ルビコン惑星開拓日誌 博士が愛したコーラル   作:六六

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不定期更新…………赦してくれ…赦してくれぇ


コーラル集積地帯水底視察と博士の私的解釈

 ルビコンの地中深くで発見されたコーラル集積地帯を中心に、技研都市は設立された。本来の目的にあたるコーラルの調査及び研究を第一とするならば当然の立地であるが、そこへ辿り着くため惑星の地表を抉り深層へ降り立つ必要があった。その際にルビコニアンと企業との間で一悶着あったらしいのだが、わたしは知らない。

 

 

 思うことがあるとするならばネゴシエーター、ちゃんと調整した? ぐらいだろうか。

 

 

 人類は些細なすれ違いで争いに発展する、地球時代から脱する事の出来ない業を抱えている。利益問題や信仰の違いは分かりやすい教材だ。思想の相違によって勃発した戦争は存外に長引くし、それに伴った不況や人材不足は最早呪縛と言い換えても良いだろう。

 

 

 人は過ちを繰り返す、とは一体誰の言葉だったろうか。

 警告と皮肉を織り交ぜた、実にウイットに富んだ名言だ。

 

 

 私は争いを好まない。闘争の狂熱は人を虜にする危うい炎だ。しかも一度始まってしまえば互いに消耗を避けられない暗がりの一本道で、一方的な勝利など人類史を見ても稀有な事例だ。更に酷い話だが、争いに終わりは中々に訪れず、憎悪の報復は螺旋となり人類を燃やし尽くす火種になりかねない。

 

 

 それは大変よろしくない事態だ。人類はその愚かさにより自滅の道から逃れられないなんて、わたしは全力で阻止しよう。何故なら破滅は人の可能性を閉ざす断絶だからだ。例え暗黒の未来になろうとも、探求者であると自らを定義したならば、続きを切り開かなければならない。

 

 

 そもそも、そのような悲劇が訪れないよう自戒を各自胸に刻まなければならないのだが、残念なことに企業側の使者たちは少なからず傲慢だったようで、当初ルビコニアンとの交流はわたしたちの頭を悩ませたものだ。彼等からすれば異邦からの侵略者にしか見えぬのだから、それも致し方ない話かもしれないが、余計な苦労の種を作ったネゴシエーターたちは是非とも反省してほしい。目先の利益に目が眩んだ余波は技研の仕事に支障をきたしたのだから。

 

 

 まあ、それも技研創立当時の話だ。

 今ではルビコニアンは良い協力者だと、わたしは胸を張って言える。

 

 

 何せわたしの発明品が、少なからずとも彼らの生活を良くしているのだからな!

 

 

 アイスワームによる土壌汚染地帯の縮小で農耕は目論見通りに広がっていったし、生活領域拡大のために貸し出したヘリアンサス型無人機も良い成果を挙げている。今まで危険過ぎて手を出せなかった場所も無人機なら関係ない。障害物はミサイルで吹き飛ばし、危険生物がいればそのまま轢殺。序でにつけておいた火炎放射器もなかなか役に立っているとか。

 

 

 お陰がどうかは詳細は定かではないが、少なくともわたしは個人的にルビコニアンと仲良くなったと思っている。その証拠に彼らが作ったルビコン特製の嗜好品を時たま頂けるのだから。きっとコーラルを呷り、興味に惹かれミールワームの料理を幾つも食したのが気に入られたのだろう。

 

 

 郷に入っては郷に従え。

 わたしの好きな言葉です。

 

 

 今もコーラルを練ったジャーキー(ミールワーム)を齧っているのだが、これが中々癖になる味をしている。噛み応えよく、スパイスの塩梅も良い。この感動を他の研究員にもお裾分けしたかったが、遠回しに断られてしまった。

 

 

 同じ組織に所属してたとしても、人の相互理解は難しいものだとケイトに愚痴ったら「それを正気で接種出来るのは、ルビコニアンを除けばドクターしかいないでしょう」と嗜められた。

 

 

 何故だ。

 

 

 それはさて置き、わたしは現在コーラル湖の淵で中身を覗いている。ナガイ教授の調査によれば、コーラルの自己増殖が進んでいる傾向にあるらしい。

 

 

 その話を知らされてわたしは何度目かも分からぬ驚きに身を震わせた。

 

 

 え、コーラルって自己増殖も出来るの?

 

 

 それってほぼ無限ってことじゃない?

 

 

 相変わらずナガイ教授の慧眼は素晴らしい。つくづく天才はいるものだ、と感服する他ないだろう。わたしもナガイ教授を見習わなければならない。才能への嫉妬は啓蒙を濁らせる。そもそもわたしにそのような暗い感情は似合わないし、持ち合わせてもいないのだ。

 

 

 しかし、通りでコーラルジェネレーターを用いた無人機体のコスパが優れている訳だ。想定よりも遥かにエネルギー量の消費が少ない『IB−01:CEL240』は整備知らずだし、現在2機目の開発にもこぎ着けているのだから、コーラルさまさまである。非常に残念なことに開発経費がかさむので量産体制が現状出来ないのが口惜しい所だが、そこは目を瞑るしかないだろう。

 

 

 だってファンネル構造や流線型デザインは譲れないんや!

 

 

 実に唆る美的フォルムを妥協するなんて、わたしには出来ない。安価な合成金属で代用するなんて、機体の美しさが損なわれるじゃないか! そんなのわたしは耐えきれないね!

 

 

 ケイトにも代案は提示出来ないのだから続行だ続行。更に代用品もなければ改善点も見当たらなければ、現状の設計図通りに作ればいいので、2機目は直ぐにでも完成する。なんなら今の段階でも起動可能な状態まで進んでいるのだ。最初期の手探りで開発を進めた時間が短縮出来てる現状はお得でしかない。

 

 

 話を戻すが、ここ数日ナガイ教授はコーラル潮位の上昇を気にしているようで、観測データと睨めっこしているらしい。

 

 

 これに関してはわたしの落ち度だ。

 

 

 コーラルの観測地帯が各地に散らばっているのは、正直移動を含めて少々面倒くさい。別地点で調査されるコーラル反応の詳細データは確かに興味深い数値を見せている。言い方に正確性が欠けるかもしれないが、点在するコーラルの支脈から気体化したコーラルの流れは指向性を持って、より大きなコーラルの群れに合流しようとする特性が発見されている。

 

 

 では何処に向かうのか。

 

 

 答えは簡単で、ここコーラル湖である。

 

 

 何故そのような動きを見せるのかは未だ不明であるが、わたしは意図せずそれを増長させていたのだ。

 

 

 つまりだ、アイスワームで獲得した多量のコーラルをコーラル集積地帯に随時投入してた訳である。資源は一箇所に纏めてたほうが管理が楽だろう、という発案だったのだが、どうやらナガイ教授に余計な苦労を背負わせたらしい。わたしよりも遥かにコーラルの知見に優れた天才の閃きを鈍らせたのは流石に申し訳なかった。

 

 

 差し入れにルビコニアン特産の蒸留酒を詫びとして渡しておいたが彼は気に入ってくれるだろうか。内臓が発火するようなあの感覚はアルコール度数が高いからではなく、きっと研ぎ澄まされた熟練の手腕によって研磨されたからだろう。酒に造詣が深くないわたしがあれ程までに感嘆したのだから、この感動を是非ともナガイ教授と共有したいものだ。

 

 

 しかし、だ。この場所は何も最初からここまで広く深くもなかった。コーラルの源泉であるのは確かだったが、発見当初はもっと小さかったのだ。これでは集積データが取り難く、また周辺を開発するにはコーラルが溢れる危険性があったので、わたしが少々手を加えたのである。

 

 

 今もこの水底で駆動している機体。

 名を『シースパイダー』

 

 

 実はこのルビコンで最初に手掛けた無人機だ。

 

 

 ルビコンに降り立った当初、果たしてコーラルエネルギーとはどれ程のものなのかを検証するための実験機、だったのだが半端に作るのはわたしが許せなかった。折角この手で生み出すならば、最低限納得がいくまで作り込まなければならないと、要はルビコンでの初仕事に発奮したのである。

 

 

 大地を掘り起こすためのアーム部分はしなりを見せながら力強く、崩落に耐え切れるほどの強靭性を持たせ、速さを求めてアーム数はバランスを保ちながらなるべく多く邪魔にならないレベルで、重心は低くついでに上昇ブースターも、と色々構想を詰め込んだ結果、六本脚の異形が出来上がったのだ。

 

 

 確か5日間ぐらい寝る間も惜しんで取り掛かったのだが、いざ完成させたら蜘蛛か蛸かも曖昧なデザインで、改修する気力は寝不足も相まって失せてしまったのである。余計な力が俯瞰的発想を思い付かせなかったのは、今となれば若気の至りだったと鑑みる事が出来るが、当時はいざ完成を迎えた奇怪なフォルムに愕然としたものだ。

 

 

 特に残念なのは外観だ。簡潔に表現すると松ぼっくりがぶら下がっている。

 

 

 これはわたしの癖というか性根と呼ぶべきか、一度手を付けてしまえば突っ走り振り返らず立ち止まらない、勢いのままに完成させてしまう向こう見ずな部分があるのだ。しかも、それで失敗をした経験がないために質が悪いと自覚している。失敗もまた人を成長させる母ではあるが、どうやらわたしは親不孝者のようで、自覚した限り盛大な失敗経験がないと言い切れてしまう。だからと言って天狗に成る程心根が腐っていなかったのは唯一の幸いだっただろう。

 

 

 わたしは世界の広さを知っていた。

 

 

 世には天才としか表現出来ぬ人々がいることを、わたしは早々に学んだのである。

 

 

 この研究化学の門扉を開いた時、わたしは素晴らしき神秘にすっかり虜になったのだった。そんな世界の偉大な先人たちの足跡を穢す発想なんて、まったくなかったのだ。

 

 

 未知を暴いて不思議を切開し、不明を踏破し新たな蒙を啓く探究心と勇気の何処に暗い感情を抱く余地があるのか。わたしには縁もゆかりも無い事だった。

 

 

 そんな訳でシースパイダーは浮かれていた当初の自分を見失わないため、また戒めのため定期的に様子見している訳なのだが、今日も変わらず奥底で動いている。目視もできぬ水深で時折コーラルをより多く貯蔵するため、器用に爪先部分で地層を削りながら。

 

 

 ふと、上空を見上げれば『IB−01:CEL240』が優美に漂っている。人口光源装置に艶めくフォルムの美しさと比べ、水底でモゾモゾ可動しているシースパイダーは必要最低限の構造で作成されたので、骨組みがそのまま露出している。水圧に耐えきれるよう計算された剛性を実現するために、余分な装甲を削りきったが、正直な話見た目は微妙だ。地球の極一部地域で使われた言葉を用いるならば、両機は月とスッポンみたいだ。

 

 

 そんな事を思えるくらいには、わたしの周りは平和である。工房に籠もり好きなものを好きなだけ開発改造する鉄火場の時間が好きだが、たまにはこんな時間があっても良いだろう。緊張状態が続くと神経が鈍り思考も濁る過労症状に見舞われ、結局作業効率が低下するのは本末転倒でしかない。人間には休息も不可欠なファクターだ。最近は特に忙しかったし。

 

 

 と、言うのも珍しくナガイ教授の相談を受けたわたしはとある物を開発していて、ようやくそれの完成目処までこぎ着けたのが昨夜の事で、視界の先には黒黒とした巨大な設備が稼働を開始している。

 

 

 コーラル潮位の上昇が不安ならば、それを吸い出し一時隔離すれば良いのでは?

 

 

 そんな設計理念から開発したバスキュラープラント。

 

 

 コーラルが集積し自己増殖するなら、今も貯蔵箇所を拡大するシースパイダーの速度が追いつけないのは全く持って道理である。いずれ許容範囲を越えて溢れ出すのは目に見えている。浸水被害も馬鹿にならない。ならば集まったコーラルを物理的に隔離すれば問題ないやん、と思い立って作り上げてみたが、うんうん、問題なく動いているな。目視でも明らかにコーラル潮位が下がっている。

 

 

 なるべく貯蔵量を確保するため巨大さを求めたが、あれ程の大きさのものを開発したのはアイスワーム以来である。しかも今回は無人機体ではなく管理設備の開発だったので、流石にひとりで開発するのは無茶だったので各部門から人手を集い組み立てていったのだが、その際に有人機の有用性を改めて見直した。

 

 

 これ程の設備を組み上げる工場は流石に技研と言えども存在しなかったので、現場でそのまま建設する運びとなったのだが、MTの汎用性はなかなかに侮れない。武装を取っ払い建設専用に改造を施したが、彼らの活躍がなければこれほどスムーズにはいかなかっただろう。年単位で時間の掛かる作業を数ヶ月まで短縮出来たのだから、協力してくれた研究員には頭が上がらない。

 

 

 お礼は何が良いだろう。わたしが普段愛飲しているコーラル性シガレットはやんわりと断られてしまったし、研究データも常時公開しているからお礼の品には相応しくない。

 

 

 矢張りここはナガイ教授にもお裾分けした蒸留酒が無難だろうか。ほんのりと香るコーラルの甘い香りは結構気に入っているし、ルビコニアンから相場を興味本位で聞くとなかなかにお値打ち物だとか。

 

 

 高い酒を貰って悪い気はしないだろうし、酒精は口を滑らかにする。各チームで分け合えば円滑なコミュニケーションの一助にもなるに違いない。昔から酒の席は職務の疲労を慰める良い良薬だった。ただこれがアルコールハラスメントにならないか若干不安でもあるが、まあ大丈夫だろう。技研の人間だし。

 

 

 「ドクター」

 

 

 ん? どうしたケイト。

 

 

 「技研調査所長ナガイ教授から、アイビスシリーズ貸出許可の依頼が来ましたが、いかがいたしますか」

 

 

 ほうほう、それは珍しい。

 

 

 ナガイ教授もアイビスシリーズの艶美にとうとう気付いたのか。よい感性をしている。

 

 

 「……音声通話にそのような感情は見受けられませんでした。むしろ慌てているような口調でしたが」

 

 

 ふむ、良いかいケイト。人間は本音を隠すための仮面を幾つも成長段階で準備していく。あまりケイトには学んで欲しくはないが、演技なんかが良い例だ。表面上を取り繕うため無意識に培ってきた表現技法は人それぞれであるけれど、善人も悪人も等しくこの技術は持っている。ただ、それを発揮する機会はその人の立場次第で頻度は変わってくるが。

 

 

 例えばそうだね。過去のデータではツンデレ、なるものがあったらしい。わたしは生憎とそこまで詳しくないが、好意を抱いている相手に対し正直になれず、ついつい悪態をついてしまう不器用なサガではあるが、人々はこのツンツン状態が反転して甘えに変じる瞬間をこよなく愛したらしい。曰く、ギャップ萌えがたまらない、という文献も見つかっている。

 

 

 専門家であれば更に詳しく教えてあげられるのだけれど、残念ながらわたしはその道のプロフェッショナルではない。私見になってしまうが、要は照れ隠しで本音が言えない一時的状態からの移行もまた我々は察して愛するべきなのだよ。先人から学ぶのは後世に生きるわたしたちに許された特権だからね。

 

 

 「はあ、いまのケイトにはよくわかりませんが、教えていただきありがとうございます?」

 

 

 ケイト。君は学習型AIでもある。しかし君はまだ幼く、物を知らない乳飲み子のようなものだ。わたしの手の届く範囲にいるならば、よく学び、よく意識を噛み砕きなさい。そうすれば君はもっと良き存在になるだろう。

 

 

 「はい、それはわかりましたがナガイ教授の依頼はどういたしますか?」

 

 

 勿論構わない。存分に許諾しようじゃないか。

 

 

 彼もまた所長という立場ではあるが、この技研に席を置く人間なのだ。楽しみを共有したい者を排斥する程わたしな狭量ではないつもりなのだよ。

 

 

 「承諾しました。アイビスシリーズの一部管理権限の移行を開始します。……ナガイ教授から追加連絡が来ました。直ちに惑星ルビコンから退避するよう準備を、とのことですが」

 

 

 ふーむ、それは残念ながら許容出来ないかな。

 

 

 いくら秘密を共有したいとはいえ、宇宙空間に移動するのは面倒だ。好きなものは胸を張って公然と語るべきだとわたしは思う。語り合いたいならば場所に考慮する必要はない。堂々とアイビスシリーズの良さについて話し合おうじゃないか。遠慮するのは好きなものに対して失礼ですらあるのだ。

 

 

 それにわたしは未だルビコンを離れる気がない。

 例えそれがどんな理由であってもね。

 

 

 「わかりました……ドクター、ケイトは可能範囲これからも貴方をサポートします。何かあればケイトにお任せ下さい」

 

 

 それは勿論、よろしく頼むとしよう。

 ひとりで全てを担えるほど、わたしは万能ではないからね。

 

 

 さて、次はバスキュラープラントの視察に向かうとしようか。出来れば貯蔵する場面は目にしておきたい・

 

 

 コーラルが吸い上げられていく景色は生で見なければ損だ。きっと今までとは違った朱の煌めきが眺められるだろう。

 

 

 ついでに、引き続きケイトにはツンデレなるものについてわたしなりの講義をしなくてはならない。例えケイトにとって不要となる可能性が将来あろうとも、学びは大事だ。それがケイトの成長に繋がるならば尚更にそうだ。

 

 

 嗚呼、やりたいことがどんどん増えていく。

 

 

 わたしは今、幸福だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナガイ教授の私的随想録

 

 殘骸から抜き取った文書データ

 

 ルビコン調査技研所長ナガイ教授の日誌

 

 これはその一部であるようだ

 

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 やはり私の危惧は間違っていなかった

 

 ドクターはコーラルの可能性にしか興味がない

 

 彼からすればコーラルの危険性ですら

 

 コーラルの可能性の一部でしかない

 

 結局、私の声はドクターには届かなかった

 

 ……破綻は避けられない

 

 せめてもの救いはバスキュラープラントが間に合った

 

 それぐらいだろう

 

 あれならばコーラルの共振作用によって異常活性した

 

 爆発力を上空に多少なりとも逃すことが出来る

 

 惑星そのものが破壊される事はないだろう

 

 しかし、その破壊力と熱量は地表を灼き払うだろう

 

 大勢の人が死ぬことになる

 

 ……いや、私が起爆するのだ

 

 大を活かすため、小を殺す選択をしたのは私だ

 

 せめて罪人は私ひとりで良い




 因みにアイビスの火が起こる約二日前の出来事である。

 ドクターとその他の温度差よ。
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