ご飯食べに……」

 

瑠璃乃「そだね」

 

すると、

 

春父「あの、ひょっとしてここに授業できている学生さんですか?」

 

淳平「えっ? はい。蓮ノ空学院っていう学校の毎年のスキー合宿で来てるんです。今日もホテルに泊まるんですよ」

 

春父「そうなんですね……では、先生方の所に連れて行って貰えないでしょうか? お礼をいいたくて」

 

春母「本当に。こんなに素晴らしい生徒さんが居るんですもの」

 

淳平「いや、そこまでしていただかなくても……」

 

すると、

 

先生「あれ? 日野下、大沢? こんなところで何やってんだ?」

 

瑠璃乃「先生……」

 

春父「えっ? 先生……?」

 

ルリちゃんの言葉にお父さんとお母さんが反応する。

 

先生「この人たち誰だ? まさか問題を……」

 

淳平「いや、違うから……」

 

春父「そうです! むしろ私たちは助けていただいた側です!!」

 

先生「? 助けた?」

 

春ちゃんの両親は先生に事情を説明する。すると先生の顔はドンドン明るくなり。

 

先生「そうですか。良かったです。では、お気をつけて!」

 

春父「はい。ありがとうございました」

 

春母「ありがとうございました……」

 

春「お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとー!」

 

手を振る春ちゃんに俺とルリちゃんも手を振る。

 

すると、

 

先生「いやー! 日野下、大沢、良いことしたな!先生は誇らしいぞ!!」

 

淳平「気持ち悪いから引っ付かないでください!!」

 

瑠璃乃「せんせー! セクハラで訴えますよ!?」

 

先生「だって、先生は感激してるんだからしょうがないだろう?」

 

淳平「今の世の中煩いんだからちゃんとしてください!!」

 

先生のうざ絡みを引き離し、俺とルリちゃんは昼ご飯を食べにホテルの食堂に向かった。

 

 

 

ー つづく ー




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