Overture
戦え。
『621……お前に意味を与えてやる』
戦え。
『ACの残骸を漁り、生きている傭兵ライセンスを探せ。密航者には身分証が必要だ』
戦え。
『レイヴン。これがお前のルビコンでの名義だ』
戦え。
『薄汚れた侵略者に我々の結束を見せてやれ! 灰かぶりて我らあり!』
戦え。
『ああ……おれも……コールサインが、ほしかったなあ……』
戦え。
『な、なんだ。この機体は!?』
戦え、戦え。
『これも巡り合わせだ、共に壁越えと行こうじゃないか』
戦え、戦え。
『オールマインドは、全ての傭兵のためにあります』
戦え、戦え。
『レイヴン、意志の表象。だが……全ては消えゆく前の余燼に過ぎぬのだ……!』
戦え、戦え。
『私の名前はケイト・マークソン。貴方に折り入って頼みたいことがあります』
戦え、戦え。
『あなたは……? 第4世代、旧型の強化人間……。あなたには私の「交信」が届いているのですね。私はルビコニアンのエア。目覚めてください。あなたの自己意識が……コーラルの流れに散逸する、その前に』
戦え、戦え。
『ビジター……、あんたは向こう見ずだね。嫌いじゃないよ』
戦え、戦え。
『よう、あん時は世話になったな……ラッキーパンチだったってことを証明してやる』
戦え、戦え。
『……あんた、まずいのに絡まれたよ。C兵器、シースパイダー型。ドクターの遺産がこんなところに配備されていたとはね……!』
戦え、戦え。
『ビジター、そいつを作った技研はアイビスの火で滅んだが……。連中は、ドクターは研究に取り憑かれた狂人の集まりだった。油断するんじゃないよ』
戦え、戦え。
『ルビコンの脅威よ、恐らくお前は……あの声を見るのだろう。かつて私がそうだったように……!』
戦え、戦え、戦え。
『待たせたな、戦友。久々の協働だ、助け合いの精神でいくとしよう』
戦え、戦え、戦え
『封鎖機構が……ドクターの遺産を抱えていたとはな。621、戻って休め。俺は、あれを片付ける算段を立てる』
戦え、戦え、戦え。
『レイヴン、ウォルター達が語っていたドクターについてですが、私も調べてきました。記録では、ルビコニアンの良き隣人であった科学者との事ですが、もう半世紀も前の人物です。……封鎖機構はドクターの遺産を悪用しているのでしょうか?』
戦え、戦え、戦え。
『お待ちしていますよ、ご友人。私は貴方と上手に踊れるでしょうか? 心配だ……けれどそれよりずっと楽しみです』
戦え、戦え、戦え。
『「レイヴン」通信は聞こえてる……? 目標を確認したわ。あれが、あなたを騙る傭兵……。見せてもらいましょう。借り物の翼でどこまて飛べるか』
戦え戦え戦え。
『戦う理由を自ら選び、そのために強く羽ばたくこと。それが「レイヴン」の証明だというのなら、私は……変わらずあなたをそう呼びたいと思います。レイヴン』
戦え戦え戦え。
『登録番号Rb23強化人間C4-621レイヴン。オールマインドは貴方をリリース計画の協力者たり得ると判断しました』
戦え戦え戦え!
『これで決める……! あとは任せたぞ、戦友!』
戦え、戦え、戦え!
『レイヴン。あなたに……伝えておきたいことがあります。コーラルは……、彼らは…私の同胞なのです。コーラルの織りなす潮流。私は……そこに生じたひとつの波形。実体を持たぬルビコニアン。これまで長い間……誰にも知覚されることはなかった。……レイヴン、あなただけが』
……だが。
『621。準備はいいか。生きて帰る保証もない。深い探査となるだろう。……だが、やり遂げられるとすれば、お前だけだ。コーラルに、辿り着いてみせろ』
――何のために戦っている?
『誰もその扉を開けてはならない』
そして秘奥は解き放たれる。
この先に何が待ち構えているのかを、誰も知らぬままに。
『仕事の前にひとつ、お前に伝えておく。621、お前が倒してきたC兵器だが、あれらは全てひとりの狂った男の手によって生み出さた。……そいつはルビコン調査技研技術開発局で局長をやっていたが、人の手では有り余る危険人物と成り果てた』
『ドクター』
『コーラルに魅せられた、正真の怪物だ』
プロローグなので短いです。
どんなルート辿ってきたのか、なんとなくわかる程度にしてあります。