第96話:リンク上のデート
蓮ノ空の生徒がスキー合宿から帰ってきた日の夜、俺のスマホに着信があった。
淳平(ん? さやかちゃん?)
俺はスマホの通話アイコンをタップして電話に出る。
淳平「もしもし? さやかちゃん?」
さやか『あっ、淳平先輩。こんばんわ』
淳平「こんばんわ。どうかしたの?」
さやか『いえ、あの……明日のスクールアイドルクラブの練習、午前で終わりじゃないですか。もしも良ければ、午後から一緒にスケートに行きませんか?』
ん〜……スケートか。
淳平「それさやかちゃんの練習?」
さやか『いえいえ! ただ、先輩と一緒に遊びに行きたいなと……』
淳平「ふむ。そういえば……今年1年間で他のみんなとは色々遊びに行ったけど、さやかちゃんとは個人的には一度も無かったな……。分かったよ。行こう!」
さやか『あっ! ありがとうございます!淳平先輩! じゃあ、明日練習後に!』
淳平「うん。おやすみ」
さやか「おやすみなさい」
ピッ!
そして俺は通話を切り、
淳平「………寝るか」
そして俺は眠りについた。その頃……
さやか「よしっ! 明日のためにお弁当のレシピ考えないと! 淳平先輩に私の料理を初めて食べてもらうんだから!! 絶対に胃袋を掴む!!」
さやかちゃんが気合を入れてレシピを吟味していた。
〜 翌日 〜
梢「じゃあ、今日の練習はここまで! 各自ゆっくり疲れを取ること!良いわね?」
花帆・さやか・瑠璃乃・綴理・慈「「「「「はい(うん)!!」」」」」
淳平「じゃあ練習に使った用具を片付けてくるな?」
梢「頼んだわよ?」
そして俺が片付けをしている間にさやかちゃんたちは着替える。
そして俺も片付けが終わり、待ち合わせ場所に行く。するともうさやかちゃんは待っていた。
淳平「あっ、ゴメンさやかちゃん。待たせちゃって」
さやか「いえいえ。楽しみすぎて手早く終わらせてしまっただけですので……」
そんなに楽しみだったのかあ……。
淳平「じゃあ行こうか?」
さやか「はいっ!!」
そしてバスに乗り込み金沢市街地へと出た俺とさやかちゃん。そして歩いて近くのスケートリンクに向かう。
さやか「あっ、淳平先輩……実は、私今朝お弁当作ってきたんです。よろしければ、リンクに着いたらお昼ご飯として飲食スペースで食べて頂けないでしょうか……////」
えっ!? さやかちゃんのお弁当!! 綴理が美味しいって絶賛してたっけ……
淳平「うん。食べたい!! 是非貰うよ!」
さやか「あっ、良かったあ……」ホッ
胸を撫で下ろすさやかちゃん。食べるに決まってるのに……
そしてリンクに着き、フードスペースでさやかちゃんのお弁当を頂く。
淳平「おおっ! 美味しそう!!」
さやか「良かったです……/// では、召し上がれ!」
淳平「いただきます!!」
そして俺は、まずはさやかちゃん特製のきんぴらごぼうを一口。お味は……
淳平「っ!! 美味い!! えっ!?なにコレ!! めちゃくちゃ美味しい!!」
さやか「良かったです!!」
お次は卵焼きを頂く。さやかちゃんの話ではこの卵焼きは出汁巻き卵らしい。
淳平「んん! これも美味い!!出汁が凄い効いてて……!焼き加減も最高!!」
さやか「〜♪」
さやかちゃんは上機嫌。それにしても美味い!!
その後も鮭のおにぎりやおかかのおにぎり。唐揚げにひじきの煮物などの具を食べたのだが……
淳平「………さやかちゃん!」
さやか「っ! は、はい!!」
淳平「前に旅館でお手伝いした時、綴理が「さやの料理はプロ級だ」って言ってた意味が分かったよ……。ホントにプロだわこれ」
さやか「そ、そうですかね……?////」
淳平「うん。美味しかった。ご馳走様!」
俺は弁当箱をバックにしまう。
さやか「あれ?お弁当箱……」
淳平「うん。洗って返すよ。そのくらいはさせて?」
さやか「わ、分かりました……」
そしてお昼ご飯を終えて、
さやか「じゃあ、滑りましょうか?」
淳平「うん!」
さやか「くれぐれも!! ジャンプとか危険なことはしないでくださいね?」
淳平「あっ、はい」
念を押されてしまった……。
そしてスケート靴を履いてさやかちゃんとリンクに出る。俺はさやかちゃんの隣を滑って着いて行き、さやかちゃんは時々ターンして後ろ向きになって滑って俺の顔を見てくる。
さやか「ふふっ♡」
淳平「やっぱり上手いね……」
さやか「小さい頃からやってるからってだけですよ。でも、そうですね……それっ!!」
さやかちゃんは勢いをつけて跳躍。回転してスムーズに動作を繋げて着地した。
淳平「何回転……?」
さやか「3回転トゥループっていう技です」
淳平「3回転か……難しそう」
さやか「習得するまでは難しいですよ? 私も習得するまでにリンクで何度も着地に失敗して転びましたから……」
本当に……今までずっと、努力し続けてきたんだな……。
淳平「本当に、表現力が身に付いてきて良かったね!」
さやかちゃんは笑顔になり……
さやか「はいっ!!」
そう、力強く答えた。
そして、しばらく滑った後で休憩していると……
つかさ「あれ? さやか?」
さやか「! お姉ちゃん!! どうしたの?」
つかさ「前にアイスダンスに転向するって言ったでしょ? だから取り敢えず1人で滑って、滑る感覚を戻そうかなって。ほら、もうだいぶ滑ってないから……」
さやか「そっか……お姉ちゃんもまた歩き始めてるんだね!」
つかさ「うん! さやかはデートかな?」
さやか「そ、それは!!」
淳平「はい。デートです」
さやか「っ!?」
つかさ「まあ!!」
淳平「と言っても、俺優柔不断で……まだ決められてないんですけどね。さやかちゃんと一緒に出かけて気持ちを確かめてるとこです」
つかさ「あ〜…前にさやかLINEで言ってましたね。ライバルが多いって。でも、ちゃんとさやかにも向き合ってくれてるんですね」
淳平「当たり前ですってそんなの!!」
さやか「…………/////」
さやかちゃんは真っ赤になる。
つかさ「あらあら……じゃあ私は滑ってきますね。怪我が影響するような事はしないのでご心配なく〜♪」
そしてつかささんはリンクに出ていった。
さやか「淳平先輩……//// その、さっきの…デートって……」
淳平「あっ、ゴメン嫌だった?」
さやか「嫌じゃないです!! 嬉しいです!!」
淳平「なら良かった」
さやか「………//// もう少し、滑りませんか?」
淳平「おし! 行くか!!」
そして、さやかちゃんと俺もリンクに出て、つかささんと3人で軽く滑った。
ジャンプとかスピンはしなかったが、村野姉妹は姉妹で一緒に滑れて幸せそうだった。
淳平(さやかちゃん……)
そして、もうしばらくしてその日は蓮ノ空に帰った。
ー つづく ー
つかささんもアイスダンスに転向するって言ってたし、フィギュアとかアイスダンスとかそういうの抜きで一緒にただ普通に滑って笑い合う村野姉妹が公式でも見たい!!
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